見出し画像

9/6開催【ドコモベンチャーズピッチ】メタバース最新コンテンツ特集~未来を先取りする多様なチャレンジをご紹介~

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2022年9月6日(火)に行ったイベント、

【ドコモベンチャーズピッチ】メタバース最新コンテンツ特集
~未来を先取りする多様なチャレンジをご紹介~

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、メタバースに関連する新しい事業に取り組まれている注目のスタートアップ5社をお招きしピッチをしていただきました。

・新規事業開発を担当される大企業の皆様
・XRを用いた事業開発を検討されている大企業・スタートアップの皆様
・新規事業、オープンイノベーション等をご検討されている方
・最新のメタバースコンテンツ、テクノロジートレンドに興味のある方
・既存産業のアップデートを目指す皆様

にぜひお読みいただきたい内容となっております!
以下、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■1社目:palan株式会社

1社目は、palan 齋藤 様にご登壇いただきました!

<株式会社palan 代表取締役 齋藤 瑛史 様>

株式会社palan 齋藤 瑛史 様

・palan社の事業内容

palan社は、「AR時代のインフラを創る」をビジョンに掲げ、企画からデザイン・3DCG制作からシステム開発まで幅広く開発・デザインを行い、アイデアをカタチにする会社です。
2016年11月に創業し、2019年からは「すべての人にARを届ける」ため、AR作成サービス”palanAR”を開始しました。2022年には、AR業界のリーディングカンパニーNiantic(8th Wall)の技術を取り込んだプランを公開しています。また、「相鉄アクセラレータープログラム」・「OPAアクセラレータープログラム」・「Google for Startups Founders Academy: APAC」に採択されています。

・palan社のサービス「palanAR(パラナル)」

palanARは、ノーコードでARを作成できるプラットフォームサービスです。PR・教育などで「目の前の現実」をより魅力的にする企画に携わっている人がターゲットです。彼らは魅力的なデジタル企画を低コストで実現したい、難易度の高いARを簡単に作成したい、というニーズを抱えています。

このようなニーズを叶えるため、palan社は「palanAR」を2019年にリリースしました。ノーコードでWebARとアプリARを同時作成可能で、ARは8種類以上あります。

「palanAR」の特長

クライアント企業もしくは広告代理店/制作会社は月額利用料を支払えばpalanARを利用でき、エンドユーザーがARを体験できます。

palanARを活用すれば、エンターテイメント施設、ショッピングモール、観光施設などの「魅力をARで高める」ことができ、回遊施策にも活用することができます。今後はグラスARへの対応を予定しています。

・市場環境~ARの可能性~

ARには現実を拡張し、体験をより豊かにする力があると言われています。
Snap Consumer AR Global Report 2021では次のような結果が出ています。

● アクティブARユーザー
2025年までに世界人口の75%がARに頻繁に触れるようになる
● 商品品質の信頼度
56%ものユーザーがAR利用で商品品質への信頼が増すと回答
● ブランドへの検討貢献
41%のユーザーが、AR体験があるブランドの利用をより検討すると回答

Snap Consumer AR Global Report 2021

仮想現実(VR)は1日3時間程度が限界ですが、拡張現実であるARはメガネ型デバイスの開発により、1日8時間の体験が可能なため、市場が少しずつVRからARへ移っていくとpalan社は考えています。

・今後の取り組み

palan社は

  •  誰でも「本格的なARを作成」できる未来

  •  誰でも「3Dを活用」できる未来へ (誰でも3D編集機能を強化)

  •  誰でも「ARビジネス」ができる未来へ (EC機能の組み込み)

を実現するため、手軽に使えるWebAR技術を多方面に拡張していきます。市場環境の成長も見据えて、ゆくゆくは韓国、台湾、香港、シンガポール、インドなど東アジア、東南アジアへもサービスを拡大予定です。

(開発例) 宮島AR水中花火大会 

中国新聞社 Youtubeチャンネル

■2社目:x garden株式会社

2社目は、x garden 松谷 様にご登壇いただきました!

<株式会社x garden CEO 松谷 遼 様>

株式会社x garden 松谷 遼 様

・x garden社の事業内容


x garden社は、「XR for Empathy. XRで社会の共感総量を最大化する。」をパーパスに掲げ、XRを軸にしたコンサルティング・ソフトウェア開発、自社開発サービス、共同出資による事業開発を行っている企業です。

 第3期決算を終了した時点で自己資本100%の経営であり、営業利益率は50%、営業利益は1億円です。このような、自己資本経営 × 利益体質によるスピーディな事業検証が強みです。一方、松谷様ご自身は自己資本経営に拘りはなく、事業フェーズに応じて出資を受けることも検討されるそうです。

x garden社は、自社メディアの事業からスタートしました。1、2年の活動で認知が広がり、クライアントパートナー事業に着手しました。この事業では、コンサルティング・ソフトウェア開発を通じて、様々な業種の顧客のペインや事業機会の解像度を高めることができました。そして、このようにして蓄積した顧客の課題などを解決するために、プロダクト事業に着手しました。多様な顧客が持つニーズをSaaSプロダクトとして切り出しました。現在は、得られた情報をもとにマーケティングに再投資することで、マーケ起点で事業アイデアが生まれ、プロダクトとして成長する好循環を構築しています。

・x garden社の主力事業と事例

1.XR Client Partner 事業
AR・VRを活かしたハンズオン型のコンサルティングサービスを提供。事業プランニングだけに留まらず、サービスを形にするPoCの開発から仮説検証、グロースのフェーズまで一貫して支援しています。

(プロジェクト例)
x garden社×NTTドコモ社×NVIDIA社 リモートレンダリング(2022年1月)

x garden社×JTB社×NTTドコモ社 「道頓堀XRパーク」(2022年5月)
参考動画はこちら:道頓堀川ARフィッシング 

x garden社のHP, Youtubeチャンネル

2.Incubation 事業
MECやクラウドレンダリング・ホログラム技術など新しい技術を切り口にした新規事業に積極的に投資しています。

XR特化型スタジオ「NTT XR Studio」の様子

Volumetric Videoやモーションキャプチャ技術などXRのプロダクト開発に応用できる機材を多数揃えたXR特化型スタジオ「NTT XR Studio」を共同運営しています。

3.プロデュース事業

業界随一の多機能な技術により、家具・家電業界を中心に中小企業から大企業までプロデュース実績があります。2023年までにARR3億円を超えるプロダクトを5つ以上創ることが目標です。

(プロデュース事例)
・誰でも手軽にECにVR/ARを導入できるメーカー・小売EC向けXR SaaSプロダクト「RITTAI」(2022年10月現在、解約率は0%)

・内見時のユーザー体験を向上する不動産会社向け「AR内見
 参考動画はこちら:AR 内見-製品デモ動画 

・AR/MRグラス・ソリューションーアパレルや家具・家電・車などのショールームや小売店舗における接客シーンで活躍「X STORE

x garden社のHP
メーカー・小売EC向けXR SaaSプロダクト「RITTAI」

・EC、小売業界への挑戦の理由
x garden社がこれらの業界を選択した理由として、業界の転換点となる2つの技術トレンドがあります。

EC・小売業界の転換点となる2つの技術トレンド
1.供給サイドの観点からみた3Dスキャンの民主化

誰でもスマホで3Dモデルが生成できる時代に。3Dモデルの制作コストが従来の1/10に圧縮されることで、世界中の3Dデータが増加・流通。

2.出力サイドの観点からみた10年に1度のデバイスシフト
ポストスマホとなるVR/ARグラスの登場によりインターネット上の購買体験が劇的に変化。ただし、グラスがスマホを駆逐するわけではなく、あくまで共存という在り方。

そして、この2つを繋ぐソフトウェアが必要だという未来予測のもと、サービスの拡大を推し進めています。
今後もx garden社は、小売・EC×メタバース(VR/AR)における3Dモデルの制作から出力までをソフトウェアでカバーし、3Dモデルの流通を垂直統合するプラットフォームを構築していきます。

■3社目:Alche (アルシェ)株式会社

3社目は、Alche 川 様にご登壇いただきました!

<株式会社Alche 代表取締役CEO 川 大揮 様>

株式会社Alche 川 大揮 様

・Alche社の事業内容


Alche社は、「夢中になれる、心地よい場所と体験を作る」をミッションに掲げ、VR/メタバース空間でエンターテインメントを作っている会社です。
現在は、Music(音楽) × Online Live(オンラインライブ) × Immeersive Experience(没入体験) に注力しています。

Alche社の実績

Alche社の制作実績を紹介します。

● RADWIMPS SHIN
SEKAIRADWINPSが開催したバーチャル空間でのライブのバーチャル空間の制作。
● バーチャル冒険アイランド
メタバース空間の制作。来場者数100万回を突破し、スティービー・アジ
ア・パシフィック賞金賞を受賞。

(参考) 「THE ODAIBA 2021バーチャル冒険アイランド」がスティービー・アジア・パシフィック賞金賞に

フジテレビュー2022年6月29日

・Alche社のプロダクト~日本のバーチャルイベントの課題を解決~

日本のバーチャルイベントは、プラットフォーム側がアバターやUIなどを制限を多く課すため、自由度が少ないのが現状です。プラットフォーム全体の最適化などのために、バーチャルワールド全体のデータ量が厳しく制限されるためです。Alche社は、プロジェクトごとにプラットフォームを作るため、柔軟な対応が可能です。

Alche社のプロダクトは、大きく2つに分かれます。

● stellla (Multiplayer/metaverse/building platform)
● studio (3D Modeling/VFX/Character/Architec design)

メタバース開発基盤である「stellla」は、メタバースというデジタル空間と体験をコンテンツホルダーやパートナー企業の方々と共同制作可能なカスタマイズ型プラットフォームです。

stellla」の特徴

  • 数千人以上が同時接続でアプリ内でお互いにコミュニケーションが取れる

  • iOS/Androidのアプリとして提供、VR版もまもなく提供開始

  • UI、アバター、ワールド全てがカスタマイズでき、作りたいもの見せたいものを自由に作ることができる

  • 国内の多くのVR系の会社とは異なり、Unreal Engineを使った開発を行っている

  • 対応プラットフォームは、Web/VR/Mobile/App/PC

このサービスにより、映画化されて話題になった絵本「えんとつ町のプペル」の 世界のVR化に成功しました。 

えんとつ町のプペルVR~Alche社のHPより

■4社目:AVR Japan 株式会社

4社目は、AVR Japan 立石 様にご登壇いただきました!

<株式会社AVR Japan 執行役員 立石 万弓 様>

株式会社AVR Japan 立石 万弓 様

 ・AVR Japan社の事業内容


AVR Japan社では、あらゆるデバイスに対応したAR(拡張現実)およびVR(仮想現実)のソリューションを提供しています。また、お客様の専門分野に密接に関わり、学習・トレーニング・交流のためのシステムを開発しています。

事業領域は大きく4つに分かれます。
1.XRソリューション
 ● 産業用メタバースプラットフォーム「CORE」
   →後ほど、詳しく説明します。

 ● AR作成・編集ソフト「Misterine Studio & App」
  プログラミングの知識がなくても簡単にARコンテンツを作成・
  編集出来るフレキシブルなプラットフォーム

 ● 遠隔作業支援システム
  ハンズフリーなウェアラブルデバイスを用い、管理者/作業者は
  音声やチャットで遠隔からリアルタイムにコミュニケーション可能

2.バーチャルプロダクション(VP)
 ● 平面的な映像や画像ではなく奥行きのある立体的な映像の制作が可能
 ● リアルタイム合成システムにより、撮影中に映像確認が可能
   →大幅にコスト・時間の削減が可能に

3.ショールーム
東京タワーの真横にある東京タワーメディアセンターの3階で、最新の技術が体験可能 サイトはこちら

ショールームで体験できる最新技術(AVR Japan社のウェブサイトより)

4.XRアカデミー
「XRテクノロジーによって変化を遂げるであろう様々な業界に、革新を創造する人材」を輩出することを目標とした次世代エンジニア・クリエイター養成スクールを運営

・メタバースプラットフォーム「CORE」について
「CORE」は、いつでも、どこでも、誰とでも、どんなデバイスでも、没入型の学習を可能にするXRコラボレーション・プラットフォームです。特長は2つあります。

  • ARやVRでの体験、トレーニング、没入型学習、業務上の利用などを簡単に手頃な価格でカスタマイズ可能

  • 幅広い顧客層の複雑なニーズに合わせて、安全で柔軟なソリューションを提供可能

1部屋あたり30人、5部屋まで同時開催が可能です。また、マルチデバイス機能があり、バーチャル空間内でPowerPointなどを使ったプレゼンテーションも可能です。アバターのカスタマイズもできます。

デジタル会議室やVRトレーニングなど多岐にわたる活用事例がありますが、その中でも特徴的な事例を紹介します。

● 意思決定支援システム
COREを使ってDSS(Decision Support System:意思決定支援システム)を開発し、準備や危機管理のための訓練を行うことができます。

COREを使った意思決定支援システム

● 福祉技術
目の不自由な方が見えている光景を、健常者が体感できる空間です。福祉技術は多くの人にとって未知のものですが、それらの技術がどのように使われるのか、どのような意味を持つのかを事前に知ることができます。

福祉技術の活用例

2022年8月には、ドコモgacco社、立命館大学と連携し、仮想現実空間における企業向け研修プログラムを実施。参加者の約8割が研修参加への積極性が向上したという結果が得られています。

ドコモgacco、立命館大学、AVR Japan、3者共同実施の実証実験結果を公開

PR TIMES ㈱ドコモgacco,2022年8月25日, ニュースリリース  

■5社目:DENDOH(デンドウ) 株式会社

5社目は、DENDOH 押田 様にご登壇いただきました!

<株式会社DENDOH 代表取締役CEO 押田 大輝 様>

株式会社DENDOH 押田 大輝 様

・DENDOH社の事業内容


DENDOH社は、「”Post Homo sapiens” アバターで人類をアップデートする」をミッションに掲げ、メタバース用アバター作成・管理サービスの開発、VR/AR関連の受託開発を行っている会社です。2019年に創業し、2022年9月現在従業員は約10名です。

プレ・シードラウンドでは、6,030万円の資金調達を達成しています。
また、東京都やVC、経済産業省が推進するアクセラレーションプログラムの後援を受けています。

・市場状況とアバターのニーズ

「メタバース」という言葉は誰もが聞いたことがあるほど現在注目されています。国内でもメタバース利用者数が急激に増加しており、バーチャルイベントでは、来場者数が数百万人を超える事例も出てきています。

そして、メタバース空間内では必ずアバターが必要となり、アバターへのニーズも急激に拡大すると考えられます。アバターはメタバース空間内において、現実社会の衣服やSNSプロフィール写真に相当する自己表現・アイデンティティを表すものとして、極めて重要であるからです。近年、アバター専用サービスのグローバルでの投資規模も盛り上がりを見せており、数億〜数百億円の資金調達の事例があります。

メインのユーザー層は、ワールド探索やイベント参加でメタバースを利用するZ世代です。ユースケースは、サードプレイスとして、自分の好きな場所に好きな人と出かける感覚でメタバース空間を利用するという、既存のSNSの代替に近いイメージです。

現状では、「アバターにこだわりたいが、良質なアバターがメタバース空間で十分に実装・供給されていない」という課題があります。また、その開発には、次なる課題が出てきます。

こだわりのアバターを作る上での課題
● エンドユーザー側
メタバース空間で自分のオリジナルのアバターを使用するためにはBlender・Unityなどの専門知識が必要

● 開発企業側
開発コストが5000万円〜と高く、メタバース開発企業はアバターメイク機能の実装に十分なコストを割けない。そのため、簡素なテンプレートアバターを用意するのみになる。

DENDOH社は、この課題解決の技術ソリューションを提案しています。

・3Dアバター作成・管理サービス「molz (モルツ)」

DENDOH社の提供するサービスは、以下の2つです。

  1. エンドユーザー向け「molz Avatar Hub」

    • アバター作成プラットフォーム
      多くの既存のメタバース空間で利用できる3Dデフォルメアバターをノーコードで作成・着せ替えできるアプリケーションプラットフォーム

    • アバターキャラ歌ー創作プロジェクト
      オリジナルの世界観(物語やキャラ設定)をもち、キャラクターIPとしてユーザーと共に作り上げていくプロジェクト型サービス

  2. メタバース開発・運営企業向け「molz Avatar SDK」
    国内エンタメ企業やブランドなどと提携した、メタバース空間におけるアバター&アパレルのハブ・マーケットプレイス。ブランドごとにショップを開設し、ブランドロゴが掲載されたオリジナルのファッションアイテムを出品することができる。

今後もDENDOH社は、メタバース時代のハブとなる”アバターブランド”を生み出し、誰もが理想の自分を自己表現できる世界を想像する、というビジョンを目指し、事業に取り組んでいきます。

まとめ

今回は、メタバース関連の代表的な5社のお話をお聞きしました。

メタバース技術の発展速度は凄まじいと感じました。
全ての人がメタバースに当たり前に触れることができるようになる日は近そうですね!!

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!

引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら


いいなと思ったら応援しよう!