読書からはじめたい

京大文。朝型。読書を通じた世界再考。

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最近の記事

シュートを打つ! 光嶋裕介 青木真兵 『つくる人になるために ー若き建築家と思想家の往復書簡』

この往復書簡に出合ったのは、2023年の夏頃。 大学での勉強や京都の暑さに疲れてしまい、「優しい」文章を求めていたときに、とある書店の告知を目にした。 第一印象は「装丁綺麗!」だった(やっぱり「物」としての本は大切!)。光嶋さんの文章にも、青木さんの文章にも触れたことがなかった自分にとっては、ある意味で「博打」での購入だった(今から振り返ればこの博打は大成功だった)。 期待に胸を膨らませ、往復書簡を1回目に読み終えると、頭の中は「?」でいっぱいになった。文章は優しいものの

    • 剛さと寛さ 林大地『世界への信頼と希望、そして愛』

      感染症、戦争、誹謗中傷、政治腐敗。 昨今の世界は、陰鬱な雰囲気が漂っているように思われる。 自分の人生を、はたまた世界それ自体を、投げ棄ててしまいたくなってはいないだろうか。全部リセットできるボタンがあれば、押すのにな、という風に。 林大地著『世界への信頼と希望、そして愛 ーアーレント『活動的生』から考える』は、リセットボタンを押しかけたその手の緊張を解し、温かい手で握りかけてくれる、そんな一冊の書物である。 林は、ユダヤ人思想家、ハンナ・アーレント(Hannah Are

      • 読書からはじめたい

        何をはじめようと思ったのか。 それは世界の「見直し」である。 周囲の人々の支えもあり、これまでの人生は順調だった。 生まれてから今に至るまで、「充実」している。 それでも世界を見直したくなった。なぜか。 身の回りで小さな「革命」を起こしたくなったからである。 決して、国家の転覆を目論んでいるわけではない。 しかし、価値観の転換は望んでいる。 大学生になってから、小学生以来およそ10年振りに読書をしはじめた。 そうすると、読書の楽しさに驚いた。 本を読むことも楽しいのだ

      シュートを打つ! 光嶋裕介 青木真兵 『つくる人になるために ー若き建築家と思想家の往復書簡』