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夜が昼になるための奇想曲


深夜のツイッタランドで、マエストロはこんな主題を鳴らした。

さあ、演奏会の始まりです。


マエストロ ぼんやりRADIO
楽団員1 穂音(ほのん)
楽団員2 秋谷りんこ
楽団員3 目頭あつこ 〈出演順〉


マエストロによる主題

道路の真ん中にスクーターを止めてスマホを弄ってる若者がいたので後ろからクラクションを鳴らしたら、少し振り返って「なんだよ!」と言って去って行った。知らないうちに世界は深刻な状況になってるのかもしれない。おやすみなさい〈ぼん 1:07〉


第一変奏


道路の真ん中にスマホをおいてスクーターを弄ってる若者がいたので後ろからクラクションを鳴らしたら、少し振り返って「よんだな!」と言って去って行った。知らないうちに世界は深刻を通り越してしまったかもしれない。おひるでやんす〈ほのん 11:00〉


第二変奏


スマホの真ん中にスクーターをおいて道路を弄ってる若者がいたのでクラクションを鳴らしたら少し振り返って「読んだよ」と言って居座った。知ってると思うけれど世界はもう裏返っているのである。午前と午後の境目〈りんこ 11:42〉


第三変奏


道路の真ん中にクラクションをおいて世界を弄ってる若者がいたのでスマホを鳴らしたら少し振り返って「詰んだよ」と言って笑いはじめた。知ってると思うけれどスクーターはもう裏返っているのである。お昼ごはんに行きたいな〈ほのん 13:13〉


ほのん楽団員がぽそっと漏らした「蜃気楼」を、りんこ楽団員は聞き逃さない。

時系列がズレるのは、時間軸の歪みが生じてきたためです。


主題の転回


蜃気楼の先に進むと道路の真ん中にスクーターを止めてスマホを弄ってる若者がいたので後ろからクラクションを鳴らしたら、少し振り返って「なんだよ!」と言って去って行った。知らないうちに世界は深刻な状況になってるのかもしれない。一周まわって午後になりました〈りんこ 13:10〉
僕の真ん中に世界を置いて蜃気楼をのぞく若者がいたのでスクーターで乗り込んで「見んなよ」と言ったら少し振り返って泣き出した。知らないことのほうが多いけれど、クラクションとスマートフォンは鳴り止まないんだよ。お昼ごはんを召し上がれ〈りんこ 13:19〉
世界の真ん中は蜃気楼でクラクションも届かない。それでも覗こうとする若者がいたのでスクーターで近づいて「乗りなよ」と言ったら少し振り返ってスマホをくれた。知らないと思ってたけど、案外わかってるのかも。まだお昼に行けない〈ほのん 13:51〉
蜃気楼の真ん中でスマホを置いたら若者がやってきて覗こうとしたのでクラクションを鳴らした。スクーターにまたがって見ていたら「そっちの方が反って蜃気楼じゃないか」と言う。「なんだよ!」知らない間に世界はひっくり返ったのかも知れない〈あつこ 14:54〉

マエストロは、落語「あたま山」を感じたらしいです。

楽団員一同「へえええ」


マエストロによる最終楽章

後ろからクラクションを鳴らしたら、少し振り返って「どうぞ」と言って若者がスクーターごと真ん中から二つに分かれて通してくれた。まともな世界とはこうあるべきだと思えた昼下がり〈ぼん 14:16〉


🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 


楽団より、本日の演奏内容について一言

マエストロぼん 「その後設定もしていないカーナビの案内に従って行った先は…  カーナビが何かを「読み込んだ」のでした」

これは新たな主題だろうか。

あ、ぼんさんのお昼はカレーだったそうです。

ぼん カレー

     ぼん カレー



ほのん楽団員 「お昼食べたんか、というご心配の声がありましたが、冷やし中華いただきました」



りんこ楽団員 「いろんな分岐点があってパラレルワールドみたいになってそう♡」



あつこ楽団員 「芥川龍之介、蜃気楼のオマージュ」



パガニーニ作曲「24の奇想曲(カプリス)」
その一部をハイフェッツの演奏でどうぞ。



お気持ちありがとうございます。お犬に無添加のオヤツを買ってやります。