上野の話

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おやすみだったから殿上湯の原さんに「上野の寿湯いいよ」とおすすめされたのを思い出して寿湯へ向かうことにした。

上野駅で降りるとガチャガチャブースが見えたので覗くと欲しかったガチャガチャがあった。3回目で欲しかったのが出た。喜楽湯で使おうと思う。

朝食がまだだったから駅中のパン屋であんパンを買って寿湯まで食べ歩きするぞと決めた。

が、降りたら上野動物園の文字が見えたから、上野公園で座って食べるか〜に変更した。

上野公園には制服を着た中学生がグループで公園散策をしていた。都内遠足って良いよな。

パンを食べてたら、じいばあのご夫婦がやって来て、ラジオ体操をはじめた。

大きい木の下で

あったけぇもんな〜と春の訪れを感じほっこりしていたんだが、なんかおかしい。じいがやっているラジオ体操が若干違う。ラジオ体操にこんな振り付けあったけ？と思わせる不思議な動き。肘をプロペラのように回しつつ屈伸とか、リズミカル上下パンチとか。

無知は怖いから現存するラジオ体操を調べてみたけど、該当しそうな振り付けがない。もどかしすぎてじいに聞いてみた。それはなんの体操ですか、と。
すると「ラジオ体操第一だよ」と言われた。

（ぜってー嘘だね！肘回しながら屈伸とかねぇよ！）

と思ったけど、横からばあ（あとでじいに聞いたら『嫁』とのこと）が「この人が私の健康のために考えた体操なのよ、それをこの人、『これこそ第一だ』って言うもんだから…」と照れ照れしながら話してくれた。

やあ！！！！！
ご夫婦オリジナルのラジオ体操ええじゃないですの！！てか、かわいいじいばあだな。

それ聞いたじい、照れ隠しなのか最後まで頑なに「テレビでやってる第一あれじゃ全然ほぐれないからな！！仕方なくな！！」と肘プロペラ屈伸しながら僕に説明してくれた。

じいばあに手を振って別れたあと寿湯に到着。

いい面構え

感想。導線がすごい。考える作業が少なかった。唯一は注意書きが１つにまとまっているわけではなく、ペラ1が足されたもの。塩サウナ室で『サウナ鍵無くしたら○○円』『サウナ鍵無しで入ったら○○円』が別であった。『注意！』とタイトルしたペラ1を新しく作ればより分かりやすい伝わるのかな〜と見ていた。

脱衣場へ2箇所から行き着ける。時計回りで通り抜けられる。

寿湯は長沼三兄弟の銭湯のひとつだけあり、あつ湯のところ、休憩スペースに特集記事があった。読んでいて「お客さんが笑顔になるのを見れるから得な仕事だ」といったニュアンスの文言を読み、以前なら「それはそうだけど辛いこと多いんよな」とか「綺麗事だわ〜」という、『業界にちょっと踏み入れた奴の、踏み入れた奴にしか分からないanyoneマウント』を取りがちだった。

でも今回は「やっぱり、でんぱ組につけてもらった『ととの湯』って名前で銭湯・サウナをやって『あのとき銭湯名を名付けてもらった者です。銭湯をはじめました』ってラジオで報告したいんだよな〜」と思った。前に「もっと自己利益のために生きていい」と言われたのもあって、もっと欲に対して愚直に生きていきてぇなぁと思った。