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海の道

九州から四国へ行こうとすると、とても遠い気がするのだが、大分県の東の突端、佐賀関と愛媛県の西の突端、三崎は泳いでいけるんじゃないかと思うほど近い。その昔、村上水軍が治めていた海域だ。そんなエリアをぐるっと回ってきた。

博多からソニックに乗って大分まで。日豊本線に乗り換え「幸崎」という駅で降りる。ここからバスに乗ってフェリー乗り場へ向かう。九四国道フェリーで愛媛県最西端の三崎までは1時間ほど。四国へ上陸!三崎からJRの駅がある八幡浜まではまたバスに乗る。この細長ーい半島はけっこう距離がある。八幡浜駅まで40kmほど。意外と遠かった。

八幡浜から今回の目的地、宇和島まではJRの特急で。博多を出発して7時間ほどかけて宇和島に到着。大好きなアーティスト大竹伸朗が拠点を置く街だ。大きな商店街はあるのだが、ほとんどシャッターが降りている。何もない街。四国の果ての街。

でもそれだけに此処には自分のペースで暮らす人たちがいる。朝の5時から9時まで開くうどん屋さん、夜の9時から12時まで開くおにぎり屋さん。コーヒーを頼むとお菓子やフルーツも出してくれる喫茶店。

大竹伸朗がなぜこの街を選んだのかを考えていたけど、この街には好きな日本人が暮らしているという気がした。

翌日は朝から小高い山の上に立つ宇和島のシンボル、宇和島城に登り、うどんを食べてから松山へ向かう。川に沿うように走り、海に出てからは海に沿うように走るローカル線に乗って松山に到着。

宇和島でほっこりした気分になった後では都会度の高い松山はなんとなくスルーしてしまって三津という港町へ。三津浜焼きというお好み焼きを食べる。もうここは広島文化圏なのかもしれない。

高浜の松山観光港からフェリーに乗る。人が少ない展望ラウンジで横になれてリフレッシュできた。2時間半ほどの船旅で広島に着く。広島ではフェリーが着く港に路面電車が直結しており、街へ向かうアクセスがとても便利だった。広島駅近くの源蔵本店という店で旅のシメ。シャコ、穴子、きびなご、安くて美味しくて感じのいい店だった。広島からは一路新幹線で博多に到着。

2日間の旅だが、ずっと海を感じていた気がする。この旅の中心には海があった。山は隔てるが海は繋ぐのだ。九州、四国、本州と分けることには意味がない、海を囲む一つの地域だ。
宇和島という街を発掘したような気分になった旅だった。
#宇和島 #大竹伸朗 #フェリー

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