怒濤の入試漢字【書き取り1734問】(201~250)

1 怒濤の入試漢字201~250

201 マジュツ師のトリックを見破る。
202 恒久の平和をキガンする。
203 祖母がタンセイ込めて作った漬物は絶品だ。
204 バンユウを振るうことと勇気を出すことは同じではない。
205 ゲンカクな両親のしつけのもとで育つ。
206 学級委員に指名されて彼はすっかりトウワクした。
207 ジマン話の多い人は嫌われる。
208 コキャク情報が流出した。
209 与党が提出した法案に野党はキョウコウに反対した。
210 趣のある田舎の情景に思わずカンショウ的になる。
211 その哲学者のシンエンな思想は理解しがたい。
212 彼の飼い犬は彼にジュウジュンだ。
213 その国の指導者は国民からスウハイされている。
214 彼は議員としてのキリョウに乏しい。
215 彼の行動はいつも我々にサイヤクをもたらす。
216 ザンシンな意匠の車を購入する。
217 著名な学者の理論をエンヨウして研究を進める。
218 久しぶりの再開に友と熱いホウヨウを交わす。
219 新興企業と業務テイケイを結び事業の拡大を図る。
220 営業部は顧客の新規カイタクを目指している。
221 二つにブンキした線路。
222 彼の説明にはセイゴウ性が欠けている。
223 ギョウコ点は物質によって異なる。
224 来場者に記念品をゾウテイする。
225 芸術と科学はタイキョクにあるものと考えられがちだ。
226 口頭発表後に聴衆からのシツギ応答に応じる。
227 都市のキンコウにマンションが林立している。
228 負債を抱えた企業の資産をトウケツする。
229 その少年は父親のキゲンをいつもうかがっていた。
230 専門家に評議会へのサンヨを依頼する。
231 愛とキボウに満ちた小説を読む。
232 ならず者を町からイッソウする。
233 甲子園で日本一のエイカンに輝く。
234 他者の文章を引用する際には必ずテンキョを示せ。
235 月は地球のエイセイだ。
236 災害の影響でその村落はコリツしている。
237 健康診断でレントゲンのサツエイをする。
238 彼は孤独に喜びを見出すというトウサク的な性質がある。
239 政治的なカクシン犯を検挙する。
240 不景気で会社のギョウセキは悪化の一途をたどった。
241 ワレモノの発送にはカンショウ材が必要だ。
242 漱石の文章が私の心のキンセンに触れた。
243 環境破壊を食い止めるホウトを模索する。
244 その数学者の論文はセイチを極めていた。
245 国際政治のありかたについてホウカツ的に議論する。
246 低気圧が太平洋側にテイタイしている。
247 セイコウな造りの模造品が出回っている。
248 日本円を外国のシヘイに交換する。
249 友達の披露宴のショウタイ状をもらった。
250 父の一言で母の機嫌がソコなわれた。

2 補足解説

2-1 「強硬」と「強行」の区別

強硬=自分の主張や意志を強く通そうとするさま。妥協しないさま。【形容動詞】なので、「強硬だ」「強硬な」「強硬に」という形で使う。

例文) 「強硬に反対する」「強硬な態度をとる」

強行=無理を押して思い切って行うこと。【名詞】もしくは【複合サ変動詞】として使う。

例文) 「ストライキを強行する」「反対を押し切って強行する」「強行採決」「強行突破」


念のため、確認テストだよ。

① コロナウイルスの影響による自粛要請が出ている中、イベントをキョウコウした。

② その国は経済制裁に対してキョウコウな措置をもって対抗すると声明を出した。


答:①強行 ②強硬


2-2 「器量」の多義性

器量=①才能、人徳、資質、人としてのうつわ(=ability)
   ②容貌、顔立ち(主に若い女性について)(=looks)

①の例文 「その上司はリーダーとしての器量に欠けている。」
②の例文 「父いわく、母の最初の印象は「器量良し」だったそうだ。

 なお、②に関連して「器量は当座の花」(女性の顔の良さは確かに重要だが、その美しさは短い期間だけのものだ→女性を選ぶ際には顔よりも性格を重視すべきだ)ということわざもあります。

 しかし、②の意味の「器量」はいかにも男目線な意味合いですね。男子諸君よ、あまり使わない方がいい言葉かもしれませんね。


2-3 「倒錯」は現代文の記述問題の花形

倒錯」の原義は、〈逆さまになること〉。ここから、転用的に、

〈普通のあり方とはずれていること〉
〈社会常識に照らして少しおかしいこと〉

を意味します。そして、この「倒錯」という言葉は評論文の筆者たちからとても人気の高い言葉なのであります。普通のあり方からずれている、というのを「倒錯的だ」という一言でかっこよく表現できるからでしょうね。
 実は、「倒錯」「倒錯的」は評論文ではしばしば傍線部が引かれて、「どういうことか説明せよ」という問題になります(現代文の作問者ならば、本文中に「倒錯」があれば十中八九設問化します)!
 説明のお作法として、「倒錯」のニュアンスを出して説明しなければならないので、

① 普通のあり方は?
② 普通からどのようにズレているの?

という観点から本文をしっかり分析していくことになります。①・②の作業ができたならば、あとは説明の型に落とし込むことになります。

たとえば、

〔本来~①~〕であったはずなのに、[―②―]になってしまっていること。

などという形です。

漢字問題の例文を使って説明するならば、

① 普通のあり方→孤独は寂しい
② どのようにズレているか→孤独に喜びを感じる

解答:本来孤独は人に寂しさをもたらすはずなのに、彼は孤独に喜びを見出しているということ。

と説明してやるわけです。

 このように、現代文では、傍線部中の言葉の意味をしっかり押さえておかないと手も足も出ない問題が出ることがあります。「倒錯」もその例でしょう。意味を知らなければ説明なんかできるわけもないですから。
 現代文の学習は、「読み方」や「解き方」の前に(実はそんなものはないと私は思っていますが、この点はまたいずれお話しします)、語彙の習得という段階をしっかりと踏まねばなりません。皆さんもこの怒濤の入試漢字を通して語彙力までも身につけていきましょう。

では、今回の解答は↓からどうぞ。


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