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建築以外の意味を重ねる

ストーリー型建築は、建築作業「以外」の意味が大きいと思う

 チームDIOの「ストーリー型建築」は、お店の設計や工事を「建築する」という1つの意味だけでなく、みんなで作業することで、いろんな意味を追加しています。今回は、「建築以外」に追加している意味を5個に整理してみました。

意味の追加1 参加できる楽しみもある

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 「自分も作ってみたい、、、ウズウズする・・・」という思いを持っている方にとっては、自分も参加できる魅力があります。「やってみたい気持ちはあるものの、道具をそろえるのもお金かかるし、やり方もわからない・・・」悩みに対して、やり方をアドバイスしてくれたり、道具を貸してくれるプロが一緒にいることはとても心強いです。プロとタッグを組みながら進めることで、安心して「これ、私が作ったよ〜」という満足感につながります。

意味の追加2 お店のファンも作る

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 工事の途中にお手伝いに来てくれる人は、店主さんだったり、やろうとしているテーマに共感してくれる方です。実際にペンキを塗ったりお手伝いしたお店は、とても愛着が湧きます。ファン作りには愛着を持ってもらうことが大事で、実は工事期間は、愛着づくりのゴールデンタイムです。

意味の追加3 お手伝いをキッカケに仲間もできる

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 不思議なもので、最初は初対面でぎこちなくても、同じ作業を一緒にすることで、なんだか不思議な連帯感が生まれます。休憩時間のおやつタイム(雑談タイム)が重要で、そこから意外な共通点があったりすると盛り上がります。その「偶然の出会い」というキッカケを作ることができることも、ストーリー型建築の大きな意味だと思っています。テーマでコミュニティが生まれて行きます。

意味の追加4 オープンの2ヶ月前からお店の広報もスタートできる

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 工事の様子をアップしながら、新しいプロジェクトが始まった告知や、どんなお店になるのかの紹介など、間接的な告知はスタートしています。工事の様子を見てもらうことで、それが伏線になっていて、お店が完成したときには「あれ?あの工事していたお店は、一体どんな風に完成したのかしら?」という、建物を見学したいという来店の動機につながり、お店のオープンからの集客の初速をあげることにつなげたいと思っています。

 また、開店準備中は、店主さんは大忙しで、広報まで頭が回りません。工事のネタにはなりますが、他の人がアップして、それを店主さんがシェアする作戦で、店主さんの負担を減らせたらと思っています。

 店主さん本人が、自分のお店をPRすると、ちょっと売り込みっぽくなってしまいますが、他の人が記事にすることでクチコミにつながりやすくなります。

意味の追加5 起業講座!?にもなる

 そして、今回の栗駒のお見せ作りプロジェクトは、地域おこし協力隊の千田さんがスゴイことを考えまして、お店作りのプロセスごと「公開講座」にしました。

大崎タイムスの記事↓

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河北新報の記事↓

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 これから起業したい人に、お店が出来上がるまでのリアルを見てもらう「起業講座」の意味まで追加されました。
 その千田さんの新しい取り組みが、河北新報や大崎タイムスに取材されております。(写真の最後の方に、新聞の写真があります)。千田さんの発想力と企画力、アイディアだけでなく実行力がスゴイなーと思います!!

人間的なつながりが生まれるかどうか

 私も以前は、プロセスは公開せずに、全てをプロで行う工事をしていました。それはそれで、クオリティの高い作品ができますが、お客様とはここまで仲良くなってはいませんでした。プロセスを公開することや、プロセスに素人が混ざることで、クオリティが下がる心配もありました。

 確かに、大手のフランチャイズ店舗のように画一的な出店をしたり、大手企業のビルなどを作ることには向いていない設計スタイルだと思います。しかし、プロだけで作る建築には、コミュニティは生まれません。

 これからのスモールビジネス、ローカルビジネスの店舗設計を考え続けた結果、不特定多数を相手にサービスで勝負する作戦よりも、顔見知りやコミュニティに支えられる店舗を作る設計の方が良い気がしています。

 withコロナ時代、建築の設計はもちろん、建築作業「以外」のコミュニティ(人間的なつながり)の設計を追加できるかが大事だと思っております。



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