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はじめての大学受験 成功させるための年間スケジュール

こんにちは、イクスタの土井です。

今回は、はじめての大学受験を始動した受験生や保護者の方に向けて、少しでも難関大学の合格率が高められるようなアドバイスをできればと思います。

なにごとも最初が肝心。特に大学受験は時間制限がとても厳しい世界ですから、知らなくて手遅れというパターンは避けたいところ。大学受験を成功させるために重要な3つの軸からご説明をしていきます。

◯ 予備校・塾の考え方
◯ 年間スケジュール
◯ 日々の勉強の進め方

受験勉強を始める際には最低限知っておいていただきたいことをまとめました。
それではよろしくお願いいたします。


◯ 予備校・塾の考え方

本格的に大学受験を始めるタイミングでまず予備校や塾に入るべきか、を迷うことだと思います。私の体感では6-7割程度の大学受験生はどこかしらの予備校・塾に入ります。予備校や塾に入るのは普通だよねという流れがある中で、そもそも予備校や塾にはどのような役割が期待できるのでしょうか。
年間40-100万円程度が必要な予備校や塾を活用する必要があるのかという視点でお伝えしていきます。

授業はどう頑張っても3割

予備校や塾に入る際には、大学受験に対応した授業を受けることをまず考えることだと思います。自分のレベルや志望校に合った授業はどのようなものなのか、どれくらい授業を受ければいいのか、などいわば授業が軸になっていることだと思います。

授業で志望校合格まで届いて欲しい、という願いがあることだと思います。
一方で大学受験を本格的に始めてから入試本番まで、授業関連で勉強する量は全体の多くても3割くらいです。私自身予備校や家庭教師の経験が長く、イクスタコーチの生徒さんでも予備校に通いながらという方も多いのでそうした情報収集から総合すると、予備校や塾の授業を徹底したとしても総合した勉強の量で言えばそれほど多い分量にはなりません。

つまり、自習の質と量の方が大事なのです。「予備校・塾の授業を受けていれば大丈夫」ということは決してなく、自習時間の管理こそが大事です。

共テレベルで60%までは基礎基礎and基礎

また共通テストで60%の得点ができるまでは、基礎レベルを徹底することが最重要です。基礎レベルだけでもいいと言ってよいかもしれません。
「有名私大対応」「難関国公立二次」「ハイレベル・トップレベル」のような名前がついている授業はほとんど発展的内容です。大学受験を始めてから少なくとも6ヵ月程度はこのようなレベルの授業を受ける成績には届かないので、基礎を徹底すべきです。各科目の基礎分野については後ほど触れます。

なぜこのような注意をしているかというと、予備校や塾で発展的な内容の授業を受けるようにどんどんおすすめされてしまうからです。本人のレベルよりも難しすぎて内容が全然分からず結局時間の無駄、ということが起こりやすいです。そうした難しすぎる授業は休んでしまってもよいくらいです。共通テストレベルの自分の点数と授業のレベルは慎重に選んでください。選ぶタイミングを遅らせることができようであればギリギリまで迷ってもいいです。

元々動画系の予備校に通っていて授業をたくさん取っていたものの授業を変更したりキャンセルしたりした生徒さんもいます

個別面談も数ヶ月に一度ではそれほど意味はない

予備校や塾では「担任との個別面談」があることを謳っているところもありますが、実際のところそれほど効果はありません。大学受験の計画やタスクはとても複雑なので、「1-2ヵ月に一度」程度の面談では、ほとんど何も修正することはできません

模試の結果などを見て「この科目はもっとやろう」など、誰でも分かる当たり前のことを再確認できる程度です。

私自身イクスタコーチとして1人の受験生につき週に1度、60-75分の面談で入試当日までサポートしていますが、最初の6-9ヶ月は週に1度の面談でも時間が足りないくらい、ケアすべき部分は広範囲に渡ります。

それが1-2ヵ月に一度程度の面談では、本来確認すべきことの10分の1も確認できないことでしょう。予備校としてもそれほど人員を配置できる余裕はないと思うので、予備校という運営モデルだと仕方がないことかもしれません。つまり、予備校や塾での数ヶ月に一度の面談では何も得ることがないと考えた方がいいでしょう。

自習室を使うために予備校や塾に通う

自宅ではなかなか集中できないから自習室を使いたい」という場合に予備校や塾を活用するのはとてもよいと思います。苦手な科目の授業を少し取り、自習室を使うという目的で入塾するのはよいですね。

◯ 年間スケジュール

次に、大学受験勉強を本格的に始めた時点で知っておくべき年間のスケジュールについてお伝えします。

1500時間

この記事をお読みの方は「最低でもMARCH・関関同立レベルに合格して、できればそれより難しい国公立大学や早慶上智にチャレンジしたい」と考えている方が多いかと思います。私自身も受験生時代はこの選択でしたし、このような考え方は、大学受験を進める上で良い戦略だと思います。

またMARCHレベルの入試問題は国公立大学や早慶上智レベルの入試問題に対応できる力がついているかを測る良い問題が多く、イクスタコーチ受講生にも夏休み以降はMARCHレベルの標準的な入試問題を解いてもらって、知識や理解の抜け漏れや伸び代をチェックします。

基礎〜標準レベルの汎用的な実力がついているかどうかを測るためにMARCHレベルの入試問題で合格最低点を取ることができるかをひとつの大きな基準とします。

ではMARCHレベルの入試問題で合格最低点を取ることができるようになるためには、どのような勉強が必要になるのでしょうか。
目安となる勉強時間は、合計で約1500時間です。詳細はこの記事では割愛しますが、大学受験をほぼゼロから始めてMARCHレベルに安定して合格できるようになるためには約1500時間の勉強が必要となります。

いかに早く1500時間程度の勉強時間を確保し、MARCHレベルを達成してからさらに上を目指すことができるのかがひとつのポイントとなります。


大学レベル別の時期別目標点

各大学レベルに合格した過去の受験生がどの時期にどれくらいの点数を取っているのか、をご紹介します。
志望校に合格するためにはいつまでにどれくらいの点数を取っているべきかの目標にもなりますし、この点数を取るためには何が足りないのかを分析する機会にもなります。

科目ごとの目標点をご紹介します。





過去問サイクル

難関大学に合格するためには、秋の時点で「過去問サイクル」に入っている必要があります。

過去問サイクルとは、「毎週志望校の過去問を解いて採点し、その抜け漏れを埋める勉強を回すことができている状態」です。

過去問サイクルに入るべき過去問の点数は最低45%です。志望校や併願校の過去問を解いて自分で採点してみて、45%程度得点できているようであればその大学の過去問を定期的に解いてその復習をするというサイクルを始めることができます。

ちなみに45%程度得点できないようであれば、その過去問を解くために必要な知識や理解が不足しています。最低でも45%得点できるようになるためにはどのような知識や理解が足りないのかを、自分のこれまで使ってきた教材を見返してまとめてください。

MARCHレベルで45%以下が連続しているようだと、今まで使っている教材の内容が定着していないことが予想させるのでもう一度自分の教材に戻ってみてください

8月にMARCHで合格点が取れていれば、早慶や旧帝大の合格も

MARCHレベルの入試問題は標準レベルが定着しているかを測ることができる良い問題が出題されているので、8-9月ごろにMARCHレベルで過去問サイクルを始めることができていれば、それよりも難しいレベルの大学に合格できる可能性が高まっています

過去問で70%以上が安定するようであれば、その学部よりも難しい大学の過去問サイクルを始めることができます。例えば明治大学の過去問で70%程度を取れるようになっているようであれば早稲田大学の過去問でも50%程度は得点できるようになっているので、そのまま次のレベルの過去問サイクルを始めることができます。

大学受験に不可欠な過去問サイクルについてご紹介してきました。
はじめて大学受験を始めてからの目標は、過去問サイクルに入れることです。
一度過去問サイクルに入ることができれば過去問を解きながら自分に足りない知識や理解がどのようなものかを分析して自然と勉強できるようになっていますので、目標はいかに早く過去問サイクルに入ることができるかです。

イクスタコーチでも最重要の目標として、ひとりひとりの受験生をいかに早く過去問サイクルに入れることができるか、を基準に進めています。

過去問サイクルに入るための各科目の勉強法

過去問サイクルに入ることの重要性をご紹介してきました。ここからは過去問サイクルに入るための各科目の勉強法や参考書についてご紹介します。

英語ゼロの受験生が賢く最短で難関大学を攻略するための英語の勉強法 国公立私立編 イクスタ完全版 - イクスタ

【数学】共テも二次試験も全部対策できる!数学の勉強法を知りたいならこれ読んで! - イクスタ

【現代文】センスがなくても0から難関大合格まで点数を上げるための勉強法と使う参考書 - イクスタ

確実に古文の成績が伸びる勉強法 完全網羅版 国公立私立 - イクスタ

物理ゼロの受験生が賢く最短で難関大学に合格する物理の勉強法 国公立私立編 イクスタ完全版 - イクスタ

5人の現役大学生が協力して作成した、確実に成績が伸びる日本史の勉強法 完全網羅版 - イクスタ


ここまでのご紹介で、「いつまでに・何をすればいいのか」をお伝えできたことかと思います。

◯ 日々の勉強の進め方

ここまで、「いつまでに・何をすればいいのか」をお伝えしてきました。いわばWhenWhatとお伝えしました。次はHow(どのように)をご紹介していきます。

いざ本格的に受験勉強を始めてさあ勉強しよう、となったとしても、何をどれくらいやればいいのか意外と分からないものです。「とりあえず英単語を...」という感じだとは思いますが、もちろんこのレベルでは到底足りません。

そこで計画の立て方を簡単にご紹介します。詳細な計画の立て方は9500文字の別記事をご参考いただくとして、今回はそのエッセンスだけでもお伝えします。

今日何をやるか、を明確にするために

計画を立てる最終目標は「今日、何を終わらせればいいのか」を明確にすることです。今日終わらせればいいことがわかるとすぐに手をつけることが分かりますよね。逆に、長期の計画を立てたり参考書の情報を集めたとしてもまず何からやればいいのか分からない状態だと何からやればいいのか分からず困ってしまいます。

そこで6ステップに分けて、自分の志望校に合格するために必要なことから逆算していくのです。

  1. 志望校を決める

  2. 合格に必要な点数を調べる

  3. 自分のレベルを測定する

  4. 入試までのロードマップ

  5. 2ヶ月ごとの中期計画

  6. 毎週の計画

① 志望校を決める

大学受験の志望校を決めます。やりたいことやイメージ、ご家族や友人たちに聞いて決めてもいいかもしれません。できるかぎり高い目標にすることがおすすめです。結局やるべき勉強内容はほとんど変わらないですし、将来のことを考えるのであれば選択肢の中で可能な限り難しい大学を選ぶことをおすすめします。

2-3週間で20時間ほど使って志望校を決めてください。もし決まらないようであれば、「東進 大学 ランキング」と検索して、東進偏差値61以上の学部で、文系であれば商学部・経営学部系理系であれば化学系をおすすめします。

② 合格に必要な点数を調べる

志望校が決まったら、どのようなテストで何点取れば合格できるのかを調べます。各大学、合格最低点が公表されているので、公式HPや大学受験情報サイトで調べてみてください。

国公立の二次試験や私立大学の個別試験の問題も見ることはできますが、今問題を見ても難しすぎてちょっとイメージできないはずです。そのため共通テストレベルの目標得点率を調べます。

記事の序盤でご紹介したグラフをご覧ください。


③自分のレベルを測定する

ここまでのステップで時期ごとの目標点を把握することができました。次に自分の実力をチェックします。受験を始めたばかりだとほとんど点数は取れないと思いますが、一度受けてみてください。予備校のHPで公開されている過去問か、市販のものどちらでもかまいません。

私立大学や国公立大学の個別試験で使う科目を受験してください。理科や社会は全く勉強していないということであれば、英語と数学、もしくは英語と国語だけでも大丈夫です。

解いて自己採点してみて、先ほどの目標点と自分の実際の点数がどれくらい異なっているのかを見比べましょう。この際をいかに早く埋めることができるかを毎日意識して勉強してください。

④ 入試までのロードマップ

入試当日までにどの教材をいつまでに終わらせるかの計画を立てます。
これは頭の中や文字だけで整理するのは難しいので、ぜひ図に書いてビジュアルで把握できるようにすることがおすすめです。


科目・分野ごとにやろうと思っている教材があるかと思います。「過去問サイクル」の後半でご紹介した各科目の記事を参考にしながらご自分でロードマップを作ってみてください。

このステップは本当は知識がない段階で行うのは難しいので、本来であればイクスタコーチでサポートしたい部分なのですが、今回はご自分で進めていただくこととします。

一度図に書いてみると、終わらせなければならないことが一覧で分かるはずです。見てみると「意外と時間がない」ということが分かると思います。だいたいの時期ごとの教材のロードマップを作成して、それぞれの教材を終わらせる時期をイメージします。

⑤ 2ヶ月ごとの中期計画

ロードマップを作成して、だいたいの時期ごとの教材のペースをイメージしたら、次は具体的に計算していきます。

2ヶ月後までの計画を作成します。まずは2ヶ月後までに自習時間で確保できそうな時間を計算します。部活や課題で忙しければ100時間程度、学校に行っていなければ600時間ほど取れるはずです。状況によっては勉強時間に500時間の差が出てしまいますね。
まずは2ヶ月後までの合計時間を出します。
次にその合計時間を科目ごとに振り分けます。理系であれば英語と数学で8割、文系であれば英語は5割、というイメージです。

例えば2ヵ月で合計200時間勉強できる文系の受験生が、英語に割り振るべき時間は100時間です。

さらに次に、その100時間をどの教材に割り振るべきかを決めます。
英語であれば最重要なのは基礎単語と基礎文法なので、ここでは半分ずつということにしてみましょう。

英単語に50時間、英文法に50時間を2ヶ月かけて進めるということです。
この50時間を使うと、どれくらい進めることができそうかを予測します。受験勉強を始めたばかりだとなかなかペースが分からないはずですが、それはあとで修正すればいいのでまず自分なりに予想してみましょう。50時間あれば、1500単語の単語帳は最低でも2周して、40%程度は定着させることができるはずです。

英単語の2ヶ月の目標が決まりました。
50時間で最低でも2周、最低40%は定着させる!という目標です。

この手順で各分野・各教材の2ヶ月後の時点での目標を作成しましょう。


⑥ 毎週の計画

最後に毎週の計画を作成します。2ヶ月後までの計画を参考にしつつ、各科目のバランスを取りながら1週間後までの計画を作成します。

日曜日や月曜日に立てるのがおすすめです。1週間後の今日までに勉強時間を何時間くらい取れるかを整理し、その中で各科目・各教材に時間を割り振り、終わらせるべき分量をページ数や周回数、正解率などで目標を立てます。

可能な限り細かく数字を使って目標を立てることを心がけてください。


ここまで6ステップに分けて計画の立て方を足早にご紹介してきました。最後の来週までの計画を立てたら、それを終わらせることを目標にして、毎日勉強します。

来週までの計画をスマホの待ち受け画面にするなどして、毎日睨めっこするくらい意識づけてこれを終わらせることにこだわってください。

この手順を続けていくことで、これまでよりも圧倒的にやるべきことを明確にしながら受験勉強を進めることができるようになっているはずです。

これで明日から勉強すべきことが分かる!大学受験の勉強計画とスケジュールを立てるためのマニュアル完全版! - イクスタ

日記

毎日の勉強には管理が必要です。頭の中だけで把握するのはとても複雑ですので、文字にして見えるように管理していく必要があります。
そこで使うのが日記です。紙の日記をおすすめしますが、スタプラなどのアプリでも構いません。
毎日、やったことを時間やページ数などで記録していくだけです。記録してみると、意外と進んでいなかったなど気付かなかった新しい発見が色々とあるはずです。

日記と共に気付いた良いこと悪いことを認識できれば、自然とさらに進化させ続けることができ、それが結局効率アップに繋がっていきます。


復習の頻度と回数

勉強したことの復習は超重要です。教材をどんどん進めたい焦る気持ちも分かりますが、特殊能力を持っていない限りどんどん忘れます。これは脳の機能によるものなので、脳の特性を理解しながら復習方法を確立しましょう。

目安は月に3回ほど復習することです。理想は次の日に1回、週末に1回、月末に1回というペースで月に3回復習することです。
復習する時間が取れないという気持ちは分かりますが、長期的に見れば今復習する方が効率的なのです。例えば日曜日の午後は1週間の総復習という時間に使うのがおすすめです。

「昨日やったことをさらっと復習、日曜日にその週のやったことをしっかり復習」
こんなサイクルがおすすめです。


ここまで、はじめての大学受験を成功させるために気をつけてほしいことをご説明してきました。
◯ 予備校・塾の考え方
◯ 年間スケジュール
◯ 日々の勉強の進め方

受験を始めるタイミングで最低限知っておいていただきたいことをご説明してきました。

イクスタコーチという毎週面談のプログラムでは、さらに深掘りして入試当日までサポートしています。もしご興味があればぜひ一度オンラインでお話しできればと思います。お問合せください。

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イクスタ代表/土井万智(どいまさと)

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