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USCPAの需要増?プライム市場で英文開示義務化へ

USCPA(米国公認会計士)界隈で、英文開示義務化が話題になっていましたね。


  • 東京証券取引所は12月18日、第13回「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」を開催。

  • 2025年3月を目途に、プライム市場で英文開示を義務化する見通し。

  • 開示書類には、決算短信を含む適時開示や、海外投資家からニーズの高い決算説明会資料を含む。


東証の会議資料(「プライム市場における 英文開示の拡充について」)はこちら↓
https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/bkk2ed0000004de2.pdf


USCPA(米国公認会計士)界隈で話題になっていたのは、USCPAの需要が高まるのではないかという点。

既に英文開示をしている企業はそこそこあって、既にUSCPAの需要はありました。

なので、正直なところ今さらとは思います。

英文開示実施状況


また、USGAAP(米国会計基準)適用ではなく、IFRS(国際財務報告基準)適用の企業が多いです。

IFRS(国際財務報告基準)だと、USGAAP(米国会計基準)の会計用語の英語と違うので、IFRSの勉強も英語でしておいて損はないと思います。


IFRS検定(IFRS Certificate)については、「IFRS検定って?難易度、勉強法、活かし方は?」を参考にしてください。



私の勤務先のグローバル企業も、もちろん英文開示をしており。

USCPAなので、私が英訳を任されていました。

ほか、海外子会社の監査報告資料の和訳や、グローバル会計基準の英訳などもやってきました。


もともと、翻訳の副業をしていたので翻訳関連の業務に抵抗はありませんでした。



ちなみに、BIG4監査法人だと、翻訳専門のスタッフがいました。

USCPAに任せるということはなかったです(簡単な翻訳作業はやっていましたが、公式文書はやりませんでした)。


翻訳専門のスタッフになるには、会計資格はマストではなく。

英語力と数年の翻訳経験が必要でした。


監査・会計関連資料の英訳は、会計知識よりネイティブレベルの英語力が必要。

英語ネイティブで日本語がわかる人に英訳を任せる方がいいと思っています。


私の勤務先も、1期目は英語ネイティブに外注してたたき台を作ってもらったそうです。

その後の期は、英語ができる経理部員(私のようなUSCPA)が更新していました(私は1期目は入社していなかったのでいなかったのですが)。


更新時は、イチから英訳していくわけではありません

他社の記載を真似したり、検索して信頼できると思われるサイトをみつけて参考にしたり。

「英訳」というよりは「英借」に近いかもしれません。

おそらく、USCPAであっても「英借」のノウハウがないと、英語と会計が分かっても厳しいでしょうね。


ちなみに、東証の会合では、翻訳ソフトや生成AIの活用は話題になったよう。

翻訳ソフトを使うのは当然でしょうね。

そもそも、翻訳を仕事にする人で翻訳ソフトを使っていない人がいるのでしょうか!?

私が翻訳の副業をしていた際は、どの翻訳ソフトが使えるのか登録させられていましたよ(使えないと仕事が来なかったです)。


⽣成AIについては、翻訳したものをそのまま開示するのは無理でしょう。

私も生成AIを使って文章を書くことがありますが、まだまだなところがあります。

企業内で英語ができる人が内容チェックをする必要がありますね。

そもそも、生成AIでどうにかなるのであれば、企業が翻訳しなくても、投資家(英語で読みたい人)が自分で翻訳できますし。


USCPAの需要は今までもありましたが、さらに需要が高まるのは確かでしょう。

「英語×会計」がわかる人材は少なく、USCPA資格は手っ取り早く「英語×会計」がわかることを示せる資格なので。


USCPAになりたいと思った場合、どこは『USCPAになりたいと思ったら読む本』の改訂版を出版しましたので、参考にしてください。


USCPAどこのブログ」の「USCPAの始めかた」のブログ記事も参考にしていただけると嬉しいです。


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