機動戦士Vガンダム

大学時代、アニメの好きな先輩がおりましてその影響で手を出した作品。当時は機動戦士ガンダム00がリアルタイムで放送されていた時でもありました。僕は所謂ガンダムマニアではないので、ガンダム熱も一時的なもので今は一切見てません。だから、00(ダブルオー)と初代を少しと、あと何故だが分かりませんがこのVガンだけが僕のガンダム履歴です。先輩からはガンダムSEEDを勧められましたが、絵柄が少女漫画風に思えたので受け付けませんでした。00とVガンが好きとはかなり異端の部類かもしれません。
この作品の見どころは、第一期オープニング「STAND UP TO THE VICTORY」が流れる番組初めの約1分間と本作ヒロインのカテジナ・ルースさんです。異論はあろうかと思いますが、ロボット宇宙戦争独特の様々な舞台設定にはあまり興味ありません。だから本編50話ありましたが各回のエピソードは全然思い出せません。思い出すのは、主人公ウッソ・エヴィンが「おかしいですよカテジナさん!」と絶叫していた事ばかりです。カテジナさんは当初ウッソ達に保護される可憐な女性でした。ただ彼女は彼女なりに思うところがあって徐々に敵軍に取り込まれていきます。それだけならまだしも、敵軍エースであるクロノクルの女になって、尚且自身もパイロットになり、最後は凶気の中でクロノクルを凌ぐ最も残虐な敵軍大将となってウッソ達を苦しめます。
ニュータイプ(ガンダム界における天才の別名)として描かれるウッソは、小学生程の年齢であるものの最強のガンダムを操る事が出来るので50話通じて苦戦する場面が殆どありません。戦いに見せ場を作らなかったのは、製作者側が人間ドラマを重視していたからでしょう。
最後、「あんたは私の事が好きだったんだろ?おいで坊や……」といった調子でウッソをおびき寄せ、戦場で抱き合いながら隙をついて横腹をナイフで刺すシーンを目撃する視聴者は、遂にあの女がここ迄堕ちたかとある種の恍惚感を味わうでしょう。
結局騙されながらも、今まで亡くなった仲間達への思いと自分の身の丈にあった女の子であり幼馴染であるシャクティの安全を守る為我に返ってカテジナさんを粉砕します。
少年ジャンプの様な勢いあるメロディになんとも言えない程切ない歌詞。オープニングの最後に機体が飛び立つ際、ガンダムの目にはカテジナさんではなくシャクティの姿がキラッと光る辺りがなんとも素敵です。


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