「このテープをもってないですか?」2023年8月27日の日記


『このテープをもってないですか?』という番組をTVerで観た。

以前、映画『あゝひめゆりの塔』を観た際も、昭和のユーモアってシチュエーションによっては恐怖心が増幅されるなとnoteにも書いたが、それを巧みに利用している感があった。

私は第2話が好きだった。いとうせいこうの台詞でもあったが、4:3のアスペクト比が重要な気がする。

昭和の映像作品を再帰的に観る事でレターボックスというらしい黒い帯が画面に挿入される。第2話から出演者が虚空を見つめてぼーっとするシーンが頻出するんだけど、それはどこか不可視の領域たるレターボックスに飲み込まれていくような恐ろしさがあった。

第3話は面白かったけど、あまり好みじゃなかったな。あの『パプリカ』みたいなダイアローグって極論を言うと誰でも書けるからな……

あと、フェイク・ドキュメンタリーとかメタフィクションに食傷気味というか……いや食当たる程、摂取もしてないんだけどね。『このテープをもってないですか?』も構造を勝手に解釈して面白いな〜とは思えるんだけど、根源的に怖いかとか興奮するかと問われると、別に……って感じなんだよな。

映画『呪詛』を観た時も思ったな。SNSと映像系サブスクをハックした呪いの現在形という発明ではあったけど、結局それもSNS上で「これは発明だ!」って言われ尽くして、はい終わり、次、その次といった具合に、そういうゲームでしかないじゃん、というがっかりさがある。

こう思うのって私だけなのだろうか。

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