マガジンのカバー画像

平野啓一郎論

20
小説家平野啓一郎氏の長編作品の主要テーマである「存在、時間、死、記憶」を身体性を軸に読み解きます。特に氏の提唱する「分人主義」について、氏の作品に絡めて徹底的に理解します。
運営しているクリエイター

記事一覧

平野啓一郎論 第一章 分人とは何か 

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
7

平野啓一郎論 第二章 ㈠ 身体、時間、死、記憶

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
1

平野啓一郎論 第二章 ㈡ 身体、時間、死、記憶 追記

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
2

平野啓一郎論 第二章 ㈢ 不気味なもの

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
2

平野啓一郎論 第三章 ㈠ 身体、場所と言葉

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
3

平野啓一郎論 第三章 ㈡ 身体、場所と言葉

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
1

平野啓一郎論 第三章 ㈢ 身体、場所と言葉

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 このテキストは『平野啓一郎論』の第三章です。 場所の言葉第一章で述べたように、分人主義の核心は「個人は分割可能だが、他者との関係は分割できない」という点にある。 『決壊』の佳枝は、お腹の中の我が子に話しかける。約束を守って予定日にきちんと生まれてきてくれた我が子を自分の分身のように感じる。それは他者でありながら自分自身でもある。 繰り返すが「個人は分割可能だが、他者との関係は分割でき

平野啓一郎論 第三章 ㈣ 身体、場所と言葉

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
3

平野啓一郎論 第四章 ㈠ 固有名と属性

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
4

平野啓一郎論 第四章 ㈡ 固有名と属性

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
4

平野啓一郎論 第四章 ㈢ 固有名と属性

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前

平野啓一郎論 第四章 ㈣ 固有名と属性

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前
5

平野啓一郎論 第四章 ㈤ 固有名と属性

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 …

石井和良
9か月前

平野啓一郎論 第五章 ㈠ なりすましと変身

【警告】 小説作品における物語の重要な部分に触れています。未読の方は十分に御注意下さい。 このテキストは『平野啓一郎論』の第五章です。 最初から読みたいという方はクリエイターページのマガジンをご覧下さい。 変身譚平野は『私とは何か——「個人」から「分人」へ』で、自分たちの世代はバブル崩壊後の就職超氷河期だったために、学生時代はアイデンティティの危機に直面したと書いていた。就職氷河期がアイデンティティ・クライシスになるのは、自分の個性が発揮できる仕事に就けるかどうかが非常に