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55.大地の裂け目グランドキャニオン(アメリカ南西部ツアーPart3 アリゾナ州)
前回の続きです。
グランドキャニオン
さて、早速、問題です。グランドキャニオンは何州にあるでしょうか?
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答えは、アリゾナ州です。
それでは、この4つの旗はどの州で、何を意味しているでしょうか?
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左下から時計回りに、アリゾナ州、ユタ州、コロラド州、ニューメキシコ州になります。
この4州の特徴は、直線的な州境により4州が合わさるポイント、Four Cornersがあることです。
そのため、この4州はFour Cornersと呼ばれています。人口を下記の地図に記載していますが、カリフォルニア州の3950万人と比較して、4州全て合わせても1780万人で半分に満ちません。
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なかでも、ニューメキシコ州のアメリカ加入は47番目、アリゾナ州は48番目と、アメリカ大陸では最も遅い1912年でした。
アメリカになってからまだ約100年しか経過していません(参考:49番目アラスカ、50番目ハワイ)。
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アリゾナ州、ニューメキシコ州は1821年にメキシコがスペインから独立して以後はメキシコ領土でした。しかし、アメリカが1848年の米墨戦争でメキシコシティを占領し、後にアリゾナ州となった地域を含めメキシコ北部領域の大半について領有権を主張して獲得したものです。
そして、メキシコ領土になる前は、そもそもインディアンの土地であったため、両州ともインディアン居留地が多いのが特徴です。特にアリゾナ州は面積の25%がインディアン居留地です。
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広大な面積、インディアン居留地、グランドキャニオン、モニュメントバレー、アンテロープキャニオン、ホワイトサンズ等の自然遺産、カジノ、核実験、放射性廃棄物処理は混然一体になっています。
日本から観光で訪れると、滞在日数が短いため、アメリカのなかにおけるアリゾナ州、ニューメキシコ州の位置づけを認識せず、自然遺産のみを見て、その迫力と景色に圧倒されて満足してしまいます。
国際関係学をフレッチャースクールで学んでいる私としては、折角なので、負の側面にもスポットライトを当てていきたいと思います。
グランドキャニオン国立公園の特集
というわけで、今回はグランドキャニオン国立公園の特集になります。
グランドキャニオン国立公園は、グレートスモーキー山脈国立公園に次いで全米2位の年間入場者数を誇ります。
2017年の入場者数は、グレートスモーキーが1133万人、グランドキャニオンは625万人です(3位のザイオン国立公園は450万人、ロッキー山脈国立公園は444万人、5位のヨセミテ国立公園は434万人)。
グランドキャニオンを理解する上でのキーワードは、前回フーバーダムでも紹介した「コロラド川(Colorado River)」です。“Colorado”とは赤みを帯びた色をしている(colored)というスペイン語から来ています。コロラド州のコロラドと全く同じ語源です。
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長さ2,330 kmに及ぶコロラド川は、アメリカ7州とメキシコ2州にまたがる広大な乾燥地帯を流域にして潤します。
水源は合衆国のロッキー山脈中央部、そこから南西に流れてコロラド高原を横切りグランドキャニオンを刻み、アリゾナ州とネバダ州の州境ミード湖となります。その後、フーバーダムを通過して南に流れてアメリカ=メキシコ国境となります。
グランドキャニオンの大地の裂け目は、コロラド川によって500~600万年かけて削られたもので、氷河期が終わる1万2000年前には10倍の水量があったようです。
現地のどの展示物よりも、どのWeb Site(3時間以上閲覧)よりも、グランドキャニオンの入場時に貰える下記のパンフレット資料が一番わかりやすく地形の生成過程を示しているので、掲載します。
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大きくわけて、1.2.3のRocks Form、4のUplift Occurs、そして5のErosion Sculptsによる運動によってできたのが、現在のグランドキャニオンです。1が20億年前、4が7000万年前、5がようやくコロラド川が誕生する500~600万年前のことなので、自然が生んだ奇跡の軌跡を見ることになります。
歴史がないアメリカの歴史的建築物は自然が生成した国立公園のみですが、その国立公園のなかでもこれほどの壮大な歴史を地層の変化により一望できるグランドキャニオンは群を抜いていると言って間違いありません。一緒に訪れた残りの3人も圧巻だと言っていました。
正直な話、グランドキャニオンを初めに見てしまうと、それ以外のモニュメントバレー、アンテロープキャニオンは霞んで見えてしまうので、注意が必要です。
短い旅であれば、ラスベガス→グランドキャニオンまたはグランドキャニオン国立公園空港を利用して、1泊グランドキャニオン国立公園内または付近に宿泊すれば十分満喫できると思います。
恥ずかしいかな、私は中学2年生の時に一度グランドキャニオンを訪れているのですが、10年以上の時が経過して記憶が風化していました。しかし、今回再び訪れて感動が蘇りました。
South Rim(Grand Canyon Visitor Centerがある場所)から眺めると目の前にNorth Rimが見えます。わずか16km先なのです。South Rimの標高は2173m、North Rimは2483mで、コロラド川は732mになります。South Rimからは1500m下のコロラド川はほんの少ししか見えません。
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Desert View Visitor Center
そこで、お勧めのスポットは、Desert View Visitor Centerです。
South Rimから23mile、36分で到着します。このスポットからは、North RimとSouth Rimを横切るコロラド川がばっちり見えます。
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以上、是非とも今後グランドキャニオン国立公園に行かれる方は、1地点のみではなく、複数地点巡ることを強くお勧めします。
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事前に自分で少し学んでいけば、見学がより楽しくなります
次回は、アンテロープキャニオン、モニュメントバレーを特集します。
See you soon.
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