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山田剛志『搾取される研究者たち――産学共同研究の失敗学』

 産学連携と聞こえはいいが、企業に「研究を期限までに仕上げろ」「無償でやれ」など契約がいい加減なため無理難題を要求され、困り果てている理系研究者たちの話。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784334044657

 発端はアメリカの対日要求から着想された小泉政権時代の平沼プラン(当時平沼赳夫通産大臣)にあった。大学発のベンチャー企業を創成することが目標だったが、政策のあり方がずさんで、契約も曖昧なので企業と大学の間でトラブルが絶えず、しかも成果が少ない(本書pp.165-172)。

 文系研究者の私はこれを読んで「さもありなん」という話だと思った。文系も地域連携などをやっているが、予算も少なく期間も限られているのに成果ばかりを求められる。その結果、地域も研究者も疲弊して終わっている例が多いと思う。これが改革の成果なのだ(やれやれ (^^ゞ)。

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