企画実現に必要な「巻き込み力」とはなんだろう?
事業企画の仕事に携わり4年、様々な事情で事業は起きていないものの、ようやく事業の芽が育ち始めた。そんな中、上司に言われた「お前には巻き込み力が足りていない、そうみられている」ということを言われたことを機に、改めて巻き込み力について、そして事業企画者に必要な能力について考えてみた忘備録。
そもそも巻き込み力とは何か?
誰もが思う巻き込み力ってなんだろうか?
おそらくは「考えた企画に対し関与するプレイヤーをガンガン巻き込み、「みんな」で進めていける力」なんだろう。
巻き込み力を持っているのは誰だ?
感覚的には「陽気」で「明るく」「積極的」で「誰とでも仲良くなれて」「友達の多い」「話し上手」なイメージがすぐ浮かぶ。いわゆる「陽キャ」といわれる年中イベントしているようなイメージの人。自分とは正直真逆の人々の印象をもつ。
こんな風に今すぐなれ、といわれたら「いや、そりゃ無理ですわ。ほな、辞めさせてもらいます」としかならないが、本当にそれが「巻き込み力」で、そんな能力がある人じゃないと事業って起こせないんだろうか?
事業とは何だ?事業の実現に必要なことは何だ?
そもそも事業とはなんだろうか。
端的にいえば「なんらかの困りごとを持つ人たち」に対し、「困りごとを解決する手段」を提供し、「困りごとの解決と引き換えに対価をいただき」「継続的な関係を構築する」ことなんだと思う。
では、それを実現するにはどうすればいいんだろうか?
おそらく、まずは「困っている事&困っている人」を発見し、「解決方法」を考える必要がある。その際のプレイヤーは「困っている人」と「困っている人を見つけ、課題を発見し、解決方法を考える人」つまり「事業の企画者」が存在していることになる。
で、解決方法を実現するためには当然「事業の企画者」が頑張って、実現を目指す。とはいえひとりでできることには限界があるし、その人にはできない(能力が無い)、けど、やらなければいけないことも実際たくさん出てくる。だからこそ「できる人」を募り、巻き込み、仲間となり協力して「課題の解決」を実現していかねばならない。
そう考えると、元々は「私=I」が課題解決に向けて企画を始めるんだけど、最終的にはその「課題解決の使命」を「私」だけのものでなく、課題解決に関与する「私たち=We」のものにしないといけない、ということが見えてくる。
ここで言う「私たち」とは、企画者や「できる仲間」だけでなく、「外部のパートナー」「出資者」そして課題解決方法の利用者である「お客様」も「私たち」に含まれてくる。全ての人を「巻き込み」課題解決を目指していかねばならない。
改めて、「巻き込み力」ってなんだ?
さまざまな利害で参加する人たち全てが「課題解決の使命」を「私たち」のものだと共通理解にし、解決に向けて進める力を「巻き込み力」だとすると、それは結局どんな力なんだろうか?
おそらくだけど、一つは自分の事業に対する想い、課題解決の使命に対する想いを正直かつ正確に伝える力だと思う。
自分が見つけた課題、困っている人の姿、それに対しどんな想いで課題解決手段を考え実現しようとしているのか、まずはそれを伝えない限り相手には理解してもらえない。だからこそ、それを自分の言葉で伝えられる力が必要なんだろうと思う。
ただ、この時点ではまだ「私」の事業でしか無い。
これを「私たち」のものにしていくには、私の想いを受け止めた「仲間」の想いも受け止めなければいけない。つまり、相手の話、課題感、指摘、苦言、その他この事業に対する想いを受け止めなければいけない。
つまり、もう一つ重要な能力は、【課題を見つけ、企画を考えた「私」が先駆者であり、「私」の事業である】というエゴを捨て、ゼロベースで純粋に相手の企画に対する想いを受け止め、咀嚼し、「私たちの事業企画」に進化させられる力が必要なんだと思う。
この二つの力を「巻き込み力」と言い、それが実現できてこそ、事業を実現することができるんだろうと思う。
巻き込み力とは「I」を「We」に変える力
よくベンチャー投資家が「事業の企画と同じかそれ以上にチーム力を評価の基準とする」と言う話、結局のところシード期の企画など大多数がうまくいかないレベルであり、それを本当に実現し、成功に導けるかどうかは結局チーム力であり、チームを作りあげ、成長させられる創業者の「巻き込み力」である、と言うことなんだと思う。
「巻き込み力」は「私=I」を「私たち=We」にできる力、想いを伝え、それ以上に想いを受け止める力。エゴを捨て、相手の話に耳を傾ける力を身につけ、事業創出に改めて挑みたい。