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英国でのアメリカンブリーXLの新規制

イギリス🇬🇧で新たな規制により、アメリカンブリーXLは公共の場でリードをつけ、マズルを装着することが義務付けられました。

2023年にこの犬種による16件の死亡事件が記録され、2022年の6件の死亡者の倍以上となりました。1991年から2021年まで、この数は5件を超えることはありませんでしたが、犬による攻撃全体の件数も急増しています。
この数値は、国家統計局のデータによるものです。Independent紙がイングランドとウェールズの警察から入手した数字によると、過去5年間でほぼ60%増加しています。
このIndependent紙の報道後、今回の規制へと繋がりました。

2024年2月1日以降、イギリスでは証明書なしでX アメリカンブリーXLを所有することは違法となります。
この犬種の繁殖、販売、放棄などが1月31日をもって違法化され、飼い主は免除証明書(犬を飼育するためのライセンス)の申請を求められました。
免除証明書を取得するために、飼い主は自分のアメリカンブリーXL が2023年6月30日までに去勢されていることを証明しなければなりません。
もし子犬が1月31日までに1歳未満である場合、それは2024年末までに去勢されなければならず、その証拠が提出されなければなりません。
免除を求めるアメリカンブリーXLの飼い主は、その動物を去勢するだけでなく、申請手数料を支払い、ペットのための有効な公共責任保険を持ち、犬にマイクロチップが挿入されていることを正面しなければなりません。
愛犬が危険な状態になると、飼い主は最大14年間の懲役と動物の所有権を禁止され、その犬は殺処分されます。

アメリカンブリーXLよる死亡事件が増加しており、犬による攻撃全体の数も急増したことで、政府は迅速な行動を取ることを約束し、新しい規制を導入しましたが、英国王立動物虐待防止協会などの動物愛護団体は犬種を禁止にすることが解決策ではないと警告し、救助センターや獣医師が対応できなくなるリスクがあると述べました。
チャリティーの犬の福祉専門家であるサマンサ・ゲインズ博士は、「XLブリーの禁止は多くの犬にとって破壊的であり、世話をしてきた犬とのつながりを持つ救助センターのスタッフ、犬の行動にリスクがない健康な犬を安楽死させるよう求められる獣医チームにも大きな影響を与えています。」と述べています。

ADCHは放棄率の増加を警告し、新しいルールが地域ごとの偏りを生み出す可能性があると述べました。

政府は、XLブリー犬の既存の人口を安全に管理しつつ、最終的にはこの犬種を禁止するという目的で、段階的なアプローチを取ったと述べています。

スコットランドの動物慈善団体が、新たな禁止措置が施行される前に、4匹のXLブリータイプの犬の里親を緊急に募集しています。
新しい禁止令は2月23日に発効予定であり、その後、これらの犬を里親にすることは違法となります。
その為、締め切りまでに里親が見つからない場合、安楽死される可能性があります。この犬たち、パディントン、レックス、プラリン、そしてダッチェスは、行動を評価され、マイクロチップが埋め込まれ、去勢手術が施され、健康であると認定されました。安全な庭を持つ里親を探しています。

動物愛護団体は、犬の品種よりもその行動に焦点を当てることを呼びかけ、危険な犬に関する法律の更新を求めています。

アメリカンブリーは、1980年代後半にデイブ・ウィルソン氏によって作出された、犬種です。かつて闘犬として使われていたアメリカンピットブルテリアがルーツと言われています。
アメリカンピットブルの凶暴な一面を犯罪などに悪用する人たちが現れてしまったため、攻撃性を改良して家庭犬として作り出されたのがアメリカンブリーです。
JKCなどにも犬種として公認されておらず、アメリカンピットブルテリアの一種として扱われることもありますが、まだまだ歴史も浅い犬種の為、わからない部分も多くあります。

今回のイギリスで起きていることを知り、皆さんはどう思いましたか?
私は犬種による差別はすべきでないと思います。
ですが、同時に犬の性質はブリードに影響するものだとも思っています。
例えば、チワワと聞いた時、日本の皆さんは小さく愛らしく、目の大きい姿を思い浮かべるでしょう。
ですがメキシコ原産のこの犬種は自己主張、正義感が強く、闘犬にも立ち向かっていく強さを備えています。
そのような性質を知らずサイズだけ見て購入した飼い主が、小さな小さなチワワに散歩中振り回されている姿を何度も見たことがあります。
そのように、犬種を選ぶ場合、必ず自分が求める犬種にはどのような背景があり、どのような理由で改良され、どのような性質を持っているのかを勉強した上で迎える責任が必須だと思います。

ペットショップやブリーダーはその犬の良いところしか言わないでしょう。
"小型犬は散歩が必要ない"と言われたことはありませんか?ダックスフントは穴熊を狩る為の猟犬です。プードルも鴨狩りの猟犬です。運動量が必要なのは安易に想像ができます。
誤った知識、勉強不足の上に見た目の好みや嘘情報をもとに犬を飼ったがために苦労している人は沢山いるのではないでしょうか。

だからこそ、どのような犬種を迎えても全ての責任は飼い主、人間側にあると思います。
その人間達が無責任であるばかりに、禁止される犬種が生まれてしまうのです。

今回のニュースを見た時に"アメリカンブリーは怖い犬種なんだ!"と思うことは大きな間違いです。
今回のニュースは"また無責任な人間のせいで、罪のない犬が犠牲になった。"という事実です。

2024年になっても、犬に関する人間のリテラシーはなかなか向上しません。
犬は日々、人間と共存する為に進化しているのに.....

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