エベレスト街道旅行記-まとめ-
はじめに
いろいろエベレスト街道を含むネパールトレッキングのブログを見ると、辛いことを書いてないブログがあるが普通に辛いです。山道ではない、というのは鎖場や手を使うポイントがなく日本アルプスの岩稜帯のようではないというだけで、足場の悪い地面、ガレ場ザレ場、木の根っこなどは普通にあります。
少なくとも富士山登頂や泊まりの山行経験は必須だと感じました。特に富士山登頂は高山病耐性を測る上でも大事です。泊まりの山行は、荷物の重さを実感するという点で大事です。それらをやったことない人が行きたいと思うかは別ですがw
ガイドブックなどには、目的地と目的地が一直線になっている表記があり、緩やかな登りのようなイメージがついてしまいがちですが、実際にはNepali Flatというネパール人のいうFlatが続きます。数10mのアップダウンが連続する箇所はFlatです。普通に疲れます。また、川沿いまで降って登り返すところも多々あります。その場合、その日のスタート地点より下まで行くことはザラです。
マジで目標通り踏破できたら、誇っていいレベルのトレイルだと思います(褒めて褒めて)
ガイドについて
まず、ガイドは絶対つけたほうがいいです。自分でやりたいし、最悪死んでもいいぐらいの気持ちならいいですが、ガイド代をケチるぐらいなら最初から行かない方がいいレベルです。
ロッジでの交渉が発生する可能性があります。英語喋れないロッジの人もまぁまぁいたりするので、その辺りのコミュニケーションがスムーズになります。またトレッキングを終えて、村について宿探しをするのは結構しんどい気がします。村自体も結構広く、ロッジもいっぱいあるので。またガイドの目的は顧客の目標達成なので、可能な限り旅程を遂行するため、怪我や病気を含む顧客の困りごとは基本的にはサポートしてくれます。また体調の確認やペースメーカーにもなってくれます。
またこのエリアの一番の大変なところはルクラの空港です。順延や欠航が日常茶飯事なため、そのトラブルを解決するにはガイドの力が必須です。
ただガイドは自身にトラブルがあった時に、事前に防ぐというよりはどうにかするというケースが多く、外人トレッカーからすると舐めすぎな装備からもそれを見て取れます。積雪した山をランニングシューズで抜けるとか考えられんw そういう意味での不安はあります。
ガイドとは長期間一緒にいるし、あらかじめ申し込むとどんな人に当たるかわからないので相性が悪いと最悪ですが、そういう時はビジネスと思って割り切りましょうw
生活パターン
自分の場合、特にイベントがない日(難所に向かうなど)は、6時起きで7時か7時半に朝ご飯、7時半から8時に出発し、どこかのロッジで昼を食べて、14時か15時ぐらいに目的地に着きお茶、18時頃に夕食、21時就寝というパターンが多かったです。夜は寒い上に特にやることもないので。あと日本からの時差を考慮するとほぼ日本時間になってしまいました。この季節は山が綺麗に見えるのは午前中で、午後は天気が崩れることも多いので、このパターンが理想ではあります。
トイレ事情
基本はネパール式は和式便所に似たスタイルで、水を汲んで流す方式です。ロッジには洋式があるところも多いです。洋式の場合も水を汲んで流すところと、流すボタンがついてるところがあります。どちらにしても備え付けの紙があるところはなく、自分で買って持ち込む必要があります.また使った紙はトイレにあるゴミ箱に捨てます。
ネット事情
自分はカトマンズでNcellを契約しました。他にもキャリアがあるみたいですがメジャーなのはNcellのようです。
ナムチェ周辺では4Gが入るなど、かなり快適に使えました。それ以外は3Gでかろうじて使えるところが多いです。事前情報ではディンボチェまでは回線があるとのことでしたが、ディンボチェは完全に圏外でした。
3Gだけ使えるところでもメッセージレベルであったら、どうしようもなくなるレベルではないです。
またどうしようもない時は宿でWi-Fiを契約することもできます。ただこれも不安定で、携帯の回線が入るところはそっちを頼るでいいのかなと思います。携帯の回線がダメな時は割とWi-Fiもダメです。
エベレストリンクというネットワークが使える宿もあり、ルールとして1GB1日500ルピーか、10GB日数制限なし2000ルピーか、のふたつですが、宿提供のWi-Fiも500ルピーなのを考えると後者しか選択肢がありません。ディンボチェ以降の携帯回線の入らないところでは、これが使えることを祈るしかないです。
ちなみにデータ回線が絶望的なところでも電話は割と通じるらしく、現地人はみんな電話しまくってました。メッセージはあんまり使ってなさそうです。
宿事情
ロッジとレストランは併設されており、宿酒場的な感じです。レストランで2食食べることを条件に宿代が安くなるシステムのようですが、基本そこ以外で食べるメリットはないです。
自分はガイド付きだったので、交渉や宿探しはやってもらえました。旅行会社によって違うかもしれませんが、最初に払った金額に、朝食と朝の飲物、昼食、夕食代が含まれているので、それ以外を頼まなければ追加料金はありません。なので高いのを頼むのがお得といえばお得です。またオーダーを取ったり、ホール役をやってくれることもあります。そこまでしなくても、と思うところはありますが。
部屋は基本的にツインです。料金とかは変わらないので1人なら贅沢に使えます。ただし宿が混んでいると相部屋になったりするそうです。自分はありませんでした。運が良ければコンセントがあり充電が可能ですが、ない宿の方か多いです。そういう宿ではお金を支払うことで充電が可能です。ただし宿の電源自体がバッテリーやソーラーなどで限られてるケースもあります。充電が断られるケースも多かったです。
基本はベッドと毛布(ナムチェ以上は布団)が用意されていますが、部屋に暖房はなく、夜寒いので寝袋を持って行くことが推奨されます。どこもベニヤで仕切られているだけなのでレオパレス以上に隣やさらにその隣の音が聞こえます。
寒いところではダイニングて暖房が炊かれるので、食後しばらくはそこでダラダラするのがよいです。ただし食後1時間ぐらいで暖房が切れて寒くなります。
ガイド付きの場合は部屋代も含まれているのですが、追加で支払うことでシャワーやトイレ付きの個室を借りることもできます。
食事情
基本的にダルバート生活だったので何もいうことはないのですが、洋食系は横で見てると魅力を感じませんでした。その土地に来たらその土地のものを食べるのが一番です。ダルバートが口に合わなかったらかなりしんどいと思います。
ちなみにダルバートは満足するまでおかわりできます。このシステムがあるのはダルバートだけです。ただガイドも店員もお代わりを結構しつこく聞いてくるのでげんなりすることもあります。
あと、ナムチェより上では肉の質があまり良くないので、頼まない方がいいということでした。なのでタンパク質は卵やチーズで補うことが多いです。ダルの豆にもタンパク質が含まれていると信じています。
朝ご飯はトースト、チャパティ、チベタンブレッド、パンケーキ辺りがあります。チベタンブレッドは言ってしまえば揚げチャパティなのですが非常に美味しいので割とこれ食ってました。
ルクラ、ナムチェ、ディンボチェなどの大きい街では、ロッジ以外にもカフェがあったりするので、時間があるときはカフェで過ごしたりもしてました。日本のカフェより少し安いかな、って価格です。ただしカフェインは高山病に良くないので控えめに。
持ってきてよかったもの
ワークマンのスリッポン:軽くて、つっかけにもできるので便利です。ロッジに入った後の街の散策でも、道が悪いのでサンダルだと辛いかと思います。
携帯ウォシュレット:ウォシュレットがあると紙の消費を抑えられます。
鼻腔拡張テープ:睡眠時はどうしても呼吸が浅くなります。そのため酸素不足になりやすく睡眠の質を下げます。また埃などで鼻が荒れがちなので、鼻が詰まります。
浄水フィルター:基本水は有料なのですが、これがあると水を買わずに、ロッジの水を汲むことができます。節約にもなるしゴミも減ります。
YAMAP :回し者ではないです。海外のマップもあるので、現在位置を知るのに便利です。現在位置を知って心折れなくさせるのに大事です。地形も割と正確なので、しんどそうなルートをあらかじめ把握するのにも使えます。記録がつくのも達成感あるし人に説明もできます。
チェーンスパイク:チョラパスではないと死亡確定でした。ここ以外では降っていても使うほどのところはありませんでしたが。
持ってきた方が良かったもの
キネシオテープ:捻挫した時に700ルピーの包帯を足に巻かれたので、これならキネシオテープとかあった方がよかったなと。
日焼け止め:標高が高いところは紫外線も強いし、積雪していれば尚更です。見事な逆パンダになりました。
持って来なくてよかったもの
Kindle:部屋が暗いので読みづらいし、現地Wi-Fiも端末単位で課金だったりするので使い勝手が悪いです。充電機器を減らす意味でもスマホのKindleアプリでよかったです。
マスク:トレッキングで使う分を用意しましたが、誰もしてないw トレッキングには持っていかず、布マスク数枚と飛行機用だけでよかったかも。埃っぽいエリアとかで欲しくはなりますが、一方で息苦しくなるんですよね。
携帯用キーボード:宿で暇な時に物書きに使えるなと思って用意したのですが、宿の時間は無限にあるのでフリック入力で十分だったかも。まぁ気持ちよく打てるのでそれはそれ。
まとめ
もちろん装備はちゃんとしていったものの、行ってみると15kgぐらいの荷物を背負って、1日何時間も歩くのは相当の苦行でした。精神的にかなり辛い場面もありました。
しかしながら、森と川の自然豊かな村から、灌木を抜けて荒野にいたり、荒々しい岩場を、村々を点々としながら歩く旅はネパール以外ではできない経験です。日記の中にも出てきましたが、いつになるかわかりませんが、アンナプルナなどの他の地域にも機会があれば行ってみたいと思っています。それぐらい深い経験ができるエベレスト街道(もしくはネパールトレッキング)に、この日記を通して興味を持っていただければ幸いです。