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㉝地球の歩き方アメリカ編、ピッツバーグ、デトロイト旅行記Part3(デトロイト美術館)

旅の最終回になります。
2017年8月22日(火)にデトロイト市内を見学しました。

デトロイトに到着した時からずっと疑問だったのが、

「ダウンタウンはかなり危険なのに、どうやってデトロイト美術館にアクセスしたらいいのか?」

正解がわかりました。

まず前提知識ですが、デトロイト市はモータリゼーションが進んでいて、最寄りのDetroit Metropolitan Airportからバス、電車の公共交通機関が存在しない観光客泣かせの場所です。

自動車業界のロビイングが強かったために、公共交通機関が全く発達しませんでした。その結果として、私は空港から市内までの30分間でUberにして30ドルも支払う羽目になっているのです。

22日朝7時出発で、サークルの先輩にGMタワーに連れていってもらい下ろしてもらいました。そのまま先輩は職場に。。。私をわざわざ市内まで連れていって下さったことに感謝です☆

そして、朝目が覚めないなか、GMタワーでコーヒーを買い、ソファーに座っていてそのまま眠りに落ちると、いかつい黒人警備員の‟This is not the place for sleep, wake up man“という言葉に起こされました。これに関しては至極的を射ているので、納得して場所を移動して異なるソファーで本を読んでいました。

GMタワー、下は壁に書かれている絵です
GMタワー正面玄関から入ると、General Motorsとあります。シボレーもGMだったんですね
GMタワーから見た川の向こう側は、カナダです。カナダ国旗が小さくカナダを主張

このGMタワー内の警備員、何が怖いかというと、拳銃をズボンのポケットの脇に装備しているのはよく見る現状ですが、ライフみたいなものをリュックに入れて運んでいるのです。どんな銃撃戦を想定しているのか分かりませんが、私のような子ウサギの戦闘力しかない人間は銃撃戦になった瞬間に死傷するのだろうとボケーと想像してしまいました。

GMタワー内にあるマリオットホテルのお手洗いを2度使用した後に万全の準備をして、People Moverという市内のごくごく一部のエリアを15分で一周する無人電車に乗りました。

全ての動きはSurveillance CamerasでRecordされていますという標識を見て、暴漢にあっても記録には残るのだと安心感を抱いて乗りました。これが、75セントの料金で遊園地のアトラクションのようで楽しい。

そして完全に1周して元のGMタワーに連結している駅で降りました。

デトロイトの安全地帯は、People Moverが1周する内側です
外見はかわいく見せかけて中身はスーパー質素。75セントなので許せます。1ドル取ればいいのに
車内にあった地図、1周15分の狭い区間
People Moverから見た景色。一番下のこちらの写真は北へと延びるダウンタウンの中心通り、Woodward Ave

その後、デトロイト美術館に行くために、ウーバ―を読んだところアクセス方法がわかりました。

ダウンタウンエリアを囲むようにして高速道路があり、ダウンタウンを南北に貫くWood Ward Aveは通らないのです。

この通りはやけに車が少なかったのが、People Moverから見えたのでどうしてだろうと疑問に思っていました。ダウンタウンを進撃の巨人の壁のように高速道路が取り囲んでいて、市内への進撃は一部の穴を通過して成し遂げられることがわかって大満足しました。

どうりで、ダウンタウンエリアが開発から取り残されてしまうのですね。

デトロイトのダウンタウンの移動方法、市内中心部は避けて高速道路を使ってサイドから目的地に進撃しました

その後、訪れたデトロイト美術館は、今までアメリカで訪れた美術館よりも鑑賞者の視点に立っている美術館でした。普通の鑑賞者は、美術館にいってたいした真贋も持たず、印象派のモネの絵なんかみて、「あら、光のテイストがやっぱり独特だわね、あとこの何ともいえない優しいソフトタッチの色使い」と印象派ならどの作品にも共通しそうな月並みな感想を述べて満足げに帰っていくでしょう(私もこういう典型的な日本人です)。

しかし、この美術館は、全ての展示物でないにしろ、代表的な展示物に関しては解説があります。私みたいな「フェルメールは1600年代後期のオランダ芸術を代表する作家だから、錯視技法がよく使用されていて、●●という飾りつけは●●を象徴している」という知識が全くない人にも寄り添ってくれる優しい場所です。

あと、NYやボストンやシカゴのTop3美術館のような鑑賞者の数もいなくて、どちらかというと美術館自体は巨大ですが、雰囲気はペンのバーンズコレクションやフィリップコレクションぐらいの数しかいないので、1点1点じっくりと鑑賞できます。

更に、デトロイト美術館は物語のある美術館です。

それは、2013年のデトロイト市の財政破綻時に窮地に立たされて、有名な作品群を市が売却せざるを得ないことになった際に、住民が寄付をすることで売却を免れたようです。また住民の他にも多くの日本企業(自動車会社、部品メーカー、商社等の21社)から約216万ドル(当時2億5000万円)が集まったそうです。この物語を原田マハさんが、「デトロイト美術館の奇跡」という本で紹介しています。

荘厳です。かなり大きいです。おそらくボストンミュージアムよりも大きい
財政危機時に寄付をした方々です。世の中金をこういう局面で使う人は素敵です
おしゃれなカフェです。カフェにいてしばらくボーっとしてしまいました
デトロイトの産業を描いた巨大アート
Art of rebellionアートの反逆ですかね。デトロイトにおける黒人のアートを通じた主張です。メッセージがわかりやすい特別展は大好きです
女好きのルノアールは女性ではない絵をほとんど書かない気がします。右は珍しい、左はあるあるルノアール
現代のアイドルであれば間違いなくモテそうな体型です、胸元が大胆です。
女好きのルノアールらしい作品です。
このバンゴッホよく見かけます。英語では、バンゴーと発音すると出川哲郎から教わりました。
ッホの発音は不要です
絵の下にこういうわかりやすい解説があるのです。これですよ、初心者が欲しいのは!
メディチ家のアートに対する影響の解説もわかりやすいです
Play Eye Spyというような遊び心も満載
こういう解説です。こんなに意味を込めて絵画は書かれているんですね
ピカソ、あまりアメリカで見ないです
デトロイト出身の音楽家・ラッパーの特別写真展示

是非とも機会があれば、デトロイトを訪れて下さい。全米一危険を評されますが、行ってみれば案外そんなことはありません。日中にウーバ―を利用すれば安全です。1人で行くよりは2人以上で行くと安全だと思います。

前回シカゴを訪れ、今回ボストン→NY→ピッツバーグ→デトロイトという五大湖と中西部のエリアを堪能しました。

次の機会を見つけて、アッパー西海岸のアラスカ、シアトル(ボーイング工場見学メイン)、ポートランドを回りたいと思います。


これにて、連載してきた『地球の歩き方アメリカ編、ピッツバーグ、デトロイト旅行記』シリーズを終了したいと思います。

ピッツバーグの宿泊先を提供していただいた尊敬する職場の先輩、デトロイトで提供していただいたサークルの愛らしい先輩、そして、読了していただいた皆様、ありがとうございました。

See you next.


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