5月24日(日)日記

知り合いが店長をしているピザ屋さんのお手伝い。

僕はピザの上にサラミを置く仕事。
簡単な仕事。
周りからは「サラにぃ」とでも呼んで欲しかったが、
「店長の知り合い」としか呼ばれなかった。

昼過ぎになり、お店が忙しくなってきた。
サラミを乗せるスピードも上がる。

2枚重ねて置いてしまう(業界ではラッキーサラミと呼ばれているらしいです)こともあるくらい、
どんどんピザが来る。

みんな忙しそう。

すると突然、店長から
「ごめん、釜からピザ出しといて。
大事なピザやから崩さんように。」
と、先端が平らな丸になっている鉄の棒みたいなものを渡された。
嘘だろう。
僕はピザを釜から出したことなんてない。

戸惑っていると
「はやくはやく!」と
バイトの女子高生から急かされる。

見よう見まねで、鉄の棒を釜に入れ
ピザを取り出そうとするが

ピザがどんどん、釜の奥にいく。

やばいやばい。
奥の方が温度高いとかあるんじゃないのか。

先端の平らな部分をピザの下に入れ込ませたいのだが
ピザをどんどん奥に押してしまっている。

女子高生が
「ちょっと、まだですか」と言ってくる。

やばい。
もう思いきってグッとやってやろうと思い
グッとしたが

ピザは完全に釜奥の壁までいった。
壁に沿うように折れ曲がり、
座椅子みたいになっている。

ススみたいなのもいっぱい付いて
黒くなっているし。

もうほんとにやばい。

僕は涙が出てきてしまい、
眼からこぼれ落ちた涙が鉄の棒を伝い
釜の内部に落ち

「ジュゥッ」

と鳴った。

すると、店長が
「テッテレー!」と言いながら
別の鉄の棒を持ってきた。

鉄の棒の先端には
「ドッキリ大成功」と書かれている。

「ドッキリでした~!
それは特に大事なピザではありませーん!
座椅子みたいになってるやん(笑)
え、ちょっと、お前泣いてるやん!
ごめんって(笑)!ちょっと!」

女子高生も
「えー!泣いてる!うそー(笑)!
すいません大丈夫ですか!ごめんなさい!
えー(笑)」
と言っている。

大事なピザじゃなかったんやってさ。

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