なぜ奇跡のヴィンテージと呼ばれるのか?。ドン ペリニヨン 2010を飲みました。

日頃からワインをよく飲む人でも、「有名ワイン」は滅多に飲むことはできません。(よほどの金持ちではない限り。)

有名ワインは、やはりそれなりに値段がするからです。僕なんかは、ここ数年、週に少なくとも7日はワインを飲みますが、例えば、「オーパス・ワン」を飲んだことがありません。お金がないことに加えて、機会がなかったからでしょう。(僕は、どちらかというと、重めの赤は好き好んで飲まないのです。)

しかし、今週は幸運なことに、ドン ペリニヨン、通称「ドンペリ」を飲む機会がありました。ドンペリは、僕の記憶ではほぼ一年ぶりくらいに飲みます。ヴィンテージは2010です。

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(画像は、ドン ぺリニヨン公式HPより)

飲ませていただいた方に「ドンペリ2010が奇跡のヴィンテージとされている」という話を聞いてとても面白かったので、いろいろ調べてみました。

そもそもドンペリってどんなワイン?

シャンパーニュです。星の数ほど種類があるシャンパーニュの中でも、世界一知名度が高いものの一つでしょう。何故こんなに知名度が高いのでしょうか?もちろん、ドンペリが美味しいということが理由の一つですが、どちらかというと、ホストクラブやキャバクラで「ドンペリいただきました〜!!ww」と言った声をよく聞くからでしょう。このようなナイトマーケットへの需要を応えるほどの安定した供給量こそがドンペリの凄さと言えると僕は考えます。

しみずのテイスティングコメント

品種は、ピノノワールとシャルドネのセパージュ(比率は非公開)です。フレッシュで溌剌としたキメの細かい泡に、柑橘の爽やかな香りと、香ばしい酵母の香りが心地よく、バランスの良さが際立っておりました。

一般的に「没個性的なシャンパーニュ」とされるドンペリですが、その個性のなさこそが、ドンペリの個性なのだと思います。これから何十年後かに再会した時に、どのように熟成されているか、とても気になります。

奇跡のヴィンテージとされる理由

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シャンパーニュ地方は、ヨーロッパのワイン産地としての北限なので、基本的にはとても冷涼な気候です。しかし、ブドウは暖かくないと、十分な糖度を持つことができないので、「ある程度の暑さ」は美味しいワインになるためにとても大切なファクターです。

シャンパーニュ地方の2010年は、ブドウの成長にとって非常に難しい気候でした。

2010年の冬から春にかけて、シャンパーニュ地方はとても厳しい寒さでした。逆に8月は熱波に襲われ、おかげでブドウは急激に熟されたのですが、その後、集中豪雨に襲われました。その集中豪雨がブドウに大量の水分とボトリティス菌をもたらすことになったのです。いわゆる、灰色カビ病の原因です。

結果的に、病気に弱いピノノワールが大きく被害を受けました。そのため、ボトリティス菌が畑全体を襲う前にピノノワールが早期に収穫されました。ピノノワールの早期収穫に関しては、非常に難しい判断だったと思いますが、とても計画的に行われたそうです。

そんな苦難を乗り越えた、ブドウたちの出来はどうだったのでしょうか?

ドン ペリニヨン醸造最高責任者であるVincent Chaperon氏によれば、収穫できたブドウに関して、なんとここ10年で最も熟したブドウになったとのことです。特にシャルドネに関しては、過去40年で最高の出来になったとのことです。(2020年6月 La Champagne de Sophie Claeysより)

つまり、苦難だと思われたが、結果的に最高のブドウを収穫できたということです。

これは、集中豪雨による大量の水分や菌と言った自然の脅威より、シャンパーニュの老舗であるドン ペリニヨンの経験値と技術力が一枚上手であることが証明された結果となったのです。

そんなことから、2010年は奇跡のヴィンテージと呼ばれるみたいです。僕としては、本当にこれからの熟成が楽しみです。またこのワインに出会える日を楽しみにしております。

【参考文献】

- ドン ぺリニヨン公式HP https://www.domperignon.com/jp-jp/

-  La Champagne de Sophie Claeys, "Vive le monde de l’après, la dégustation du Dom Pérignon 2010…en vrai !", https://lachampagnedesophieclaeys.fr/vive-le-monde-de-lapres-la-degustation-du-dom-perignon-2010-en-vrai/


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