映画レビュー「ザ・ハント」

裏切りのジェットコースターが続く快作(ネタバレあり)
★3.5

なかなか面白かったですね。

タイトル通り「人が人を狩るゲーム」が
繰り広げられるという作品なのですが、
グロいシーンはグロいですし
人がバンバン死にますので
その手の耐性のない方にはキツイかもです。

以下、ネタバレ満載ですので 観る前には読まないでください。



鑑賞前に読んだ設定からして
手に汗握る心理戦の展開になるのかと思いきや、
主人公かな?と思った人が次々と死んで行く怒涛のスタート。
なんだなんだ?誰が主人公なんだ?
最初から全然読めない。

ようやく出てきた主人公は存在や行動が謎めいていて
主人公として100%信じていいのかわからない。
そのミステリアスな雰囲気のまま話は展開して行き、
味方になってくれそうな人は味方じゃなく、
助けてくれそうな人も全然助けてくれない。
そもそもこの人狩りゲームがなぜ行われているのかもわからないし
何が嘘で何が本当なのかわからない、
舞台がどこの国なのかも全くわからない。
それでも主人公はめっちゃ強くて
バイオレンス一辺倒でガンガン真相に切り込んで行く。
片っ端から人狩りゲームを企画した人間たちをとっちめて行けば
結局は言い出しっぺも含めて全員大した事ない富裕層の集まりだったし、
挙げ句の果てにはなんと「人違いだった」というオチ・・・。

これらが1時間半の間にダーーッと展開して行くので
息をつく暇もありません。

見ている人があらかじめこの手の映画に持っている
先入観みたいなものを全て裏切って行く
ということが主眼になっているような 作品だなと感じました。

とにかく最初から最後まで「え?」「え?」の連続です。

一応なぜこういうゲームが行われる事になったのか
という事についても説明がありますが、
そこはまあ、あまり関係ないですかね。
ストーリー的に富裕層に対する皮肉を効かせたいのかなとも感じましたが
そこはそれほどでもありませんでした。

それよりも、ベティ・ギルピン演じる主人公があまりに無敵で、
途中からちょっと「女ランボー」みたいになって来るので
そっちのパワーと痛快さが魅力となり最後まで引っ張られます。

そのノリでシリーズ化しても面白いかもと思ってみたり。

間違いなく「怪作」。
B級の域は出ませんが、
グロくてバカみたいでテンポのよい
痛快なジェットコースタームービーです。

ブラムハウス、最近乗ってますね。

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