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14.アミノ酸サプリメント

WDA(WIZ-DOG ACADEMY)が行っているWIZ-DOG LABOでは、老犬の後肢機能の維持プロジェクトを実施していて、その中でたんぱく質合成のためのサプリメント2種類を試しています。

以前も書きましたが、基本的にイヌの健康維持にサプリメントは必要ないと考えてはいるものの、高齢犬になったらたんぱく質を合成する細胞の力も衰えてくるのではないか、との強迫観念から、サプリメントの加勢に期待しているものです。

プロジェクトで使用しているアミノ酸サプリメントは「明日も走ろっ。」というコラーゲンペプチドと「ホエイプロテインHタイプ(WPH)」の2つ。事前に定めた量をタイミングをみて与えることとしています。

コラーゲンペプチドは、非必須アミノ酸に注目したもの。プロジェクト開始以前から与えています。非必須アミノ酸は体内で合成されるから経口摂取する必要のないアミノ酸とされています。しかし、この「体内で合成できる」という言葉がクセ者で、高齢になってもその力が残存しているのかどうかは甚だ疑問。「体内で合成できる」のはなぜか? それはそれだけ重要なアミノ酸だから……とも考えられるわけで、それだけ重要なアミノ酸が合成できなくなると、必要となるたんぱく質も合成できなくなる、そういった強迫観念から与えています。アミノ酸は、筋肉や骨、皮膚などに限らず、ホルモンやサイトカインなどの情報伝達物質の合成にも必要です。つまり、必要なたんぱく質が合成できなくなるとカラダの恒常性は保たれなくなるリスクが高くなると思うのです。

WPHは、このプロジェクトで新しく採用した筋肉合成能を高めるためのサプリメントです。筋力強化を目指したプロジェクトですので、本来ならBCAAを与えたかったのですが、BCAAは苦く、何かしらの味付けをしないと飲めたものではありません。しかし、イヌがちょっとごまかしただけで飲んでくれるかどうかは疑問だったため、苦みがないプロテイン、それも筋肉合成能が高いとされているホエイプロテインをトレーニング後に摂取させることにしました。ホエイプロテインは牛の乳からできていますが、イヌの乳は牛の乳よりも乳糖含有比率が小さいため、乳糖不耐のリスクを考えて、WPCではなく乳糖不耐リスクの小さいWPHをチョイスしました。

これらのアミノ酸サプリメントがどれだけの効果を示してくれるのか、来月には途中結果を発表する予定です。運動や栄養に工夫を凝らして後肢の太さの変化や歩様の変化をみるためのプロジェクトですが、13歳7ヵ月のキャバリアと15歳5ヵ月のゴールデンレトリーバーで試していますので、現状維持がやっとかもしれません。


科学的思考を育てるドッグトレーナースクール ウィズドッグアカデミー

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