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大原の行政書士トレーニング問題集は使えるのか?

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行政書士の問題集の最大の弱点は網羅性の低さです。試験の全範囲をカバー出来ていないので、100%暗記していても、単体では

合格基準に到達出来ない

わけです。そこで、他資格過去問などを自身でセレクトしてする方法を、各受験生が自主的にやっているわけですが、大原の行政書士トレーニング問題集だと、過去問+オリジナル問題+他資格過去問と、問題数を増やして、網羅性の低さをカバーしています。なら、これぞ、無敵、万々歳だと、手放しで推奨できるかというと......。

問題数はそれでいいとして、今度は時間負けの問題が浮上してくる

わけです。行政書士受験生の多くは社会人で、勉強時間が十分、確保出来ないわけです。これだけの問題数を全科目こなすとなると、今度はインプット(テキスト)が十分でなくなります。結局、教材は

合格するのに必要十分かつ、最低限

であるのが理想なわけです(しかし、そんなものは市販されていません)。そこで、行政書士受験界では、やたら某社の肢別本絶賛、万歳となっているわけですが、法律初学者が、

某社の肢別本を見ながら、今年の試験問題を解いてみればいい

です。

絶対に合格基準に到達できません

から。それじゃ、なぜ、使えない本をそんなに推奨するか?と言えば、結局はコストなんです。全科目で1000ページ弱しかない。これで合格するとなれば、かける時間と労力からすれば、非常にコストパフォーマンスがいいわけです。ただし、

本当に合格できるなら

ですよ。もし、本当に某社の肢別本1冊だけで合格できるなら、その出版社も含めて、他社があんなに教材を出しているわけがないんです。もちろん、さすがにあの1冊だけで合格出来るとまで断言している人はいません。ただ、教材の要として推奨している人はかなり、います。私見ですが、

正直、そんなに役に立ちませんでしたし、本試験当日も家に置いたままでした。

理由はさんざん、言ってますけど、2つです。一つは網羅性が低い。もう一つは解説が不十分すぎてわからないことです。テキストも同じ出版社の方が良いという噂を信じて購入しましたけど、

結局、テキストにも載っていないことが試験に出る

ことがわかって、どちらも残念な結果となり、本試験とのギャップを埋める作業に受験勉強の多くを費やしました。それなら、

最初から、大原の行政書士トレーニング問題集で良かったのではないか?

と言えないことはありません。もちろん、この本も完全無欠ではありません。解説も某社肢別本よりは丁寧なだけで、趣旨がきちんと書かれているものばかりではなかったり、他資格問題も、あくまでその出版社がセレクトしたものなので、本当に本試験に役に立つのか、わかりません。ただ、それを差し置いても、メリットはあります。

何せ、自分で他資格問題を調達、セレクトするコストが省ける

のは大きいです。結局は使い方でしょうね。まず、全科目をこの本でそろえるのは時間的に厳しいと思います。そこで、行政法、民法、会社法だけに割り切る。憲法は判例集を熟読して、ポイントを暗記していく方が良いと思います。もちろん、それなりのテキストを暗記した上で、最低限、過去問は別途すべきですから、行政書士試験研究センターなどでダウンロードしてやればいいです。問題数が少なくて不安になる場合、その時に初めて大原を買えばいいです。先に行政法と民法。次に会社法だと思います。会社法は過去問だけでは話にならないほど少ないので。それも、全ての問題を最初から解こうと思わないことです。なぜなら、

時間負けするから

です。まずは過去問をする。それも、いわゆる捨て問はやらない。どうせ、その年度だけに出て2度と出ない問題なので。もちろん、初見でそうとはわからない場合があるでしょうから、大抵の問題集はABCのCランクなどになっていますからそれを目安に判断してください。何より、速く回す。ただし、イエスノーだけではなく、その理由を口頭で言えるように、どんどん、解いていくことです。とにかくこの試験は

本試験までに、必要な勉強量をこなせるかどうかがカギになる試験

なので、スピードは大事です。なるべく書かないこと。口頭でどんどん、進めていきます。ただし、日付や間違った箇所のチェック、何回間違ったか、思いついた語呂合わせや他の資料の関連ページなど、必要な情報はその都度、書き込んでいくこと。過去問が終われば、オリジナル問題や他資格問題に移ります(ただし、行政法は過去問->条文素読->他資格問題の順番が良いです)が、必ず、

このペースでいけば、あとどれくらいでどこまでが終わるな

という計算を定期的にしてください。何度も繰り返しますが、そうしないと、

時間負けするから

です。あとは、大原の行政書士トレーニング問題集はかさばるので持ち運ぶのは難しいこと、問題と解説のレイアウトにやや、難があることと、それなりに金額が高いことも短所です。そこで、

専用のアプリ版を購入するのもありです。ただ、こちらも短所はあります。

スマホ依存症を加速させること

です。普段からその傾向がある人はあまり、スマホを使わないようにした方がいいです。何より、つい、動画を見てゲームしたりする誘惑にかられる可能性があります。それに、自宅で勉強する場合は、スマホみたいな小さな画面ではやらない方がいい(タブレット端末ならOK)です。おまけに書き込みが自由に出来ないなら、結構、不便です。これも、適時、自分のライフスタイルに合わせるのが一番ですが、お金に余裕がある人は両方、試してみるのもアリだとは思います。科目別販売みたいなので、まずは1科目だけしてみるとか。

会社法はまだ、2024年度版は予約もできないようです。



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