「絶対に面白い」と安心できる作家

アンソニー・ホロヴィッツさんの『ヨルガオ殺人事件』上巻(山田蘭さん訳、創元推理文庫、2021年9月10日初版)を読んでいます。面白い。相変わらず、かつ圧倒的に面白い。前作の『カササギ殺人事件』も面白かったし、別シリーズである「ホーソーンシリーズ」『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『殺しへのライン』全てが面白かった。だから今回も面白いと確信していました。

こういう、「この人の作品は絶対に面白い」と確信できる作家を自分の中に持っておくと、心強い。お守りになるな、と思います。

たとえば、急な仕事や出張で本屋をゆっくり見られない時。駅併設の書店などで、「安心作家」の本をさっと買うだけなら5分で足ります。そして、開くと確実に現実逃避できる。魅力的な物語世界が待っている。

理想を言えば、寡作よりも多作な「安心作家」ならさらに良い。村上春樹さんは面白いけれど、どうしても過去作を漁るしかない。たとえば月村了衛さんが好きなら(好きなのですが)、毎年何作も新しく魅力的な作品を届けてくれる。文庫化する作品も同じだけある。

ホロヴィッツさんも、『カササギ殺人事件』が連なるアトゥカス・ピントシリーズと、ホーソーンシリーズが2本走っているので、毎年のように楽しめる。ありがたい限りです。

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