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初期研修医を支える縁の下の力持ち「臨床研修センター」ってどんなところ?

初期臨床研修の実施にあたり、無くてはならないのは臨床研修センターの存在。医師法が変更されても問題なく研修が進められるのも、事務的な手続きなどが抜け目なく行われるように管理できているのも、臨床研修センターの職員の尽力があって実現しています。
 
今回の記事では、縁の下の力持ちのような存在である臨床研修センターで働く職員の皆さんをお招きし、仕事内容やそのやりがい、いままでの変遷などをお聞きしました。
 

■プロフィール(敬称略)
 ・石橋広昭(事務長:臨床研修センター3年目)
・伊谷野和弘(係長:臨床研修センター10年目)
・瓦井幹人(臨床研修センター2年目)


臨床研修センターはどんなところ?

――まず、臨床研修センターはどのようなところかをお伺いしたいと思います。では、10年目のベテランである伊谷野さんに業務内容をお聞きしてもよろしいでしょうか。

伊谷野:
臨床研修センターは基本的には医師法に基づいて働きます。初期臨床研修に関する国の方針は変更されることがありますが、その変更内容に合わせて研修ができるように軌道修正するのが主な仕事のひとつです。
 
また、困ったときに初期臨床研修医の先生が相談できる窓口的な存在でもあります。はじめに初期臨床研修医の先生には「なんでも相談してください」と伝えています。実際に相談に来たときは、私たちだけで解決できることは解決していますし、臨床研修センターの職員では手に負えない内容であれば、下田センター長にも相談に乗ってもらって解決を目指しています。
 
さらに、見学に来られた方の対応をしたり、診療科の先生と初期臨床研修医の先生を繋いだり、他部署とのすり合わせなども行っています。
 
――さまざまな部署や人と関わっているお仕事ですね。柔軟に動かないと難しそうです。
 
伊谷野:
そうですね。基本的に型通りの対応はないので、状況に合わせていちばん良い方法で業務を進めるようにしています。
 
――ありがとうございます。次に、瓦井さんにお話をお聞きします。今年で2年目とのことですが、異動してきてみていかがですか。
 

 
瓦井:
元々は入院課で請求書の作成などを行う部署にいたので、まったく畑違いな分野に関わることになり転職してきたような気持ちになりました。おかげで新鮮な気持ちで仕事ができています。
 
異動してくるまでは、臨床研修センターがどういった仕事をしているのか理解していませんでした。昨年(2021年)、一通りの業務を経験しましたが、扱う範囲が広すぎてとても覚えきれないなと感じました。研修を進めつつ、初期臨床研修医の先生の採用活動で人事的な業務も担当しますし、医師法に関する知識が求められる業務もあります。大変ですがその分やりがいもあって、どんな経験がこれからできるか楽しみです。
 
――なるほど。業務が大きく変わると戸惑う場面もあったのではないかと思いますが、いかがでしたか。
 
瓦井:
接する相手が主に患者さんだったのが初期臨床研修医の先生に変わったので、対応方法に慣れるまで苦労しました。話す内容も話の進め方も違いますからね。
 
一方で、異動前の保険請求でも法律に基づいて働いていたので、法律の変更に対応する動き方は比較的スムーズに理解できたように思います。
 
――では、石橋さんからみて臨床研修センターはどのような場所だと感じていますか。
 
 

石橋
以前、私は大学本部で研究に関する事務業務を担当していました。そのため、臨床研修センターにきて、こんなに初期臨床研修医の先生と密接にかかわるものなのかと驚きました。また、一人ひとりの体調やメンタル面などを考慮して接するなど、事務仕事以外にも重視するポイントがあることがわかったので、とても大変な部署だと感じております。
 
――臨床研修センターの仕事は、どのような人が向いていると思いますか。
 
石橋:
事務仕事ができるというよりも、人と接したり話を聞く力を持っていることが大切だと思います。いまのメンバーだと、伊谷野係長は10年間でさまざまな経験を積んでいるので、さすがだと感じる場面は多いです。頼りにしています。
 
 

臨床研修センターはどのような変遷があったのか? 

――これまで、臨床研修センターにはどのような変遷があったのでしょうか。
 

 伊谷野:
2012年に私が異動したての頃は、事務長とパートさんと私の3人のチームでした。当時はあまり募集活動には力をいれておらず、外から研修に来る先生は2人ほどしかいませんでした。
 
変化が訪れたのは下田先生が臨床研修センターのセンター長に就任してからですね。採用活動が大きく改革されて、とてもキャッチーなものになりました。おかげで外部から研修に来る先生の人数も増えました。
 
また、副センター長に志水先生が着任されてから、初期臨床研修医への教育が評価されるようになりました。さらにそこから外部から来る先生の人数は増えていきましたね。年々、採用についてはパワーアップしていると思います。
 
――当時を振り返って大変だった時期はいつ頃でしょうか。
 
下田:
私が臨床研修センターのセンター長になった頃ではないですかね。いままでの採用の進め方を大きく変えたので。
 
伊谷野:
たしかにその時期は大変でしたね。当時の私は一般常識に囚われているところがあり、大学なのだから堅く採用すべきと考えていたため、下田先生と意見が衝突したこともありました。さまざまなやり取りを通して下田先生の熱意を感じたため、いまでは考え方が変わってきている部分もあります。
 

臨床研修センターの外と中からみる初期臨床研修医の採用活動 

――瓦井さんは採用活動に対してどのような印象をもっていますか。

瓦井:
以前いた部署には業務に関わる内容以外の情報が入りづらい環境だったので、採用の様子は正直あまり知りませんでした。そのため、初期臨床研修医の先生は医学部の学生から上がってくる先生がほとんどで、外部からくる先生は本当に興味がある数名程度なのだと思っていました。
 
実際に採用に関わったことで、採用試験や面接などを行っていることや、さまざまなアプローチをし続けたことで外部から来る先生が2割ほどまで増えていることを知りました。コツコツやってきたことが実を結んでいるのだと実感しています。これから自分なりにどう協力するかを考えていきたいと思っています。
 
――石橋さんはいかがですか。異動前と異動後で初期臨床研修医の採用に対しての印象に変化はありましたか。

石橋:
異動前に学外でレジナビフェアをやっているという話を聞いていたので、ホームページなどでその様子などを見たことはありました。しかし、私が異動したばかりの頃はコロナ渦で、レジナビは2年ほど開催されていなかったので、2022年5月に名古屋で開催されたマイナビが初参加となりました。対面で学生の方と話したり、初期臨床研修医の先生に説明したりすることも初めての経験でしたね。こうして募集しているのだな、と実感する機会になりました。
 
――リアルな場でもらうエネルギーはありますよね。名古屋のレジナビでは、具体的にどのようなことを感じましたか。
 
石橋:
学生の方に、獨協医科大学病院の魅力を理解してもらえたのか不安なところと、ここはわかってもらえたなと思う部分と両方ありました。名古屋は栃木から少し距離もありますし、響きづらい部分があったのかもしれません。今後に活かしていきたいですね。
 
 

臨床研修センターにはどのような相談が寄せられる? 

――ここからは少し具体的な話を聞きたいのですが、臨床研修センターの先生方からどのような相談があったか話せる範囲で教えていただけますか。

伊谷野:
そうですね。雑談程度の話も真剣な相談もあり、バラエティ豊かです。印象に残っているのは、精神的な不調が続いた初期臨床研修医とその親御さんとの面談でしょうか。学生だけでなく親御さんも交えて話し合うのは緊張感がありましたね。
 
――それは緊張するでしょうね。普段の業務では、伊谷野さんが初期臨床研修医を指導することもあるのでしょうか
 
伊谷野:
もちろんあります。簡単なところで言うと「ゴミはゴミ箱に捨てろ」から始まります。また、研修先に遅刻してくることもあるので本人に代わって先方にお詫びし、その後本人から理由を聞いて、理由によってはお叱りすることもあります。
 


下田:
書類が出ていなかったり、レポートを書いていなかったりすると、医籍登録に間に合わなくなります。そのため、臨床研修センターの職員が督促する必要性が出てくるのです。
 
――なるほど。初期臨床研修医の先生が入ってくるのは、会社に新入社員が入ってくるような感覚に近いのかもしれないですね。
 
下田:
そうですね。今年(2022年)だと、医科の初期臨床研修医一年目が51名で二年目が49名。ですから常時100人くらい初期臨床研修医がいます。この人数の事務的な作業が必要になるわけですから、大変ですよね。
 
――瓦井さんは印象に残っていることはありますか。
 
瓦井:
昨年(2021年)は異動してきたばかりでまだ右も左もわからない状態でした。それが初期臨床研修医の方にも伝わるのでしょうね。私にはあまり相談は来ていませんでした。当時2年目の初期臨床研修医の先生は、はじめから伊谷野さんに相談していましたね。
 
ただ、伊谷野さんは「先ほどの相談はこういう件でした」と共有してくれていたので、どのような相談が寄せられているのかは知ることができていました。
 
特に難しそうだと感じたのは、現場で起きたことについての相談です。診療科の先生と初期臨床研修医の先生とのやり取りで言葉が上手く通じ合わず、診療科の先生の言動を初期臨床研修医の先生がパワハラだと感じたとの意見を伺ったのですが、診療科の先生としては善意としてやっていたつもりだったそうなのです。
 
このようなケースでは、私たちはそれぞれの話を聞くことはできますが、実際の現場に立ち会うことができないので、何を真実とするかの判断が難しいと感じました。一方向からの意見だけ信じてしまうと着地点が見つからないですし、きちんと対応しないと初期臨床研修医の先生や各診療科での臨床研修をよりよいものにしていくこともできなくなると思います。難しい立ち回りだと実感しました 。
 
――先生にフィードバックするのは結構勇気がいるのではないでしょうか。
 
瓦井:
先ほどの事例だと、下田センター長の力添えもありました。私たちでも対応できることはもちろん解決に努めるのですが、事務では手に負えなかったら、下田センター長や他の先生の力も適宜借りながら解決するようにしています。その判断もまた難しいところです。
 
――どこまで自分たちで対応するのかの判断は難しいですよね。連携もされていて盤石なサポート体制が築かれているように感じました。石橋さんはどのように感じていますか。
 
石橋:
そうですね。私たちは事務職としてできる限りのことをしますが、初期臨床研修医の先生方は医療職なので、業務的にわからない部分もあります。そうしたときに下田センター長などの先生方の力をお借りできるのは心強いなと感じています。
 
――ありがとうございます。他のテーマのインタビューで「初期臨床研修医時代に臨床研修センターの方に寄り添ってもらった」という話が出ていました。相談を受けたときに意識していることなどはあるのでしょうか。
 
伊谷野:
思っていること全てを吐き出してもらう」ことはいつも大切にしています。誤解している部分が原因で悩んでいることもあるので、必要に応じて訂正したりしながら話を聞いてあげることでそれだけでスッキリした、と帰っていくこともあります。不安な気持ちを聞くだけで収まることもあるのだと思うので、まずはとことん聞くようにしています。
 
――素晴らしいですね。とても親身に聞いていらっしゃるのだろうな、と想像できました。
 
 


臨床研修センターの業務でうれしかったことは?

――初期研修医の方に言われてうれしかったことや思い出に残っていることはありますか。

 伊谷野:
いろいろとありますが、研修が終わるときに「2年間ありがとうございました」と感謝の言葉をいただけるのは何度経験してもうれしいです。
 
特に印象に残っているのは、コロナ渦以前に研修が終わるタイミングで先生たちが食事に誘ってくれて、ありがとう会をやってくれたことが何回かありました。そのときは本当に臨床研修センターでの仕事をやっていてよかったなと感じましたね。
 
――初期臨床研修医の先生たちにとって、担任の先生のような存在なのかもしれないですね。
 
伊谷野:
そうですね、私ももう少し若くて初期臨床研修医の先生と年齢も近かった頃なので親しみを感じてくれていたようで、初期臨床研修医のお兄さん的な立ち位置だったのだと思います。初期臨床研修医の先生方と良い関係を保つことができてよかったです。
 
――瓦井さんはいかがでしょう。この1年間でうれしかった出来事や、心が動いたエピソードはありますか。
 
瓦井:
まだ直接感謝の言葉をいただいたことはないのですが、初期臨床研修医の先生方が臨床研修センターの事務室にふらっときて、一日の報告や愚痴を言って「あーすっきりした」と帰っていくのを見るとうれしくなりますね。何気ない会話をして帰っていくときの顔が晴れやかになっているのを見ると、先生たちのストレス発散やガス抜きができる場所になれているのかな、と感じます。
 
普段の仕事では手続きなどを行う立場なので、厳しめに言ったり催促したりすることも少なくありません。そんな側面がありながらも、時間外に初期臨床研修医の先生がふらっと立ち寄ってくれて、話をすることもできるような関係性を保てているのを実感すると、やっていてよかったと感じます。
 
――初期臨床研修医の先生にとって臨床研修センターは、息抜きができる場所としての側面もあるのですね。
 
瓦井:
そうですね。臨床での愚痴は現場では言いにくいところもあり、立ち位置が事務職である私たちなら言いやすい部分もあるみたいです。そういうところで頼ってくれるのはうれしいなと思います。
 
――石橋さんからみて、臨床研修センターでの仕事のやりがいや面白さはどのようなところにあると感じますか。
 
石橋:
普段から初期臨床研修医から何気ない話を聞けるのはこの仕事ならではですよね。
 
また、初期臨床研修が終わってから獨協医科大学病院で4月からレジデントとして働く方もいるので、病院内を歩いていると結構会ったり話したりすることがあります。患者さんに接しているところを見ると、研修期間は怒られたりミスをしたりしていたけどいまは立派に働いているのだな……と感慨深くなります。研修後の様子を見て成長を感じられるのは、この仕事を続ける上での励みになっています。
 
――10年目の伊谷野さんは、初めて接した初期臨床研修医がもうベテランと呼ばれる立場になっていますよね。どのように感じていますか。
 
伊谷野:
私が臨床研修センターに来たばかりの頃の初期臨床研修医は、いまは中堅の指導医になっています。彼らの立場は当時と変わっているものの、過去に関わりがあるので気軽にやり取りができてとても助かります。以前、初期臨床研修医のことを相談したこともあります。
 
また、指導医としてしっかり働いているところを見ると頼もしくなったなと感じます。そうした場面を多く見られるのも、10年間の経験がプラスに働いている側面だと思います。
 
 

獨協医科大学病院の良いところは?

――獨協医科大学病院について、外部の方にPRするならどんなことを話したいですか。

 
瓦井:
獨協医科大病院学は誰が来ても初期臨床研修医や専攻医、最終的に獨協医科大学病院の医局員にもなれるのが魅力だと思います。
 
獨協医科大学病院に来るまでは、お医者さんの世界は学閥などのしがらみがあるものだと思っていて、他の大学から来るのは腰が引ける部分があるのではないか、獨協医科大学出身の学生で輪が出来上がっているのではないか、と思っていました。
 
実際には、たしかに獨協医科大学出身の人数は多いものの、獨協医科大学出身の初期臨床研修医は外から来た初期臨床研修医に対して排斥するようなことをしていません。オリエンテーション期間に仲良くなって、その学年の LINE グループが出来上がったという話も聞きました。獨協医科大学病院はどんな人でも受け入れるし排除しない環境なのだと思います。
 
だからこそ、気軽に獨協医科大学病院の初期研修の門を叩いてほしいと思います。どのような方でも獨協医科大学病院でなら初期研修をうまくやっていけると思います。そのためにも、まずは一度見学に来ていただいて、ぜひ雰囲気を見てもらいたいですね。
 
――なぜこのようなアットホームな環境がつくれているのだと思いますか?
 
瓦井:
良い意味で自分をさらけ出せる雰囲気ができているのだと思います。外部から来た初期臨床研修医の先生にも獨協医科大学出身の先生から着飾らずに話したり、診療科の先生たちも「どこから来たの?」などと話題を振ってくれたりしています。また、見学に来てくれた学生さんたちに対しても、積極的に声をかけてくれているようです。このような話しやすい環境を自然とつくれるのが、獨協医科大学病院の良いところなのだと思います。
 
――石橋さんからみて、獨協医科大学病院はどのようなところが良いと思いますか。
 
石橋:
先ほども話が出ていましたが、指導や研修の体制が整っているところは良いですよね。
 
上級医や指導医の先生から初期臨床研修医に対してどう接するかも、初期臨床研修医の先生から上級医の先生に対してどう接するかもそれぞれ配慮されているなと感じます。
 
また、仲間意識も強いと思います。たとえば、初期臨床研修医の先生たちに職員の予防接種などを担当してもらっているのですが、誰かが体調悪くなり当番を外れたときも、すぐに他の先生がフォローしてくれていました。急な要求であっても「人が足りないなら私がやります」と誰かのために動けるのは、獨協医科大学病院の初期臨床研修医の良さだと思います。
 
――伊谷野さんは獨協医科大学病院の良さはどのようなところだと思いますか。
 
伊谷野:
そうですね。面倒見が良いところでしょうか。獨協医科大学の校風だと思うのですが、後輩の面倒を見る意識を皆が持っていて、指導医の先生がよく面倒を見てくれていると感じます。事務局の私たちも初期臨床研修医の先生の面倒を見てあげたいと思っているので、気軽に頼ってほしいですね。
 

「あなたにとっての臨床研修センター」は? 

――最後にひとりずつ「あなたにとっての臨床研修センター」をテーマに一言いただきたいと思います。まずは石橋さん、いかがでしょうか。
 


石橋:
私は臨床研修センターは「初期臨床研修医のサポーター」だと思っています。研修医はいま100名ほどいますが、情報共有をこまめにして一人ひとりをフォローしていきたいです。
 
――ありがとうございます。では、瓦井さん、いかがでしょうか。

瓦井:
臨床研修センターは「初期臨床研修医のお母さん」的な存在だと思います。親と同じで、諭さなきゃいけないことは言わせていただきますが、研修医のどうでもいい話や悩みも全て聞きたいと思っています。私たちは男性ですが、お母さんのように気軽に相談をしにきてほしいですね。研修医の先生が何でも言いに来やすい雰囲気や体制をつくっていきたいです。
 
――ありがとうございます。では、伊谷野さんはいかがでしょうか。

 伊谷野:
臨床研修センターは「初期臨床研修医のお父さん」でしょうか。実は私もお母さんと言いたかったのですが、瓦井さんに言われてしまったのと、私はどちらかというと叱る立場が多いので、「初期臨床研修医のお父さん」としました。サポートする部分と指導する部分どちらも兼ね合わせた存在でありたいですね。
 
――ありがとうございます。では、下田先生はいかがでしょうか。

 下田:
臨床研修センターは「民宿」ですね。
 
僕は精神神経医学講座の主任教授をしているのですが、自分の医局は常々「家」だと言っています。僕は父で医局に居る医師が子どものような存在だと思っています。だから、時には怒ることもあります。
 
一方で、臨床研修センターは一次的に滞在する場所であり、家ではないと思っています。初期臨床研修医がずっと臨床研修センターに居るわけにはいかないですし、きちんと2年で卒業してほしいじゃないですか。
 
滞在する場所は民宿の他にもあるけど、ホテルみたいにビジネスライクでもないし、家みたいにウエットでもない。民宿に滞在しているとオーナーさんが「これ食べる?」と話しかけてきたりしますよね。そういう世話焼きな部分が臨床研修センターに近いなと思っています。
 
――ありがとうございます。最後に下田先生から何か事務局の皆さんに伝えておきたいことがあればお願いします。
 
下田:
僕が臨床研修センターのセンター長になった頃は、初期臨床研修医は30~35名ほどしかいませんでした。それが、いまや1年で50名ほど入ってくるようになっています。それは、2~3名しかいなかった外部の大学からの初期臨床研修医の人数が増えているからです。
 
この数年間でこれだけ研修医の数を増やせているのは、相当なスピードだと思っています。臨床研修センターの事務局の皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。
 
――ありがとうございます! 臨床研修センターは本当に初期臨床研修医の先生のことを思って働いている方が集まる場所だと感じました。どうかこのあたたかい雰囲気のままで在り続けてほしいと思います。お時間いただき、ありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
 
 




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