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長〜い目で見る

自分の人生が思うに任せなくなると、この先どうなるのだろう?と、人は悲観しがちになるものです。そんなときは長い目で自分の将来を見てほしい。

いま「サピエンス全史」という本を読んでいます。著者はイスラエルの若き歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ。出版されたのは6年前の2014年ですが、すでに発行部数が全世界で1200万部を突破したとされるベストセラーです。この人類250万年を一望する壮大な歴史書の特徴は、「幸福」という観点から人類史を展望しているところです。

DNAをゼロから作り上げることも可能になっている現代、バイオテクノロジーやAIの発展によって人類は神の領域に足を踏み入れた、と著者は語ります。果たしてわたしたちは、太古の人類に比べて幸福になっているのだろうか?そして人類はこの先、幸福になれるのであろうか?

ビル・ゲイツが、歴史や人類の未来について興味のあるあらゆる人に勧めたいと語るほど、画期的な視点で描かれています。

この先の人生を考える上で、少しでも長い視点を持つように努めると、なぜか心が落ち着いてくるのを覚えます。わたしの至福の時は、カフェの片隅で好きな珈琲をすすりながら、「さあて、この先どうしようか?」と一人考えを巡らすとき。時間の単位を、三年先、十年先と思いを広げていきます。すると、いま抱えているあれやこれやの課題や困難も、不思議に小さく見えてきます。

剣豪宮本武蔵の五輪書(水の巻)に、「観の目つよく、見の目よはく見るべし」とあります。観(かん)の目は、遠くを見ること。それに対し、見(けん)の目とは、近くを見ること。

わたしも講演家として、今年はヤルゾ!と思っていました。ところがこのコロナ禍、計画はすべてリセットです。そんなとき武蔵がエールを送ってくれるのです。「人生の勝負では目先ではなく、遠くの風景をしっかりと見ることが大事だぜ」と。


◎英語de元気ing
Calm down, slow down and take the long view.
さあ、落ち着いて長~い目でモノゴトを見てみようよ。


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