怒濤の入試漢字【書き取り1734問】(101~150)

1 怒濤の入試漢字101~150

101 父は休日は一日中ショサイに閉じこもっている。
102 当選後も公約をツラヌく政治家は稀(まれ)だ。
103 現世リヤクを特徴とする仏教宗派。
104 違法営業の店を警察が一斉にテキハツした。
105 彼女はビショウをたたえてたたずんでいる。
106 人気商品に注文がサットウしている。
107 母は過酷な運命をカンジュして生きた。
108 北海道は夕張のセイチョウな空気に心洗われる。
109 橋の下で哲学的思索にチンセンする。
110 日本画は色彩にトボしいといわれる。
111 彼の余計な一言で怒りがゾウフクした。
112 異国ジョウチョあふれる町並み。
113 左足からお風呂に入るのが僕のリュウギだ。
114 同種企業が淘汰され、カセン化が進行しつつある業界。
115 読書家の彼はハクシキで通っている。
116 二時間タイキュウマラソンに参加する。
117 日本文化は長い伝統のショサンとしてある。
118 会社の収益を見直して、無駄をサクゲンする。
119 経済的事情をコウリョして授業料を減免する。
120 父は来月でカンレキを迎える。
121 そのラーメン屋の親父はガンコ一徹だ。
122 グローバル化で新しい国際秩序がゲンゼンしつつある。
123 権力者による専制政治はいずれフハイする。
124 明治時代のケイモウ思想家について調べる。
125 事件の鍵を握る重要人物とセッショクする。
126 その批評家は教育問題についてカッパした。
127 メソポタミアは肥沃(ひよく)なドジョウで知られていた。
128 つまらぬサイクをしたところで意味がない。
129 自然のモウイに直面して科学の無力さを実感する。
130 行楽シーズンなので高速道路は大ジュウタイだ。
131 問診票のガイトウ項目にチェックを入れる。
132 危険を冒して渡航危険地域に長期タイザイする。
133 古代ギリシャのドレイ制について研究する。
134 自然のセツリに従うことを旨とする宗教。
135 「無くて七クセ」とはよく言ったものだ。
136 地盤沈下のチョウコウが現れる。
137 「万物は生成ルテンする」とヘラクレイトスは言った。
138 先月コウニュウした掃除機が早くも壊れた。
139 将来をショクボウされた若きピアニスト。
140 新しいアイドルグループがキャッコウを浴びている。
141 冷戦がシュウエンを迎えたのは1989年のことだ。
142 カソ化の進行が深刻な地域の活性化を図る。
143 マニフェストのコンカンを成す政策。
144 両者の間に決定的なキレツが生じた。
145 旅行先でノウミツな時間を過ごした。
146 その論文は論理がシュビ一貫していない。
147 その兵士は捕虜に残忍かつレイコクな暴行を加えた。
148 そのタレントは怪しい宗教家にシンスイしている。
149 一方的なイメージを相手にトウエイする。
150 学校のフウキが乱れないよう校則を厳しくする。

2 補足解説

2-1 利益(リエキ/リヤク)

「利益」には読みが二通りあるよ。

① リエキ
 これは皆さんがよく知っている読み方ですね。〈儲け・利潤〉などを意味する場合はこの読み方です。

② リヤク
 この読みは「ご利益(リヤク)があると評判のお守りを買う」のように、〈神仏の力によって与えられる恵み〉の意味で用います。問題例文の「現世利益」もゲンゼリヤクと読む仏教用語です。読経(どきょう)や念仏することによってもたらされる、この世(現世)での神仏の恵みのことを意味します。

2-2 甘受

 次の空欄に当てはまる言葉はどちら?

 ① 科学技術の恩恵を{享受 or 甘受}する。
 ② 論敵からの批判を{享受 or 甘受}する。

 享受も甘受も〈何かを受け取る〉という大まかな意味合いは同じなので、どちらも入るのではないかと思った人がいるかもね。しかし、両者には大きな意味の違いがあるよ。

 「享受」 精神的な利益・物質的な利益を受け取ること
 「甘受」 好ましくないことをそのまま仕方なく受け入れること

(参考)
「享受」=「享」も「受」も〈受け取る〉の意
「甘受」=「甘」は「甘んじて~する(仕方なく~する)」の意。

 それでは、もう一度問題を見てみよう。これでもう解けるはずだよ。

  ① 科学技術の恩恵を{享受 or 甘受}する。
  ② 論敵からの批判を{享受 or 甘受}する。



 答:①享受 ②甘受 だね。

 実は「享受」と「甘受」の区別は、とある大学の入試問題でも出題されたことがあるんだ。なんとなく意味を覚えるのではなく、熟語を構成する漢字を一字一字分解して、その意味を押さえることが大切ということだね。

2-3 還暦

 「還暦」っていう言葉はみんなも聞いたことがあるよね? 60歳になることを「還暦を迎える」と言うよね。では、なぜ60歳を「還暦」と言うのだろう?

 日本では古来、「甲乙丙丁……」の「十干」と、「ね~うしとらう~たつみ~」でおなじみの「十二支」とを組み合わせた「十干十二支(じっかんじゅうにし)」、つまり「干支(えと)」を使って暦や時間や方位を表していた。たとえば、私は1984年生まれなので、「甲子(きのえね)」の生まれ、2003年生まれの人は「癸未(みずのとひつじ)」の生まれということになる。さて、この「干支」は60種類あって、60年経つと自分の生まれた干支に「還る」、つまり「還暦」を迎えるというわけだ。
 今では占いなどを除いては干支を使用することは日常生活ではまれだけど、「還暦」をお祝いする文化は日本文化の中にしっかり残っているね。赤いちゃんちゃんこを60歳になったおじいちゃんおばあちゃんに贈るというアレだね。

 ちなみに、長寿のお祝いには続きがあります。

 70歳=古稀(こき)
 77歳=喜寿(きじゅ)
 80歳=傘寿(さんじゅ)
 88歳=米寿(べいじゅ)
 90歳=卒寿(そつじゅ)
 99歳=白寿(はくじゅ)
 100歳=紀寿(きじゅ)百寿(ひゃくじゅ)

 それぞれの名称の由来はとても面白いものだから、自分で一度調べてみてね。

 さらに、中国の思想家・孔子の『論語』には、孔子が自らの人生の来歴について語った次のような言葉もある。とても有名だから触れておくことにしよう。
 
吾十有五にして学に志す 私は15歳のときに学問によって身を立てようと決心した。

三十にして立つ 30歳になって学問の基礎ができて自立できるようになった。

四十にして惑わず 40歳で心の迷いがなくなった。

五十にして天命を知る 50歳で天が自らに与えた使命を悟った。

六十にして耳順(したが)う 60歳を迎えて、耳に入ってくる言葉はどんなものでも受け入れられるようになった。

七十にして心の欲(ほっ)する所に従えども、矩(のり)を踰(こ)えず 70歳になると、自分のしたいようにしても道を踏み外すことはなくなった。

 ここから、

 15歳=志学(しがく)
 30歳=而立(じりつ)
 40歳=不惑(ふわく)
 50歳=知命(ちめい)
 60歳=耳順(じじゅん)
 70歳=従心(じゅうしん)

と呼ぶようになった。私立大学では、空欄補充問題になることがたま~にあるので、しっかり覚えておこう。

今回の解答はこちら↓からどうぞ。


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