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【クロノトリガー】完全時系列のあらすじ~エンディングまで

※クロノトリガー本編のネタバレを含みます。
本作はマルチエンディングですが、魔王を救い、黒の夢まで行ったということで進めていきたいと思います。
前半は時代ごとにクロノたちが来る前に起こったこと、クロノたちが起こした影響。後半はロボとルッカの物語になっています。
続編、クロノクロスの概念は含まず、トリガーのみで語られた部分と語られない部分をつなぎ、クロノたちが旅した世界を全て時系列にしました。それでは、その世界を見ていきましょう。

*原始時代 人間対恐竜人の争い

地球が誕生し長い月日が流れ、地上には恐竜が進化して知能を持った恐竜人が現れ、それを追うように、猿から進化した人間が出現しました。
この地球において種族の生き残りをかけて、恐竜人と人間は争いを続けていました。
そして、恐竜人の中から超能力を操ることができて、さらに高度な知能を持ったアザーラが生まれます。
一方、人間側には並外れた戦闘能力を備えたエイラが現れます。
アザーラの圧倒的な頭脳による支配力は、あまり物事を深く考えず本能によって行動する末端の恐竜人をはじめ、強大な力を持った体の大きい恐竜人さえも従えます。
人間は、そんな恐竜人に恐れをなして身を隠す者たちと、エイラも身を置く恐竜人と戦う勢力に分裂していました。
弱肉強食の元で、生き残りをかけて戦う中で、空には赤い光が不気味に光っていました。
恐竜人アザーラは、超能力や洞察力を働かせ、あの赤い光が地球に与える影響を知るに至りました。
赤い光は大地に振り、大地を焼き尽くし、地球の環境変動を引き起こして、気温が爆発的に下がって氷河期となる、と。
そして、赤い光は恐竜人の拠点、ティラン城に振り、氷河期を迎えます。ティラン城では、多くの恐竜人が消滅。そして氷河期の環境の変化に耐えられず恐竜人は絶滅へ向かうのでした。
当時の人間は、赤い光の球を、火と大きいという意味を掛け合わせた言葉でこう呼びます。

ラヴォス…

*古代 魔法に溺れた人間

ラヴォスは星の命を吸いながら、進化して力を蓄えて、溜まり切ると星を壊滅させて子どもを産み、子どもを他の星へ送り込む目的で動いています。
ラヴォスによる謎の力、氷河期、環境変動の影響もあり、人間は魔法を使える者が次々と生まれていきます。
そして、魔法を使える者は、魔法を使えない者を見下し、差別し、彼らを極寒の大地に残して、魔法で浮かぶ天空の帝国を作り上げました。
そこに君臨するのは、圧倒的な魔力を持った女王ジール。同じく強大な魔力を持つ娘サラ王女と、息子ジャキ王子を持ちます。王国は、最高の頭脳を持った3人の賢者=実力のある最高権威の学者を擁して、機械技術、科学や建築技術も発達し、栄華を極めていました。
女王ジールは、先代まで使用していた星のエネルギーを吸い出すのをやめて、代わりに先代から言い伝えられる地中に眠るラヴォスを用いたラヴォスエネルギーという新エネルギーを吸い出していました。ラヴォスの魔力は不思議なパワーを持ち、女王の精神を蝕んでいきます。
女王はさらなるラヴォスの力を求めて、それを制御する装置を賢者たちに作らせるも、結局制御できずに、ラヴォスを眠りから起こしてしまいました。
起きたラヴォスは制御装置の影響か、時空のゆがみを作り出し、3賢者とジャキ王子を飲み込んで、彼らは別の時代に飛ばされます。
そして、ラヴォスは天空の王国を破壊して、再び眠りに着きます。そして地球の環境が変化し氷河期が終わります。
サラ王女の魔力を宿したペンダントは代々王家で受け継がれて行くこととなります。

*中世 魔族対人間 再びいがみ合う種族たち

人間はラヴォスがもたらした大災害からの復興に際して、争いのもとであった魔法を手放すことにしました。
そして、時は過ぎ、中世。ラヴォスによってジャキ王子は中世へ飛ばされていました。
そこで、天空王国の影響で生まれた、魔法を使える人間とは別の人間と同等の知能を持つ種族、「魔族」であるビネガーと出会います。
魔族と人間は争いを続けていました。
封印していた魔力を解放したジャキ王子は、慕っていた姉サラの運命を翻弄したラヴォスに、どんな犠牲を払おうとも、なんとしても力をつけて倒そうと、魔族の王、魔王となり、統率力を持って魔王城を建設し、ラヴォスを呼び覚まして、倒さんとしていました。その中で、ラヴォスを呼び出す邪魔をしてくる人間を、ビネガーに命じて排除させていたのでした。
魔王の登場によって、人間側は苦戦を強いられていました。
剣の素質があるものの、臆病なグレンは、悪に立ち向かう勇気を持つサイラスに助けられて、2人は親友となりました。そして、サイラスはガルディア王国の騎士となります。剣の腕を見込んで、サイラスはグレンも王国騎士へと誘いますが、またも臆病さが原因で断ってしまうのでした。
実績を積み、立派な王国騎士となったサイラスは、魔王の力を弱めることができるグランドリオンという伝説の剣を求めて、親友グレンと旅に出ます。
伝説の剣を見つけたサイラスは、王国の未来のために、魔王に戦いを挑み、善戦するも、魔王の力を弱めるグランドリオンが折れてしまい、負けて命を落とします。その戦いを後ろで見ていたグレンは、その臆病さを具現化した姿、カエルに姿を変えられて崖下に落ちていくのでした。
グレンはサイラスを助けてやれなかった自責の念に駆られて森の奥に隠居し、たまに街に出ては酒場で飲んだくれていました。王国の様子を気にして、大臣に化けたヤクラという魔物から王妃を助け出すなど心の奥底に勇気を持ち合わせるものの、カエルの姿のまま生涯を終えます。
魔王はラヴォスを呼び覚ますことに成功するも、敗北。そのまま消えてしまい、統率力を失った魔族は人間に敗れるのでした。

*現代 訪れた争いのない平和

中世で人間の勝利後、争いのない平和な世界がようやく訪れていました。地中に埋まったラヴォスは時々地震を起こすものの、眠りについていました。
発明家タバンの娘ルッカは、機械に疎くしかし活発な女の子として育っていました。ルッカは母と2人の時に、母が父の発明した機械に巻き込まれてしまいます。パスコードを打てば助けられたはずなのに、機械に何も関心を持たないルッカはそれがわかりません。そして、母が足を巻き込まれ、歩けなくなってしまった深い後悔と悲しみの心の傷から、機械をしぬほど勉強し、機械に対する天才的頭脳を手に入れていました。
ガルディア王国は建国千年のお祭りに沸いていました。
ルッカの幼なじみであるクロノはその祭りで、城からお忍びで抜け出していたマール王女と出会います。

*ラヴォスが起きる日

それから999年後、ラヴォスは子どもを産めるほどの力を蓄えることに成功し、地表に現れて地球を壊滅させます。作物は育たなくなり、生態系は壊れ、生物が住むのに大変厳しい世界となります。
人間はラヴォスが現れるまで、機械技術を発達させて、人工知能を有したロボットやコンピューターを多数生産します。
その中で、太古の記録と度重なる地震からラヴォスの存在に気付いた人類は、監視、対抗策を打つものの、間に合いませんでした。
万が一に備えて各地に造ったシェルターに人類は避難します。

*未来 人工知能に滅ぼされようとしている人類

ラヴォスに壊されて、荒廃した未来で生き残った数少ない人類は自分たちの生み出した人工知能コンピューターに苦しめられていました。
人間による争いの歴史を知る人工知能マザーブレインは、その歴史を繰り返すことなく、環境に左右されず、感情のないロボットこそがラヴォスが力を失った時に星にとって生き残る存在であると判断して、人間を次々に排除していました。
人間排除のための生態調査要因として作られた人工知能プロメテス=ロボは人間のコミュニティに入り込み、日夜調査結果をマザーに送っていました。
その後、人間は完全に滅びロボットの王国が誕生するのでした。

*星は夢を見た

ここまで歴史を紐解いてわかる通り、この星の歴史はほとんど争いの歴史でもありました。
恐怖や不安、悲しみと憎しみ、そして無情の中にラヴォスが追い討ちをかけます。
それから数百年後、ラヴォスに星のエネルギーを吸い取られ尽くし、星はその寿命を終えようとしていました。
命が尽きようとしている星は、かつてこの星を生きてきた人たちの記憶を走馬灯のように思い返していました。
ラヴォスが落ちてきた原始時代に人間と恐竜人が共存してラヴォスを打ち倒していたら。
古代の圧倒的な科学力をラヴォスに乱されず、ラヴォスを打ち倒すことに利用していたら。
中世で、人間と魔族が共存して魔王が呼び出したラヴォスを倒していたら。
荒廃した未来を防げたかもしれない。
人工知能に抹消される人間たちは生まれなかったかもしれない。
しかし、一時代の生物だけでは敵わないかもしれない。すべての時代の力を合わせなければ…。
平和だったガルディア王国建国千年の祭り。あんな日々がずっと続いていたら。

星と、星を生きた人たちの後悔、悲しみ、夢の強い想いは、ラヴォスのエネルギーと共鳴して、各時代にゲートが出現します。
記憶をたどる星は、剣の素質を持つ者、機械や科学に強い者、王家の血筋が集結する場所を見つけます。
そして、ガルディア王国建国千年の祭りで、古代天空王国のサラ王女の魔力を宿したペンダントの力で、ゲートを渡ったクロノ、マール、ルッカの3人は、星の未来を救う戦いに巻き込まれます。
それは、星の夢見た世界に向かう戦いなのでした。

次はクロノトリガー本編でクロノたちが変えた世界について考えていきます。

*新たなる旅立ちの前章

ラヴォスに生命力を吸われて、命尽きようとしていた星は夢を見ていました。
それは、星をかつて生きた者たちの後悔や悲しみのような夢でした。
その想いは、ラヴォスのエネルギーと共鳴して、ラヴォスが出現したことのある時代をつなぐゲートを作り出します。
しかし、ゲートはいつ現れていつ消えるかもわからない不安定なものでした。
そんな不安定な夢の中で、星は剣の素質を持つ者と、機械や科学に天才的に詳しい者、この星を統治してきた王家の血筋が交わる場所をみつけます。
それが、クロノ、ルッカ、マールが集結するガルディア王国千年祭なのでした。
現代の王女マールが身につけていた、古代サラ王女の守りの願いが込められたペンダントは、まるで、星の想いに応えるかのように反応して、不安定なゲートを固定します。
そして、クロノ、マール、ルッカは中世へ渡るのでした。

クロノたちは中世でとあるとてもシンプルなルールを見つけます。
それは、過去が変わると未来が変わること。

*この世界のなりたちを知るクロノたち

原始時代から未来までの星の流れを知っていくクロノたち。
原始時代の人間対恐竜人、降ってくるラヴォス。
古代で魔法に溺れる女王ジールと後の魔王となるジャキ王子。一回目を覚ますラヴォス。
中世に飛ばされたジャキ王子から始まる魔族対人間。
平和な現代からのラヴォスの日によって荒廃する未来。
クロノたちはここから何を変えていったのでしょうか。

*旅の中で運命を変える仲間たち

原始でクロノたちは恐竜人との戦いを終わらせて、中世では魔族との戦いを終わらせ、古代に誕生した女王ジールの欲望のなれのはてである黒の夢を沈没させ、ラヴォスを倒すことによって、荒廃した未来が訪れることのないように変えます。
エイラ、サラ、リーネ、マールと続く王家の命のつながりが浮かび上がってきます。
マールは、旅の中で出会った先祖リーネの手紙によって、父との不仲が続くはずだった歴史を改変します。
カエルは、臆病で迷いのある自分を断ち切り、サイラスの意志を継ぎ王国騎士としての道を歩み出します。
そして、ルッカはこの旅が始まった最初から違和感を感じていました。科学に通じるルッカはいくらサラ王女の願いが込められた魔法のペンダントがあるからといって、瞬間移動装置の間にゲートが出来るには、説明がつかないことがある。現に最初にゲートを渡ったルッカは物語冒頭でいきなりマールがゲートに吸い込まれたことに対して、こう言っていました。
「テレポッドの影響か、あるいはもっと別の何か…」

*ルッカがロボから外したプログラム

ラヴォスによって荒廃した未来では、人工知能を有したロボットやコンピュータによって、人間の行動が制限されていました。ロボットたちは主に警備を担い、人間によって侵入者を排除するよう、元々あった人工知能それぞれの固有の性格を上書きされてプログラムされていました。そんな中、クロノたちは動かなくなっていた、人間の生態を調査するために作られたプロメテス=ロボを発見。ルッカは、外部から上書きされているプログラムを外して、ロボ本来の性格で動けるように修理しました。
ロボの本来の性格は、とても優しく、礼儀正しいものでした。
クロノたちや自分を攻撃する警備ロボットたちを庇うほどに。

*ロボが信じた可能性

ロボは、未来を冒険する中で自分の妹であるアトロポスを発見します。
アトロポスの性格は人間への憎悪に書きかわり、もうロボの知る優しい昔のアトロポスではありませんでした。
ロボットたちの人工知能を凶暴に上書きしているのは、人間の作ったプログラムだと思っていましたが、黒幕となっていた人工知能が隠れていました。
それは、マザーブレインという人工知能コンピュータシステム。
人間による争いの歴史を知る人工知能マザーブレインは、その歴史を繰り返すことなく、環境に左右されず、感情のないロボットこそがラヴォスが力を失った時に星にとって生き残る存在であると判断して、人間を次々に排除していました。
現実問題として、この世は弱肉強食で、合理性だけ考えればマザーブレインの考え方にも一理あることは、ロボにもわかっていました。
でも、壊れかけた自分を修理し、時をかけてこの星を救おうと命がけの戦いに身を投じるクロノ、ルッカ、マール、カエル、エイラの姿、そして各時代で必死に生きる人たち、願いを次の時代に託す人々の祈りを側でずっと見てきたロボは、合理性だけではない人間の希望を信じていました。
ロボはマザーブレインを停止させて、人間を排除するロボットが生まれないよう封印します。

*みどりのゆめ

中世で、砂漠になってしまった土地を、苗木で緑地に戻したい女性フィオナがいました。
しかしそれには何百年もの月日が必要でした。
命が尽きることのないロボは、緑化を買って出て、四百年の月日が流れます。
シルバードで四百年後の現代に移動したクロノたちは辺り一面に広がる木々を目にします。
ロボは神殿に祀られていました。クロノたちと再会したロボは宴を開こうと提案します。

宴で四百年砂漠を耕し、地道に水をやり、手入れをして森に育てている中で、ロボにはある考えに行き着いていました。
ゲートの出現はラヴォスの力の歪みではなく、星や星を生きた人が変えて欲しかった後悔と悲しみの願いの結果なのではないかと。
恐竜人対人間、魔法を使える人間のおごり、魔族対人間、人工知能対人間、この星の争いの中、ラヴォスに翻弄されるこの星を生きた者たちの心の悲鳴がクロノたちに夢を託したのではないかと。
それを宴で皆に話すロボ。
この話を聞いたルッカは、戻りたい一瞬を思い出していました。
ルッカは母と2人の時に、母が父の発明した機械に巻き込まれてしまいます。パスコードを打てば助けられたはずなのに、機械に何も関心を持たないルッカはそれがわかりません。そして、母が足を巻き込まれ、歩けなくなってしまった深い後悔と悲しみを持っていました。
その夜、星の夢を叶えつつある感謝の印か、ルッカの目の前にゲートが現れます。
それは、母が機械に足を巻き込まれる日につながっていました。
あの日のパスコードはルッカの父の最愛の人の名前、すなわちルッカの母ララの名前がつけられていました。
過去の改変を星にゆだねられたルッカ。
過去を変えれば、今の自分はいなくなるかもしれない。まだラヴォスを倒していない現段階で仲間たちにも影響があるかもしれない。それでも母を助けたい。
ルッカは、葛藤の中、選択をします。
同じくゲートを渡っていたロボはその様子を見ていました。
ゲートから現代に帰ったルッカはロボのやさしさに触れることとなります。
この時ロボはあることを気が付いており、覚悟を決めていました。

*星の見た夢の終わりに

ロボが気がついたこと。それは、未来が平和となることで自分が製造されず消えてしまう可能性があること。
それでもロボは迷うことはありませんでした。
ルッカは、自分が消えるかもしれないことを知りつつ未来を変えるためにすべてをかけて戦い、傷つき、立ち上がるロボの決意に気付いていました。
クロノたちはついにラヴォスを倒して、この夢を終わらせます。
ラヴォスのいない未来になり、命を吹き返した星から、後悔と悲しみが少しずつ消えていき、ゲートが閉じようとしていました。
時をかける冒険も、力を合わせて戦った日々も、皆で火を囲ってキャンプしたあの日も、これですべてが終わります。
皆、それぞれの時代に帰っていく中で、ロボとルッカはお互いロボが消えるかもしれないことに気づきながらも言えなかった想いが溢れます。
そして、ロボもまた未来に帰って行くのでした。
そして、エンディング…
そこには妹アトロポスとたたずむロボの姿が…


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