#何気ないツイートから始まる物語 (5話)〈ゲスト選出①〉
何気ないツイートをきっかけに、スポーツビジネス界の大物と地方都市に住む一般人であるぼくがイベントを企画・実施することになり、その後の人生に大きな影響を与えることになったことを記した、ちょっとした物語。
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前回まで
何気ないツイートから、岡部さんへTwitterの手ほどきが始まり、そこから「よくわからない関係」を築けたことで、イベントの開催に向けて走り出すことになった。
会場も決まり、コアとなるメンバーも選出が終わった。岡部恭英さんを中心に据えて、あとはゲストに誰を選ぼうか。今回からは参加してくださったゲストの方々の選出について何回かに分けて書いていく。
新潟に縁がある人を...!
誰に声をかけるか開催に向けて企画を練りながら、その運営を担う上でのコアとなるメンバーも無事に決まった。次は企画の中心となるゲストだ。
ぼくは新潟出身で、新潟在住・在勤の人間でもある。
できる限り、新潟に縁がある人であれば、ぼくがこれから行おうとする企画に対して、新潟の中で呼応して参加してくれたり、ゲストのやってることを応援してくれる人が出てくることが期待できるように思う。
新潟出身者の中にだって、岡部さんと肩並べるぐらいにがんばってる人はいるし、それを誰よりも新潟の人たちに知って欲しいと心底願っていたから、新潟と縁のある人から優先的に選出し、声をかけさせてもらいたいと考えていた。
某世界的アウトドア企業代表のあの人にもアプローチをしたし、某日本を代表するメーカーで改革のタクトを奮っているあの人にも声をかけた。
返事をもらえる人もいれば、日程が合えば......という少し曖昧な返事をいただくこともあったり。そもそもコンタクトが取れない人もいたりして、決して順調とはいえない走り出しだった。
わかっていた。
今回の企画も、はじまりがおもしろいとはいえ、それはぼくと岡部さん、そして福田拓哉さんの三者間で盛り上がっているだけともいえる。
だけど、「岡部さんが新潟で話をする」のを聞きたいと思う人は一定数いるはずだ。そもそも岡部さんが新潟で話す機会は、今までになかったのだから、サッカーを中心にスポーツに興味や関心がある人たちには「参加したい」と思ってもらえるはず。
そう思っていたが、ゲストの方々は少し事情が異なる。
わざわざ新潟まで足を運んでもらう以上は、「新潟でやるからこそ」のメリットがなければ頼みづらい。ましてや、岡部さんのように「スポーツ」を軸にした人、となれば必然的に限られてくる。
さて、困った。
誰よりも自分が満足できるか
過去、専門学校の職員時代に「とにかく会いたい」「この人と接点を持っておくのはすごく重要だ」と思った人とは実際に接点を持ち、半ば強引ではあったけれど、新潟へ足を運んでいただく機会を設けてきたことがある。
当時は「学生のため」だなんて嘯(うそぶ)いていたけれど、それが詭弁だったのは目に見えていた。誰よりもぼくがその人の話を聞きたいと思っていたし、その人が発するキラキラしたように見える経歴もこれまで抱えてきた苦悩や苦労を踏まえたものであることを共有してもらいたいと思った。
何よりも、ぼく自身がその人たちといろいろと考えながらコンタクトをとる中でみえてくる、ビジネスライクな部分を含めた各人のルールを盛り込みつつ、自分の中に吸収する機会をつくりたかっただけだ。
それが良かったのか悪かったのかはわからないけれど、ぼくとしてはそこから発展する話が生まれたり、その後に影響を与えることが少なからずあったからこそ、かなり満足していた。
いま思えば、当時からこの企画と似たような行動をとっていたわけだ。
そうだ。
まずは自分が満足するために企画を進めていくんだ。ぼく自身がワクワクしながら企画をしていかなければ、途中で折れてしまうかもしれない。顔の見えない誰かのために企画を練り上げるのではなく、ぼく自身が「聞いてみたい」「話してみたい」「応援したい」と思える人に声をかけよう。
いや、そうするべきだ。
そもそも今回の岡部さんとの企画を立ち上げたのだって、ぼく自身が満足するために、ぼく自身が「やりたい」と思ったからこそ、やることを決めたのだから。
誰よりも、ぼく自身が話をしてみたい。岡部さんとの掛け合いを見てみたい。そう思える人に声をかけて、今回の話を、今回の趣旨を、今回の想いを伝えてお願いしよう。
ぼくにできるのはそれだけだ。
そう考え、やはり地元にゆかりのある人に声をかけ、今回の想いを伝えながらやっていこうと思った矢先に、そんな想いを共有させてもらったタイミングで岡部さんから「新潟出身でつながりがある人がでてくれそうだ!」とFacebook messengerのグループチャット内で知らせてくれた。
HADOを新潟で...!
それはe-sportsのHADOを生み出した人だ。
最近、まさに破竹の勢いを誇りつつ、海外でのサービス提供数も格段に増えてきたHADOを生み出したmeleap社の代表である福田浩士さん。HADOが新潟出身者の手によって生み出されたことは、正直、あまり知られているとは言い難かったし、さらにいえば、HADO自体、新潟ではあまり認知されていないような印象すらあった。
それは新潟でHADOを楽しめる環境がないのはもちろんなのだけど、同時に、新潟の中に認知している人がまだまだ少数であること、そして、それを広げるために活動をできる人が決して多くはないことも、その理由の一つなんじゃないかと思っていた。
新潟の出身者が、あのワクワクしたサービスをつくったこと、それをもっともっと広げていこうとがんばっていることを多くの人が知らないことが悔しかったし、それを変える契機にしたい、と欲張った。
そして、あのHADOを新潟でお披露目する機会が、組織でも会社の利益を優先するための機会でも何でもなく、個人の手で実現できることにドキドキした。
ただ、ぼくは福田さんとの接点を持てていなかったし、持つにしてもどうやって辿っていけばいいのかを考えなければいけないなぁ、とも考えていた中で、手を差し伸べてもらったような心持ちだった。これを活かさないわけにはいかない。
福田さんには岡部さん経由で連絡を取らせてもらったものの、個別にも連絡をさせてもらい、今回の趣旨と企画背景、何よりも地元である新潟での開催に向けて力を貸してもらいたい旨を伝えた。
返事は二つ返事でOK。
何よりも新潟で"はじめてHADOをお披露目できる機会"をつくろうとする動きに対して、非常に好意的な印象を抱いてもらえたようにも思う。
何より、ぼく自身がワクワクして、ドキドキしてきた。
知ってはいたものの、ぼくはHADOを体験したことはない。みたのは映像を通してのみ。人が技術を通して動き回る様子を見たことがない。
だからこそ、そのはじめてをつくれる可能性が高まったことに対してすごく興奮した。
「これだ...これが大事なんだ...!」
企画者であるぼくのワクワクやドキドキが興奮する気持ちとともに高まってきた。これだ。これが大事なんだ。
岡部さんと福田浩士さん、この二人の掛け合いをみたい。そして、率直に話を聞きたい。HADOみたい。
岡部さんを除いたゲスト、一人目が決まった。
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#何気ないツイートから始まる物語
地方に住む「普通の人」であるぼくが、ある業界の大物に何気ないツイートで絡んだところから、イベントを企画・実施するところまでを追ったちょっと…
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