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黒色の犬猫とチロシン ~被毛は健康のバロメーター~


栄養バランスが壊れることで、皮膚被毛のコンディションが変わってしまうことは有名です。

被毛のコンディションの中でも、今回は毛の色に焦点を当ててみます。

黒猫黒犬ちゃんの被毛の色とチロシンを例に、簡単に紹介します。


犬や猫の毛色には遺伝、環境(温度、紫外線、湿度など)、栄養など複数の要因が関与します。

栄養に関して言うと、色素の産生に関与する様々な栄養素が知られています。

その1例として、黒猫黒犬ちゃんの毛の色は、チロシン不足で茶色くなってしまうことがあります。


黒色被毛の褐色化は、黒色を表現している色素である「メラニン色素」の減少が原因で起こることがあります。

色素形成は毛幹内のメラニン分布と関係していて、ユーメラニン・フェオメラニンの組み合わせで、被毛に様々な色合いを与えています。

ユーメラニンは黒~褐色

フェオメラニンは赤~黄色

ユーメラニン・フェオメラニンが生成される比率は遺伝子レベルで決まっていますが、実際のメラニン細胞内での色素合成は特定のアミノ酸の供給等の影響も受けると言われています。

フェニルアラニン(チロシンの前駆体)とチロシンはメラニン前駆物質で、フェオメラニンの産生にはシステインも必要です。

メラニンの合成には、前駆体のチロシン・フェニルアラニンが必要ですので、食事中のそれらのアミノ酸が不足すると色素が十分に作られず、被毛色が黒から褐色などに変化してしまうことがあります。

お食事を変えて毛の色が(濃くなったり薄くなったり)変わるのは、こういったところに原因があります。


お食事中の栄養素の量だけではありません。

成長・妊娠・授乳・加齢などは栄養学的な要求自体を変化させ、皮膚構造への栄養素の供給を妨げることもあり、これが皮膚被毛の状態を変化させることもあります。

皮膚・被毛は、多くの栄養素を要求する臓器であることは、以前の投稿でも触れました。

そのため、栄養素の吸収を阻害する病態は全て、皮膚被毛に影響を及ぼします。

つまり、体調が悪いと毛艶が悪くなるのは、これらの理由が背景にあります。


このように栄養バランスが崩れると、その結果が先行して現れやすいのが、皮膚被毛のコンディションです。

言い換えると、毛づやは健康のバロメーターで、体調の変化があらわれやすいので、日頃の体調チェックとして毛づやを良く見ておくことが大事です。



手作りご飯では、たんぱく質の量を十分摂ることが容易です。

(セミナーでも触れましたが)それこそが手作りご飯のメリットとも言えます。

手作り食ではアミノ酸が充足しやすく、手作りに変更して毛艶が改善・被毛の色が濃くなるのは、
たんぱく質、つまりアミノ酸の供給を十分できる、すなわち色素の産生が正常に行えるためです。


これから手作りご飯を始める方は、是非写真を撮っておいて、フードの時と手作りをしてからの毛の色を比較してみましょう。

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