私的PCバックアップ術(前編)

バックアップきちんとしてますか?

皆さんはPCのバックアップはきちんとしていますか?デジタルデータは不良が起こると一瞬で吹き飛びます。そして戻ってくる事はほぼありません。旅先で撮った写真や大好きなゲームのセーブデータなど、それらはお金ではどうやっても解決できません。
Twitterとかで未だに「PCのデータが吹き飛んだ・・・」というのを見ます。いざそうなった時に復旧できるように、バックアップはきちんと取っておきましょう。
しかしいざ調べてみると色んな手法があって迷う人もいるかもしれません。(実際私も迷いました。)
なのでここで私が実施しているバックアップ術を紹介していこうと思います。ちなみに私はこの方法で3度のデータ損失を乗り切りました。

- 落雷による電源損失。
- HDDブートレコード破損(OSが起動しなくなった。)
- 地震でPCが倒れてHDDが物理破損

これらによって失ったデータはゼロです。それでは紹介していきましょう。

結論

- 外付けHDDを2台用意し、それぞれ同一のデータをコピー。
- さらにクラウドサービスを使って地理的冗長を確保。
- 機材は定期的に買い換え。

それぞれ詳しく見ていきます。

外付けHDDを2台用意し、それぞれ同一のデータをコピー

バックアップを取るという事で一番最初に思い浮かぶのが外付けHDDにデータをコピーする事です。重要なのは2台用意する事です。
これにより、万が一外付けHDDが壊れた時も安心です。よくあるのがコピー中に手を引っ掛けて倒してしまったり、電源が入らない、繋いでもマウントされないなどが考えられますので、2台取っておきましょう。
ポイントはこの外付けHDDは普段はPCに接続しておかず、バックアップを取る時だけ接続し、終わったら切断して保管しておきましょう。
接続しっぱなしだと常にPCからアクセスできるので、万が一ウイルスに感染すると外付けHDD毎被害が広がります。特にランサムウェアだと外付けHDD含めて暗号化されてしまいます。常時接続は止めましょう。
ちなみにこの辺を調べると「RAID」という言葉を見つける事があるとおもいます。HDDを複数台接続し、その中の1台が壊れても残りのHDD内のデータを使って復旧するという仕組みがあるので、これも使えるのでは?という事も思い浮かぶと思います。
結論から言うとRAIDはバックアップには使えません。なぜならRAIDはバックアップ用途ではなく、電源を入れたままHDD交換ができる事でサービスを止める事なく復旧ができる事に重きを置いているからです。
Webサービスを構築し運用していてHDDが壊れた時でも、メンテナンスの為にサービスを停止させる事なくHDDの交換およびデータの復旧が行えるのがRAIDの特徴です。
またRAIDはHDDが1台壊れても残りのHDDに保存しているデータから復旧できますが、そのデータを保管する為の領域が確保され、ユーザーはHDDのすべての容量を使う事ができません。これを「パリティデータ」と呼びます。
パリティデータの生成及び保管の為に書き込み速度の低下や容量がすべて使えません。

なので、RAIDはバックアップに使えないという事です。

クラウドサービスを使って地理的冗長を確保

さて、2台の外付けHDDにコピーしておいたし、これで安心!
というわけではありません。この外付けHDDが2台共同時に壊れた場合に復旧できません。
「そんな事が起こるのか?」と思うかもしれませんが、自然災害に襲われるというケースが存在します。
特に日本は地震が非常に多い国です。地震により家具が倒れたり、家屋が倒壊するような事が起こった場合、自分のPCや外付けHDDすべてが被害に合います。
ではどうするか?ここで出てくるのが地理的冗長構成という考え方です。
つまりバックアップを取った外付けHDDを遠隔地に置くなどして、地理的に距離を置いた場所に保管するという事です。
しかし、東京の自宅から、大阪にある実家に外付けHDDを送るのは面倒なので、クラウドサービスを使いましょう。

例えばGoogleドライブにデータをアップロードしておけば、東京どころか海外のサーバーにデータが保管されるので地理的冗長はばっちりです。「日本沈没」みたいな事が起こってもアメリカのサーバーにデータがあれば安心です。(そんな事が起こったらデータより自分の命の方が心配ですね・・・w)
しかしGoogleドライブ等のクラウドストレージは自分で定期的にコピーしないといけないのと、すでにコピー済みか否かを自分で判断しないといけません。そこで便利なのがBackblazeのクラウドバックアップです。

容量無制限で自分のPCのデータがクラウドにバックアップされます。ランチャーが起動していれば定期的にクラウドにデータが転送されるので、基本的にはソフトウェアをインストールしてバックアップしたいドライブを選択するだけでOKです。
外付けHDDも接続していればバックアップされます。しかし切断して30日経つとクラウドのデータが消えてしまうので、定期的に外付けHDDを接続した状態でランチャーを起動しましょう。

機材は定期的に買い替え

さて、これでとりあえずは安心です。定期的に外付けHDDにデータをコピーし、Backblazeにより海外のサーバーにデータがあればかなり万全な状態です。
これらに併せて考えないといけないのは、HDDというのは寿命があるという事です。目安としては5年~10年ほどですが、電源を入れたら常に起動している内臓HDDと、必要な時だけ接続される外付けHDDだと稼働率が違うので一律には言えませんが、5年を超えたらそろそろ買い替え時です。
CrystalDiskInfoなどで診断データが取れるのでそれを参考にするのもありますし、HDDから異音がしたりしたら買い替えておきましょう。
こういった意味でも、2台の外付けHDDを用意するメリットが見えてきます。寿命でいきなりHDDが壊れた時でももう一台あれば安心です。

後編

さて、ここまで書けばだいたいの人に対して最適なバックアップ環境が構築できるかと思いますが、より踏み込んだ内容を別記事に書こうと思います。
内容としては

- データの整理(バックアップとアーカイブ)
- 私が使っている機材やソフトウェア
- パブリッククラウドを使ってのデータ長期保管

これらは非常にディープな内容なので、「もっとバックアップについて知りたい!」という人向けにしようと思います。
また、「色々買いてあってどうすればよいか分からない!」という人向けにサポートも行おうと思っています。
もともとはサポートの為に有料記事にしようと思っていたのですが、それだけだと味気ないので、「サポート」+「よりディープな内容」を組み合わせて有料記事にします。

それではお楽しみに!

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