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2023年2月24日 大規模侵攻1年

2022年2月24日の早朝5時頃 爆発音に目が覚めてから1年が経ちました。1年経った今も寝る前に目を瞑ると、あの日の光景が目に浮かびます。

Kyivの長女の幼稚園の通園路には兵役中の若者たちが筋トレをしている運動場がありました。
彼らの移動時間に私たちの登園が重なっていて、私たち親子もまるで仲間のように兵隊さん達と並んで歩いていました。

毎朝顔を合わせるので挨拶をしたり、地下歩道の階段を助けてもらったりしました。
彼らは現役で訓練を受けていたので大規模侵攻が開始して真っ先に防衛に参加したのだろうと思っています。私が知っている彼らは軍服を着ているけど、中身は眩しい青春時代を過ごす、ごく普通の好青年たちでした。しかし2022年2月24日を境に彼らとその関係者の人生は大きく変わってしまったことと思います。

私もこの一年間、彼らのことを考えない日はありません。

私たちの家はちょうどKyiv攻防の「分岐点」にありました。
「Kyivの街は破壊されていない。だから戦争は偏向報道である」という主張をたまに拝見します。
でも、確かに我が家の最寄りの大通りには戦車の通った跡があり、隣の区間のマンションは破壊され、中心部と反対側に進むと窓ガラスが割れた住宅、破壊された戦車がありました。
そして、ウクライナのお墓にはたくさんの英雄たちが眠っています。
そしてKyiv州では多くの民間人が犠牲になっています。
別の街も大きな被害があり、今なお命の危機にさらされている人たちがいます。

自分達が助かった背景にはたくさんの尊い命の犠牲があります。私たちはその重みを背負ってこれからの人生を歩んでいくことになります。
そして生きている人たちも多くの苦しみを抱えています。
私たちの人生は破壊され、もう「元通りの生活」を送ることはできません。

ウクライナの戦いは「命のために降伏したらいい」なんて簡単な問題ではなく、自由と民族や国家の存続、国際秩序の戦いです。

ウクライナって遠い国のことだし...と思う方もいるかもしれません。でも、もう一つの当事者であるロシアは日本の隣国です。
「侵攻したら領土を奪うことができる。虐殺、略奪、誘拐、性的暴行も罪に問われない」という前例を隣の国が作ろうとしている。それってとても恐ろしいことではないでしょうか。
どうか目を背けずに、共通の隣国であるロシアが何をしているか知って欲しいと思います。

ウクライナで起きていることを知ってください。

日本の隣国であるロシアが何をしているかを知ってください。

1年前との変化について、
ウクライナの国や私自身の気持ちの変化はもちろんですが、それ以外に思わぬ変化もありました。
すごいスピードでウクライナの文化が日本で広まっている。大きな力となって日本でウクライナ文化が受け入れられている。
このことにはとても驚いています。支えてくださる皆様のお力に心から感謝申し上げます。

ウクライナは物理的にも精神的にも復興に時間がかかります。
それでも日本でウクライナ文化が定着し、両国の友好がさらに深まることは何よりも心強いことだと思います。
ウクライナ人は漫画やアニメ、お寿司に日本車、いろんな面で日本が大好きです。
ウクライナ人と結婚している私は自信を持って「ウクライナ人と日本人は気が合うから仲良い友達になれる」と思っています。
何より私はウクライナが大好きです。

どうか、引き続きウクライナの応援をどうぞよろしくお願いします。

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