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七夕の短冊に見る行動の生起頻度

地元の小学生が七夕の短冊に願い事を書いています。
「仮面ライダーになりたい」とか「クロールができるようになりたい」とか、ほほえましい短冊がたくさんある中で、ここ数年増えているのが
「お金がほしい」
と書かれた短冊です。
それを10歳前後の子供が書いてるのだから結構な衝撃です。

七夕の短冊だけでなく、こういった願いが叶う系作業は昔からありますが、私はただのおまじないではなく、根拠のある行為だと思っています。
流れ星を見たら願い事を3回お願いするとか、毎日トイレ掃除すると仕事運が上昇するとか。
これらの行為は、
【日頃の意識の強さが表れる】
のではないでしょうか。

例えば、流れ星という一瞬の現象の最中に3回も願い事を繰り返すためには、日頃からそのことを強く意識していないと反射的に出現されないでしょう。
つまり、それだけ強い意識は、その願望を叶えるための日常の行動に反映されるはずですから、結果として願いが叶いやすいというわけです。
同じように、仕事運を上げるために毎日トイレ掃除をしている人は、常日頃から仕事への意識が強いわけで、その強い意識は結果として良い仕事に反映される。だから仕事運が上昇したように感じる→毎日のトイレ掃除のおかげだ
というシステムではないかと考えられます。

スポーツの練習、ピアノの練習など日々反復される行動は、脳から筋肉への指令伝達速度を早め、特定の刺激を受けたときに意識するより早く反射的に行動が出現するようになります。

これは愛犬の問題行動もおなじで、行動の選択順位は行動の生起頻度に比例します。
つまり、例えばある特定の刺激に噛みつく行動をとる犬は、異なる刺激を受けた際にも噛みつくという行動を選択する頻度が高まるということです。
そして、その行動が出現されるかぎり、その行動の選択順位は高い位置で維持され続けますから、次に刺激を受けた際もその行動をとるという悪循環に陥ります。

よくドッグトレーナーが「問題行動が起こらない環境をつくりなさい」というのはこのためです。
ターゲットとなる行動を出現させる必要の無い環境をつくり、ターゲット行動の生起頻度を下げます。
生起しない行動は生起する行動よりも行動の選択順位が下がります。脳の神経伝達速度が遅くなります。
結果、問題行動の出現順位が下がるというわけです。
技術のあるドッグトレーナーなら、同時進行で脱感作トレーニングや対立行動の強化等を施し、問題の根治をはかります。

動物の行動はその個の機能と機構をはじまりとし、環境の変化の経験(行動の結果)で成り立っています。その行動が表出するには、その行動を表出させるべく強化されてきた環境履歴があるわけです。
そして、行動強化の背景には自身への好都合なフィードバックが存在します。
つまり、思考は嗜好と置き換えられます。

小学3年生の純粋なお願いを
「お金がほしい」に形成した環境履歴を考えると、なんだか世知辛いなぁと思ってしまうのです。

ここ数年で「お金がほしい」と「YouTuberになりたい」の短冊は増えましたが、中には↓↓

こんな願いが書かれた短冊もあるわけで。
この願いは、この子の思考の上位にあるのではないでしょうか。
少なくとも、この願いを短冊に書かせた環境履歴が間違いなくあるわけです。

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