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IKEAの新しい電動ドリルドライバー『TRIXIG トリクシグ スクリュードライバー/ドリル 12V』レビュー

北欧のデザイン・文化をアイデンティティーとして世界展開している家具量販店、IKEA。そのIKEAから新しいDIY工具ブランド『TRIXIG(トリクシグ)』が登場したようです。
執筆時点でのラインナップは以下の通りとなっています。

そもそもIKEAのDIY工具ブランドには先代の『FIXA(フィクサ)』シリーズが存在します。現在もFIXAの販売は継続されているようですが、IKEAのDIY工具はTRIXIGに切り替わっていくのではないかと勝手に睨んでいます。実際、僕が訪れた店舗にはFIXAの電動ドライバーの店頭在庫がなく、代わりにTRIXIGのドライバーが目白押しで売り出されていました。これからどうなるのか気になるところです。

さて、今回は電動ドリルドライバーの12Vタイプを購入しました。
まだレビュー記事どころかTwitterの投稿もほとんどないような状態だったので、ならば我が先駆けにならんと、レビューを書いてみようと思います。


北欧デザインは工具にも宿る

IKEA最大の魅力ともいえる、北欧デザイン由来のビジュアルセンスは工具ひとつにも宿ります。

ふた付きのシンプルなボックスはミルキーブルー(水色)を基調としたデザイン。標準付属のバッテリーパックを収めるスペースはもちろん、追加のバッテリーパックのためのスペースも設けられているのが心憎いですね。
ちなみに、先代のFIXAのシリーズはビビッドなオレンジがキーカラーでした。

デザインが導く機能へのアクセス

スマートでシンプルな佇まいはありながらも、基本的な構造や機能配置は一般の電動ドリルドライバーと同じです。正逆転切り替えスイッチがトリガーの近くにあり、親指で押せる位置にあります。別にこれはIKEAだけの特長ではありませんが、シンプルなデザインゆえ、小さいボタンながらも目立つようになっています。ちなみに正逆転スイッチを中央で止めるとロックがかかる仕組みです。

ちなみに本体において水色は「押せる・操作できる」部分にのみ配色されており、アクセシビリティが直感的に伝わる色遣いとなっています。

別売のビット&ドリルセットも購入しました。構造的にはIKEA以外のビットも使えると思いますが、ブランドとかメーカーを揃えたくなる性分なんですよね。

ネジ締めに使う場合

ネジ締め用のビットを使用する場合、ビット&ドリルセットに付属のアダプターを使用します。

試しに端材に木ねじを打ってみました。
12Vタイプということで、DIYに使うぶんには申し分ないパワーを持ち合わせています。トルクは充実の19段階で調整可能。
明るい場所で撮影したのでわかりにくいですが、回っている間はLEDライトが点灯して照らしてくれます。暗い場所や陰になる部分の作業に便利ですね。

穴あけに使う場合

ドリル刃を使う場合は直接差し込んで固定します。

トルク調整のダイヤルをドリルマークに合わせて、端材に穴を開けてみます。

その他の機能・特長

マグネットビットホルダー

本体の背中がマグネットになっており、ビットをホールドしておけます。
めちゃくちゃ助かるかと言われるとそんなことはない気がするのですが、ちょっとビット交代、みたいなときに使うんでしょうか。

USB-typeCによる充電

今回もっとも感動した点がコレです。
たいていの電動ドリルドライバーは専用の充電器を必要とし、それが付属することで価格が高くなりがちです。しかもかさばって邪魔になることが多かったですよね。先代のFIXAもそうでした。

TRIXIGの電動ドリルドライバーは汎用のUSB-typeCケーブルによる充電システムを実現しています。これにより、専用の充電器を付属させる必要がなくなり、スマホやイヤホンなど、他の機器の充電に使っているUSB-typeC充電器を流用することができるようになりました。

iPhoneでさえ端子がUSB-typeCになる時代です。ある意味当然のアップデートであるとも言えますが、情報端末・ガジェット以外でUSB端子による充電機構を設けたのはやはり革新的だと思います。

ちなみに僕は、昔のiPadの充電に使っていた10WのAC to USB-typeAアダプターにJBL Flip6(ポータブルスピーカー)に付属していたUSB-typeA to USB-typeCアダプターを繋ぐというキメラ状態で充電しています。

DIYerにピッタリの圧倒的コスパ

これほどレベルの高い商品でありながら、気になるお値段はなんと4,999円。別売のビット&ドリルセット(699円)を併せても5,698円と驚きの価格設定となっています。6000円を切るってすごくないですか。

なぜこれほど安いのかはIKEAに訊かないとわかりませんが、この価格と商品そのものは我々DIYerに狙いを絞ったゆえと考えます。

マキタやハイコーキなどの有名メーカーの電動工具は、プロの業者や大工さんがハードに使用することも想定されて製造されています。あらゆる面で頑丈に作られており、ゆえに価格も高くなります。マキタ製の同レベルの電動ドリルドライバーは最低でも2万円はします。中には5万円といったものもあります。

IKEAの電動ドリルドライバーが弱いわけではありません。我々DIYerの使用はそれを本業とする方々に及ばないという事実を踏まえ、家庭用に的を絞って設計されたベストデザインな商品だからこそ、この価格が実現しているのだと考えます。

人々の多くは目的が家庭作業であったとしても有名メーカーの高価な製品を購入します。しかしIKEAの電動工具は、手頃な価格設定とともに我々に提案しているのです。オーバースペックなものを買う必要はありませんよ、と。

おわりに

ほとんど不満のない商品でしたので、レビュー記事と言いながら、特にあげるべきデメリットは今のところありません。お金にならないnoteをわざわざ書いたくらいにはオススメということです。とくにUSB充電には、時代や家庭の環境に合わせてそつなく進化を遂げる、家具・インテリアショップとしてのIKEAの精神をみた気がします。

DIYを始めたいけど高価な電動工具はハードルが高いという方、是非に。

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