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日本の終戦記念日を前に思うこと

こんにちは、いつも応援ありがとうございます。

日本人の私は子供の頃から「8月は戦争や平和について考える月」という感覚が身についています。実際、「もうすぐ日本の終戦記念日だから」ということでウクライナに関することや私の経験についてお話をさせていただく機会が何度かありました。

「原爆」「終戦記念日」「戦争について」「平和について」・・・

色々考えることもあるし、伝えたいこともたくさんあるけれど、私の中ではまだ現在進行形の問題で、
今、こうして記事を書いている間にも、ウクライナでは人々が傷つけられ、命が失われ、ロシア軍による残虐で無差別な攻撃が続いているため、うまく言葉で表すのはとても難しいです。

「平和ってなんだと思いますか?」
・子供達が、太陽の下でのびのびと走り回り、公園に笑顔が広がること。
・幼稚園や学校で友達と遊び、学ぶこと。
・家族や友達と買い物を楽しんだり、お誕生日をお祝いすること。
・「子供達の将来の夢」が自由で創造力に溢れたキラキラした夢であること。
・休日にちょっとのんびり寝坊すること。

【戦争で失われたもの】
・子供達が、太陽の下でのびのびと走り回ること。
・学校で学ぶ時間、教育機関の建物そのもの
・一緒に買い物に行く家族や友達。
・子供達の「命」「夢」
・安心した睡眠

人々の命、家、財産だけでなく、「当たり前の日常」が奪われたと私は思っています。そして平和というのは「何気なく過ごしている毎日」のことを言うのだと思います。

【戦争について】
日本には「国のために命を捧げる」ということに異議を唱える方も多いです。私も当事者にならなければ、日本の平和教育で学んだように「国のために戦争で命を落とすなんてダメなことだ」とぼんやり思っていたかもしれません。

でも、ウクライナ人は戦争を望んでいるわけではなく、次の世代の未来を守るために戦っています。
そうしなければならない理由があるからです。

ウクライナ人が諦めたら、どうなる??
ロシアに支配された地域はどうなるか。

モスクワでは「戦争反対」という文字を掲げるだけで逮捕されています。

ロシア軍は占領した地域で、レイプ、略奪、虐殺など、悪魔の仕業だとしか考えられないようなありとあらゆる悪行を繰り返しています。

SNSに誇らしげに自らの戦争犯罪の証拠をアップするロシアの兵士...

こんな残忍な犯罪をどうして行うことができるだろう・・・
どうして命の大切さを理解していないのだろう・・・
考えても考えても、私にはロシアの考え、行動を理解することができません。

ロシアはウクライナの支配地域の学校で「ロシア式」の教育を強要していますが、私はウクライナの子供達に、そんな恐ろしい人たちが考えた教育を受けさせたくありません。

ロシアの支配を受け入れることは、
・女性や子供達がレイプに怯え、心の傷を負い、残酷に殺害されることを容認すること。
・力の強い人が弱者から奪う社会を受け入れること。
・自由に考え、発言することを禁止すること。
・子供たちに「他国を侵略する兵士」としての教育を受けさせること。


ウクライナ人に「人の命が大切だから抵抗するな」と説くのであれば、ロシア軍の攻撃が止まるだけの強い制裁でロシアの軍事攻撃を止めるしかありません。
しかし国際社会はいまだにロシアを止めることはできていません。

「自分が戦う理由は次の世代が戦わなくていいように」
ウクライナ兵の言葉です。

【戦争が今後どうなってほしいか。】
まず何より、国際社会の枠組みの中で、ウクライナ人が自由に考え、自由に議論し、自由に決定する環境を取り戻すべきだと思います。

つまり、ロシア軍のウクライナ全土からの撤退。それがないことには、市民の安全を守りながら議論をすることができません。

ロシアは暴力に支配された状態で、占領地域で住民投票を行おうとしていますが、
「住民の意思」を確認するのであれば、まずはロシアが撤退し、支配を解除し、人々の安全が守られた上で議論をする必要があると考えます。

そもそも、「ウクライナ政府がロシア語、ロシア系住民の弾圧している」という日本でたまに目にする情報はロシアが流した偽のプロパガンダです。
長女の幼稚園のお友達は半数以上がロシア語を話す家庭です。街中で買い物していてもロシア語がたくさん聞こえますが、特にお互い気にせず、相手とのコミュニケーションが取りやすい言語を使って会話をしています。

「自国の文化や言葉を大切にしよう」
という日本では当たり前のことをウクライナ政府が掲げているだけなのに、
ロシア政府は「ウクライナはロシア系住民を弾圧している」というプロパガンダを流しています。

しかし、私が避難電車の中で一緒の時を過ごした人たちの大半はロシア語を話す住民でした。
ロシア語を話す人たちがロシアにより家を追われ、悲しみの表情で難民としてウクライナ国外に避難しています。

「まずは住むところを追われた人が安全に自宅にもどり、自由に発言することが許されるようになる。」 まずはそこから。

【ウクライナ支援】
ウクライナの人たちは、日常生活においても避難の際にも、外国人の私にとても親切に助けてくれました。
発展途上国で不便なことも多いですが、ちょっとお節介なくらいの人の優しさが、不便なことをカバーしている国だなと思っています。

今、ウクライナには心身共に傷ついた人たちで溢れています。

手足を失い怪我をした人たちのためにも、ユニバーサルデザインの国づくりが必要です。ウクライナの被害状況を考えると、世界中からのサポートが必要になりますが、ウクライナ人の本来もつ思いやりあれば、きっと優しさに溢れた国として復興すると信じています。

一方、ウクライナ人の心の傷、憎しみは簡単には消えません。
あまりにも残酷なことが起こりすぎているのでサポートする側は「憎しみの心を持つこと」を否定せずに、その感情を受け入れてほしいなと思います。憎しみの感情は心の傷の表れです。

誰だって本当は憎しみの気持ちを持ちたくない。そんな感情を持つことが辛いんです。
「辛かったね」と気持ちを受け止め、支えることにより、新たな悲劇を防ぐことができると信じています。長い年月がかかるけど、傷ついた心が人の優しさによって癒える日が来ると信じています。

そして、ウクライナ人の親として、私も少しでもウクライナ人が幸せになる手助けになるよう、ウクライナの魅力を伝える活動を続けていきたいと思います。

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