【ソロギター編曲の手順】⑤「全体を見直す」=「TAB譜化」してみる(仕上げ)
このnoteは、「ソロギター編曲ができるようになりたい!」という想いを持った方が、好きな曲を自由に編曲できるようになるための手順やコツをご紹介していくものです。
①~④の続きになりますので、まだの方はそれらを読んでいただいてからの方が、内容を理解しやすいかと思います。
では、本題に入っていきます。
「全体を見直す」=「TAB譜化」してみる
「全体を見直す」って言っても、具体的には一体何をするの?と思われるかもしれません。
ここで重要なのは、「実際に弾けるかどうかの確認」なのですが、そこでおすすめなのが「編曲したものをTAB譜にできるか確認する」というものです。
タイトルや見出しの通りの内容ではありますが、TAB譜化することで「実際に弾けるかどうか」といった見直しを一発で行うことが可能です。
楽譜作成ソフトをお使いの方は実際にTAB譜化してみるのがおすすめですが、手書き派の方や「むしろTAB譜のみの楽譜ソフトなので既にTAB譜化済」という方は、「実際に弾いてみる」というだけでも大丈夫です。
前述の通り、ここでの目的は「実際に弾けるかどうかの確認」=検証ですので、それが満たされれば大丈夫です。
「TAB譜化」が重要な理由
「実際に弾けるかどうか」を見るのが重要ではありますが、「TAB譜化」を勧めるのはいくつか理由があります。
①抜け漏れがなくなる
②改善の余地が見つかる
(③楽譜販売しやすくなる)
それぞれについて触れていきます。
①抜け漏れがなくなる
「実際に弾いてみる」でも十分有効ですが、実際にTAB譜化してみることで、「弾いてみる」だけでは見つけられなかった欠陥や見落としの可能性を潰すことが可能です。
個人的には、「TAB譜化してみたら、一部の音を誤って書いていた」といったミスを発見できることが非常に多いです。
「弾いてみる」だけでは、正しい音のつもりで弾いてしまうので、案外気づかないまま仕上げてしまったりするんですよね。。
②改善の余地が見つかる
TAB譜化してみると、これまで以上に曲の「実際の難易度」がわかってきます。その中で、「このフレーズもう少し音入りそうだな」とか、「思ったより難しいから1音抜いた方がいいな」といったような、編曲をブラッシュアップするための気づきを得られます。
また、編曲している間は「これ良いんじゃね?」みたいなノリで音をあれこれ加えがちなのですが、この段階で冷静な頭で見直すと「これ指足りなくて弾けないな」とか「思ったよりうるさいな」など、編曲当時よりも客観的な視点で見ることができるので、その点でもおすすめです。
(③楽譜販売しやすくなる)
これは「そこまでしたい人」向けですが、せっかく作った楽譜を販売したい、という方は、TAB譜も作ってあげた方が売れやすいので非常におすすめです。体感ですが、倍くらいは販売数変わってくるのではないでしょうか(なんなら「TAB譜だけ」というのも良く見かけますね)
元々私がやっていたゴリゴリのクラシックギター界隈では「TAB譜を使ったら負け」みたいな風潮があった(と感じている)のですが、ライトに楽しむギタリストにとってはTAB譜がない楽譜は苦痛だと思いますし、最近では私も「辛いなあ」と思うので、作ってあげた方が良いです。
「TAB譜化」できないフレーズはどうするか?
「TAB譜化できないフレーズ」が見つかったら、そのフレーズを修正しましょう。
以下のような方法が主なものになってきます。
・音を省く(入れ替える)
・前後のフレーズとうまく接続できるか確認する
これらのやり方については、手順③の内容を振り返っていただくとわかりやすいかと思います。
見直しが一通り終わったら、今度こそ「ソロギター編曲、完。」となります。
TAB譜まで入れたイメージ=完成版は以下のようなものです。
こちらの楽譜は、楽譜販売サイト「Piascore」でも取り扱っています。
おわりに
ここまで本当にお疲れ様でした。
全5記事に渡って、ソロギター編曲の手順について書かせていただきましたが、もちろん、ここで紹介したやり方が全てではないですし、より革新的なアレンジをしたいなら、もっと専門的な勉強が必要になってくると思います。
しかしながら、「好きな曲をソロギター編曲できるようになりたい」といった楽しみ方であれば、ご紹介した方法で十分に楽しく、ソロギター編曲をできるようになっていただけるはずです。
大事なのは、思い切って最初の一歩を踏み出していただくことだと思います。いきなり上手くできなくても、何年かかっても、1曲でも好きな曲を編曲できるようになるのは、とても楽しいことですよ。
この記事を読んでいただいたあなたが素敵なギター人生を送っていただけることを応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!