1/19開催【ドコモベンチャーズセミナー】『CES2023』をサクッと解説!~現地で見えたトレンドとキーワードとは~
皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2023年1月19日(木)に行ったイベント、
【ドコモベンチャーズセミナー】『CES2023』をサクッと解説!~現地で見えたトレンドとキーワードとは~
についてレポートしていきたいと思います!
本イベントでは、テクノロジーやイノベーションに関するハイテク技術見本市『CES2023』について現地の最新情報をレポートしました。
最新テクノロジーに興味のある方
スタートアップや新規事業に興味がある方
起業やオープンイノベーション事業をご検討されている方
海外の最新トレンド、グローバルな事業に興味のある方
にぜひお読みいただきたい内容となっております!
以下、セミナーの内容をピッチ資料を使いながら詳しくご紹介します!
■PART1:現地で見えたCES2023
最初のパートでは、日本テレビ放送網株式会社 加藤 友規様より『CES2023』について現地の様子をレポートしていただきました!
<日本テレビ放送網株式会社 社長室R&Dラボ担当副部長(兼)サステナビリティ推進事務局 加藤 友規様>
・日テレR&Dラボの事業内容
社会環境・生活者・テクノロジー・コンテンツの変化など、これからのニーズをリサーチしながら、日テレらしい社会への提供価値を探求。また、社外・社内を問わず仲間を見つけてチャレンジしていく共創型のR&Dチームであり、ワクワクを生み出すプロトタイピングや研究開発、新規事業展開へのアクションに積極的な取り組みを見せています。
・これまでのCESとのかかわり
日本テレビは2020年からJ-Startupとコラボレーションを行い、アンドロイドアナウンサーを展示したり、パナソニックとコラボしたり、今年は出資先の株式会社サウンドファンとコラボして出展したりと、近年何かしらの形で『CES』にかかわってきました。
・CESとは
米国・ラスベガスで毎年1月に開催される、CTA(Consumer Technology Association)が主催する、世界最大のコンシューマーテクノロジーの見本市です。
・会場の様子
会場は大きく三か所に分かれていて、一つ目がLVCC(Tech East)と呼ばれるメイン会場で、サムスン、LG、ソニー、自動車会社等の大企業ブースが集まっているエリアになっています。二つ目のエリアがVenetian EXPO(Tech West)と呼ばれる、スタートアップ企業が中心の注目エリアです。もう一つはメディア・コンテンツ・広告系の企業のブースが置かれているARIA(Tech South)と呼ばれるエリアになっています。
・ここ数年のCES
2020年まではリアル開催でしたが、翌年2021年からは新型コロナウイルスの影響で完全オンライン開催となりました。2022年はオミクロン株の影響で会期が1日短縮したことに加えてリアル+オンラインのハイブリッド開催となったことなどから、あまり人が集まりませんでした。 しかし、今年2023年は同じくハイブリッド開催だったものの、人も集まり盛況なイベントとなりました。
参加企業数も新型コロナウイルスの影響を受ける前に戻りつつあり、会場の参加者も115,000人と回復の兆しを見せていました。
・『CES2023』のテーマ
CESでは主催者からプレス向けにテクノロジートレンドのジャンルが発表されます。今年はCTAアナリストのスティーブ・コーニグ氏から6ジャンルが発表されました。
今回はその中から、4つに絞ってこの後詳しくレポートしていきます。
[1] メタバース/MoT(Metaverse of Things)
メタバースは今後「仮想化」と「没入体験」の2軸で発展していくと、主催者側から話がありました。あらゆるサービスがメタバースにつながっていくと語っておられ、今回の『CES2023』の中でも「仮想化」と「没入体験」にかかわる技術がたくさん出展されていました。
「仮想化」の事例では「Touch Cast」というメタバースとリアルが協調するショッピング体験が注目されていて、デジタルツイン型のメタバースコマースが多数展示されていました。
「没入体験」についてはたくさんの新しいテクノロジーが出てきており、中でも「香り×VR」にかかわるテクノロジーが多数紹介されていました。OVR Technology社のVRゴーグルと一体型の香りデバイスや、日本企業のAromajoin社による肩掛けのデバイスが展示されていて、各社カートリッジを使う形で最大数千を超える香りを再現している点が注目されていました。
また、ゲームや映像などのストーリーに合わせてリアルタイムに香りを編集、提供できるため、視覚や聴覚と合わせて嗅覚がメタバース体験の一部になってくるという象徴的な事例となっていました。
XRデバイスの新作も多数発表されていました。昨年10月にQuest proが発売されて、即座にカメラパススルーに対応した新型デバイスが多くリリースされました。極度に軽量化したものや、産業用のもの、ハンドトラッキング精度の高いものなど、ユースケースに応じた細分化が進んでいます。
[2] モビリティ/Features as a service
続いて、モビリティについての紹介です。CTAアナリストからの発表で興味深かった点ですが、アメリカに住む方だと一日平均2時間近く車内で過ごしているそうです。これが自動運転に変わった時、そしてEVに変わった場合の充電時間をどう楽しんでいくのかが大きなキーワードになっていました。一言で言えば、「自分好みにカスタマイズできる『車内体験』」を提供するための最新技術が多数展示されていました。
一つ目の事例が、ソニーホンダモビリティのAFFELAという車です。QualcommやEpic Gamesと連携していて、ビジュアルコミュニケーションと安全性に加えて、エンターテインメントの分野でも先を行くコネクテッドカーエクスペリエンスを提供していました。
二つ目はトヨタ紡織のエンタメモビリティMOOXという車で、外の世界と連動したエンタメ体験を重視したモデルになります。車内には大きな透過ディスプレイやAzure Kinectなどのセンシングデバイスが設置されていて、測位情報によって外の風景と連動したゲームが体験できるようになっています。
最後にBMVによる i Vision Deeという車を紹介します。この車は人間と会話できるだけでなく、喜びや驚き、承認などの気持ちを視覚的に表現します。ドライバーに寄り添って、より楽しい有意義な空間を提供することを意識したモデルとなっています。
[3] ●●テック/Health Tech、Smart Home
3つ目は〇〇テックというタイトルになっていますが、ヘルステックだけでも300を超える出展があるなど、非常に盛況なジャンルとなっていました。全体を通じて、センサーやAIの進化、取得できるデータが充実されることでリアルな生活がどんどん改善される未来を感じるものでした。
一つ目の事例ですが、尿テックと呼ばれるもので、トイレで尿を検知して何かあったらアラートを出してくれるという類のテクノロジーが多数出展されていました。
二つ目の事例として、顔や目の状態からストレスや感情、健康を分析してくれるテクノロジーも多数出展されていました。スキャンするだけで、健康状態や将来かかる可能性のある病気を測定してくれるなど、ヘルス分野では身近なものになっていく将来が予見される技術が多数見られました。
[4] サステナビリティ/Sustainability and ESG
最後にサステナビリティ領域についてですが、CTAアナリストも「あらゆる領域がサステナビリティに関係している」と語っていて、特にZ世代を中心にサステナビリティに対するアクションが多く起きていると発言していました。
一つ目の事例ですが、どの企業もサステナビリティを掲げていた中で最も目立っていたのはSamsungでした。「Everyday Sustainability」という標語を掲げていて、日常生活の中でSamsungがかかわる全ての機器にサステナビリティを取り込んでいくというメッセージを強く打ち出していました。
二つ目はパナソニックの事例ですが、2030年までに自社事業に伴うCO2の排出量を実質ゼロにすると掲げていました。また、基調講演にZ世代の代表的な存在でもある冬季五輪金メダリストのネーサン・チェン氏が登壇して、気候変動問題の重要性や企業主導の大切さを語っておられました。
・PART.1まとめ
注目トレンドを四つに絞って解説しましたが、全体を通じてアイデアから実装へ、様々な体験や課題解決のユースケースが続々登場していました。また、ビジョンや解決したい課題が明確な企業については、様々な企業間コラボレーションが生まれていました。
■PART2:NDVから見たヘルスケア領域等の紹介
続いて、当社の田口 知宏さんから『CES2023』の中でもヘルスケアの領域をさらに深堀したレポートをご紹介します。
<株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ Investment & Business Development Manager 田口 知宏氏>
・経歴
前職のNTTコミュニケーションズではメディア業界向け映像配信PFサービス開発や企画、運用に従事。2018年4月よりNTTドコモ・ベンチャーズに参画して、主にB向けSaaSやメディカルヘルスケア領域、ディープテックへの投資、並びにNTTグループとの協業開発に注力。
・デジタルヘルスとは
まず最初に、デジタルヘルスとは何かを、ジャーニーマップに従って紹介します。初めに人を健康管理して、予防・診断支援を行います。そこで何かあればお医者さんのところに行って、診療・処方をしてもらい、治療を行う、という流れになります。
・健康管理領域
まず、健康管理に関する事例で、睡眠に関するテクノロジーを紹介します。
こちらはGARMINと連動したベッドで、疲労度に応じて姿勢を変えるなどパーソナライズが可能になっています。また、お部屋にあるIOT家電をAIで最適化するようなテクノロジーも多数展示されていました。
・予防診断支援領域
続いて、予防診断支援にかかわるテクノロジーですが、パーソナライズされた食事レシピ提案を行うような生活に溶け込む健康診断テックも展示されていました。取得されたバイタルデータは病気の予兆を検知して、診療や治療につなげる狙いがあります。
・診療・処方領域
3つ目に、診療・処方領域にかかわる最新技術ですが、リモートで医療品質のデータを取得して、診療や処方にシームレスに接続する機器が展示されていました。また、AI×バイタルデータで疾患リスクを評価して、治療への早期移行を促すデバイスも多数紹介されていました。
・治療・予後・介護領域
最後に、治療・予後・介護領域にかかわる最新機器ですが、高齢者向けのウェアラブルデバイスで、バイタルデータ+行動データをAIで解析して、認知症の兆候をAIで検知するなど、「家族がいつでも見守っている世界」を実現するテクノロジーも展示されていました。
■Q&A
Q. 1 ベビーテックやフェムテックはありませんでしたか?
A.(田口さん):数という観点では量はそれほど多くなかったかなと思います。いくつか展示はございました。
A.(加藤様):あまりなかったですね。2020年時点ではP&Gが出展していたり、いくつかあったんですが。フェムテックもあまりなかったですね。
Q. 2 テレビ局で事業として使えるとしたら、どの事業ですか?
A.(加藤様):VRゴーグルが進化していた点ですね。事業というよりも新しいクリエイティブという観点になりますが、現実世界とバーチャル世界をつなげる類の事業が簡単になっていくな、という実感がありました。メーカーだけではなく、今後はクリエイターが作ったものも出てくるのかな、と思います。
Q. 3 ブレインウェーブは既にサービス化されているのでしょうか。
A.(田口さん):現状はPoC(概念実証)をいくつかやっているステージで、まだ商用化はされていないと聞いています。
Q. 4 「初めて見た!」「これは新しい!」という事例を教えてください。
A.(加藤様):サントリーの、液体の中に3Dプリンティングを試みたテクノロジーは新しいと感じましたね。
A.(田口さん):タッチ通信ですね。新しいコミュニケーション手段になるのかなと思います。
まとめ
今回は、『CES2023』の現地最新レポートをお届けしました。
最新テクノロジーが現実にやってくる新しい未来が非常に楽しみですね!
今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!
引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!
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