ステル&ヘラス
ステイホーム!ということで、家で片付けをしていたという人も多いことでしょうね。わたしもごそごそと、今も片付けの最中です。
片付けの基本はステル&ヘラス。たとえばわたしの場合、何年も置きっ放しの本を思い切ってステル。そして同じ本棚に残る本をヘラス。減った分だけ、必要とする本が見えてくるのです。そんな調子でとっくに不要になった書類を捨てたり、積み重なった雑誌をバサリと捨てたり・・・。
ステル&ヘラスが面倒だ、という人もいるかも知れません。いい方法があります。30分集中主義です。掃除にせよ片付けにせよ、わたしは30分もすればイヤになってしまいます。「俺のやる気は30分」と割り切っているのです。
だからわたしはステル&ヘラスをいっぺんにはやらない、いや、できない。一回30分以内の作業を、気が向いた日にやります。その作業を何日間か続けて、ようやく一つの片付けが終わるというわけです。
さてそんな本の片付けをしているときのある日、妻がわたしにこう聞いたのです。「芥川龍之介の『蜜柑』という短編小説を読みたいのだけれどある?」わたしは内心、しめしめと思いながらと本棚からサッと取り出したのでした。
英語にデッキクリア(Deck Clear)という言葉があります。デッキは甲板のことです。だから直訳は甲板掃除ですが、実はもっと大きな意味があります。それは「戦闘準備」。たとえば航空母艦でしたら、甲板を整えておかないと、いざというとき飛行機の離発着もできません。だからステル&ヘラスとは心のデッキクリアにほかならないのです。
このステイホームの間、少しずつ片付けが進むにつれて、わたしの書庫は新しい顔を見せ始めています。ほんとうに読みたい本が、浮かび上がってくるのですから。
ステル&ヘラスの効果は三つあります。
一、欲しいものがすぐわかる。
二、気持ちがスッキリする。
三、新しいことを始めたくなる。
ステル&ヘラスはいろいろと応用可能ですよ。モノという形あるものだけではない。わたしの仙台の友人などはある日、「これから義理人情ダイエットを始める」と宣言しました。ムダな人づきあいは、もうしない、ということなのですね。その分、自分にとって大事な人とは今まで以上に深くつきあう、と。
幸いわたしは、そのムダの中には入っていなかったようで、仙台に出張に行くたびに、酒を酌み交わしています(笑)。
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