自信

「私、自分に自信が無くて…」

「俺、自分のこと大好きなんで!」


こんな人を見かける度に僕は疑問を抱く。

「自分への自信って?」「自分に好き嫌いってあるの?」

煽りとかではなく、シンプルな疑問だ。


何かを考える主体を「自我」だとしよう。「自分に自信がない」「自分が好きだ」という考えは、自我と自分との間にある程度の距離が無いと成り立たないと思う。。そもそも人生で最も長く、生まれて死ぬまで付き合うのは他でもない自分だ。離れようと思って離れられるものではないし、もっと今以上に親密になろうと思っても無理だ。


偉そうなことをつらつらと書いたが、元々こんなこと考えたことも無かった。冒頭のようなことを言う人は、「自分のことがちゃんと見えている高尚な人だなぁ」くらいに思っていた。

しかし大学生になってすぐの頃、あることに気付かされた。きっかけは「私は自分に自信がないから、自分にお金を使うのに躊躇する」と友人に言われたことだった。

僕はエンタメが好きで、良いと思ったものには正当な対価を払う。そんな話をしていると、「自分に金をかけたくない」と言われたのだった。

僕はそんな考えを持つ人がいることが衝撃だった。いい歳をして初めて、世間の人は自我と自分の間に距離があるのだと気付いた。一方僕はどうだろう。恐らくだが、自我と自分が寸分の狂いも無く、ぴたりと重なっているのだろう。


自分と自我の距離が近いほうが良いとか、遠いほうが偉いとかの話をしたいのではない。ただどっちのタイプもいるし、詳しく見るとその距離は人それぞれ。それが念頭にないと、考えが食い違うのでは?と考えた。というお話。

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