手を出していないもの

なんだか久しぶりに書く気になったものですから。

好きなアーティストの作品でも、なんとな~く手を付けていない作品がある、というオーケン先輩の「のほラジ」から、自分の手を付けていない作品はなんだろうな~と思い、書いてみようと思ったわけです。

まずね、ワタクシ、オーケン先輩の「特撮」というバンドのコピーバンドをやってるわけなんですがね、実はその「特撮」自体をちゃんと聴き始めたのって「5年後の世界」が出るちょっと前ぐらいだったと思うんです。

いや、これこそ「手を付けてない」ってヤツなんだけど。
やはり「筋肉少女帯」の大槻ケンヂ氏を長年見てきたわけですよ。
それがいつのまにか解散?のような状態になっていて、気付いたら「特撮」なんてバンド(当時はパンクチームなんて言ってたよね)に変わっていて、正直その変化についていけてなかったのね。
乗り遅れてしまった感があったとも言うのかな。

ズバリ言うと「筋肉少女帯」じゃない大槻ケンヂ氏には興味がない、的な。
そんな思いがあって「特撮」は手を付けてなかったんです。

で、筋少が復活。その頃になると、自分も年をとり、考え方もマイルドになり「特撮かぁ・・まぁ聴いてみよっかなぁ」ぐらいの感じになって、ツタヤでレンタルして見たんだよね。

たしか、その頃の自分はいろんなジャンルの音楽に手を出していたのね。
洋楽にも手を出してみたり、邦楽でも、絶対に聴かなそうなJ-POPだったり。だから、CDを買うまでには至らないけど、聴いてみようかな、勉強のために程度の感覚。
その流れで、特撮のレンタルを見つけて借りたんだ、たしか。

で、視聴機にCD入れて、あれはなんだったかなぁ・・・オムライズかな。
衝撃を受けたんだよね(笑)
「はぁ!?なにこれ!かっこいいんですけど!!!」

たぶん、いろんな音楽を聴いていたことが功を奏したのだと思う。
受け入れ態勢がバッチリ整っていたおかげで、特撮を難なく受け入れられたんだよね。もしかしたら、筋少ばっか聴いていたら、今でも受け入れられてなかったのかもしれない。
自分、音楽以外も「好きじゃないものは一切受け入れられない」人間なの。
勿体ないよね、こういう性格。
いや、今はだいぶ緩和されたかな。うん。年を重ねるって、いいことだよね。

で、その日借りようとしていた他のJ-POPは全部棚に戻して、特撮のCD全部借りたのよね。家に帰って、早速PCに取り込んで。
そこからはあれよあれよという間に、特撮ファンの出来上がりでした。

そして「5年後の世界」が発売されて、初の特撮ライヴに行って、泣いた。
かっこよかった。そして自分の受け入れられない非柔軟な、頭の固さを恨んだ。どうしてこんな良いものを今まで頑なに拒否していたんだろうか、と。

それは特撮に限ったことじゃなくて、J-POPしかり。
自分でバンドをやっていたあの時、常に行き詰まりを感じていた。圧倒的に音楽センスがないうえに、他者より圧倒的に音楽知識がなくて、対バン相手の人達の話についていけなかった。
もっと広い世界を見なきゃいかん!なんて思ってあれこれと手を出して良かったと今は思う。

随分と遠回りをしたけれど、結局自分の行きつく所は「大槻ケンヂ」という人物になるのだと実感した。再確認した。確信した。

その数年後、特撮コピーバンド「確変」を始めるきっかけにもなったし、たくさんの筋少ファン、特撮ファン、オーケンファンの人たちと繋がることにもなった。

そんな、我らの「特撮」は、今年で結成20周年だそうです。
中野ブロードウェイ3Fの「墓場の画廊本店」では、特撮20周年記念展が開催されています。
貴重な資料なども展示されているので、ぜひとも足を運んでいただきたい。
https://hakabanogarou.jp/archives/12951

特撮も墓場の画廊さんも大好きだから、関係者っぽく、関係者気どりで宣伝させていただく(笑)

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