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ドコモからのスピンアウト経験者に話を聞いてみた〜対話会レポート〜

ドコモグループの事業創出プログラム「docomo STARTUP」の一環として、4/15にスピンアウト経験者による対話会が開催されました。

4月にドコモからスピンアウトした株式会社SUPERNOVA(以下、SUPERNOVA社)代表の木本 東賢さんに、SUPERNOVA社立ち上げまでの様々な経験、新規事業立ち上げでの学びなど、たくさん聞かせていただきました。

100名を超える社員の皆さんにご参加いただき、質問も絶えなかった講演内容をレポートしていきます!


SUPERNOVA社代表 木本 東賢さん

1989年1月生まれ。2011年4月にドコモに入社。料金戦略・料金プランの策定などに従事し、料金プラン「ギガホ」「ギガライト」や、2021年度グッドデザイン賞を受賞した「ahamo」を導入。
その後、新規事業創出プログラムの企画・運営を行う傍ら、事業のスピンアウトを可能とする新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」立ち上げと、「LearningToon」の事業案を検証。
「docomo STARTUP」の第1号スピンアウト案件として出資が決まり、2024年4月にドコモからスピンアウト。

SUPERNOVA社が提供する縦読み漫画学習サービス「LearningToon」



対話会内容

ー事業のきっかけは?

それまで当初は、10個ほどの事業アイデアを並行して検討していましたが、その中でもWHYNOW(なぜいまやるのか)がはっきりしてたから「LearningToon」に注力して事業化を目指すことにしました。
学習マンガの事業性に魅力を感じていましたが、制作に何ヶ月もかかってしまう点が課題だったところに、生成AIが登場したんです。
リスキリング・リカレント教育の振興とも合わさって、一番今やるべき事業案だと考えました。

ーアイデア創出のコツは?

自分がやりたいことからの発想ではなく、マーケットや海外の事例をみながら検討しました。
当初NewsPicsを子ども向けにカスタマイズしたようなサービスを検討していたんですが、仮説を検証したところ、契約したいという声は全くなかった。
一方で、学習マンガの需要はあることに気づき、今の事業の構想につながっていきました。

ー事業をどのようなメンバー構成で立ち上げてきましたか?
事業の立ち上げフェーズはひとりでやりました。
理由としては、初期の検証フェーズでは仮説が外れることが多く、事業の方向性がコロコロ変わります。
メンバーがいると、二転、三転するたびに、合議をとるのも大変。
スピード感が求められる新規事業立ち上げでは、
リサーチや検証などをひとりで行うのは大変ですが、柔軟性という観点で、ひとりの方が圧倒的に動きやすい
です。
事業にメンバー追加したのも最近で、事業の方向性やオペレーションがある程度固まってから参加してもらいました。

ー事業立ち上げでの困難と対処法は?

当初想定した仮説が当てはまらない、実際にやってみるとうまくいかないことが多くて、困難しかなかったです。毎週うまくいかないことばかりで、顔面蒼白でした(笑)
当時、生成AIは毎週新しいものができてくる、技術が刷新されていくので
常に検証が必要でした。
シナリオ作成会社と共同で事業構築する話もさせていただいたことがありましたが、生成AIという観点でに協業NGになったこともありました。

困難にぶち当たった時に、どうすればできるかを考えて行動し続けることしかないと思います。シナリオは自分で勉強して書くことにしました。
また、ツライ時でも身近に愚痴を聞いてくれる人が多かったこと、話を聞いてくれる人が側にいてくれたことに支えられました。

ー挑戦を継続する源泉は?

源泉とかモチベーションとかはあまりないです。
やるときめたらやる、やらないならやらない。
中途半端がいちばんしんどいので、モチベーションが~~とかは私にはないです。

ーサービスの需要(ニーズ)が確認できた瞬間は?

①LP検証で一定の効果が得られた時
②法人向けにピボットして課題を確認できたとき
ですね。
当初はtoC向けのサービスとして事業戦略を構築して資金調達活動を実施していましたが、想定した調達額に及ばないということが活動をしていく中で分かり、お金を溶かしながらヒットを狙うtoC事業だけではなく、toB向けの事業を検討し始めました。
法人向けにピボットする意思決定をしたのは、実は今年1月。
そこから超短期間でスピード感をもって事業を抜本的に見直しました。

年始からtoB向けに営業活動を始めて仮説がヒットし、企業より良い反応が得られ、2月には既に受注することができました。


ー学んだこと
想像力と実現していく行動力の大切さです。
資金調達の際、LP検証で把握したCPAしかわかってない状態で資金調達の内諾を得ました。

それは何故だったか振り返ると、
サービスに対して、今はこうだけど、今後必ずこうなりますと、
力強く言えたからだと思っています。


想いが強い、とは少し違っていて、
マンガに特化したオペレーションなどの研究など、顔面蒼白になりながらあらゆるオペレーションを検証して、失敗し続けてきた実績が私にはありました。単純な想像だけでなく、これなら成功する、というのが想像できたからだと思います。

行動・失敗を積み重ねた結果、自信がつき、
その自信で周りを動かすことができていたのだと思います。
また、失敗は失敗ではなく1歩進んでいる証拠だと捉えているので
失敗することは怖くありませんでした。


Q&A

サービスの対象は?

今は企業の人事部が多いです。
学習マンガは様々な応用法があり、事業の可能性を考えるのが楽しいです。
色んな形で商品を出していくので、続報を楽しみにしていてください。

本サービスの立ち上げに際して、どのような自身の強みが活かされたか?

行動を積み重ねていたことで、VCからの1つ1つの質問に対して、
愚直に答えることができました。

結果、やりきる姿勢(強み)を理解してもらえたと思います。
私自身の行動力に加えて、マンガを創る上で重要なプロジェクトマネジメント能力を評価していただけたのだと思います。

生成AIの専門知識は事業立ち上げ前より保有していたのでしょうか?

専門知識が一切ない中からのスタートでした。
専門家を雇おうと考えたこともありましたが、まだまだ未成熟の分野なこともあり、みんな手探り状態、生成AIの専門家がいなかったのでTwitterや海外のサイトを中心に情報収集をしていました。

未開拓の分野こそ、誰でもプロフェッショナルになることができると思いますし、行動力があれば知識がなくてもできると思います。
エンジニアの人も、生まれた時からエンジニアだった訳でないです。やったか、やってないか、ただそれだけだと思います。

相場感のない市場において、資金調達の際はどのような工夫をしたか?

どんな課題があって、その課題を解決できるのか、
他社ができないことができているのか、なぜその市場で勝てるのか、

という点が特にみられているように思います。


どのように自分を奮い立たせていますか?

奮い立たせてないです。モチベーションが続かない、失敗が怖いというのが良くわかりません(笑)
みんな失敗を嫌がるけど、失敗恐れて何もしない方がダサい、
と思っています。

失敗だったとしても、こうしたら失敗する、という経験則を得られるので、成長しています。だから絶対チャレンジし続けた方がいいと思っています。だから、チャレンジするのが私にとって当たり前なんです。
また、仕事はゲーム感覚で楽しんでます。昨日までできなかったことができた、ダメと言ってた部長がOKを出してくれた、仕事は、やればやるだけ変化が生まれるので、ゲームみたいで楽しいと思っています。

チーム作りのポイントは?

3つあると思っています。
①魅力的なリーダーがいること
②リターンがあること
③やりがいがあること


リーダーが私なので、私に合う人に声をかけました。
私は厳しいので、人によっては魅力的なリーダーではないと思います。
だけど、今集めているメンバーは若いうちに成長したい、圧倒的に成果を出したい、と本気で思っているメンバーなので、優しい人よりも本気でぶつかるリーダーの方が良い、と言ってました(笑)
ということもあり、多分、メンバーはみんな私のことが大好きです(笑)

リターンについては、このdocomo STARTUPの制度があるからこそ、
ファイナンシャルリターンも期待できるので、みんな本気です。

やりがいについては、私自身からこの事業の魅力、理想や思いを
メンバーへ時間をかけて伝えました。
その結果、今ではメンバー全員が事業の成功のイメージをもてている、
事業の魅力を腹落ちしてわかってくれた上で、働いてくれています。

これからdocomo STARTUP CHALLENGEへ挑戦する人へメッセージお願いします

新規事業は誰でもできます。
わたしもやったことはありませんでしたが、今こうしてスタートラインに立つことができました。
事業を立ち上げた誰もが、最初は不安で分からなかった領域だったはずです。何をやるか選択して、そこに集中するだけだと思います。
失敗を恐れずに新規事業にチャレンジする人を応援しています。

docomo STARTUP CHALLENGへのエントリーは5/13まで受付中です!
些細な事でも気になることはなんでもご相談ください!

docomo STARTUP運営者コメント

docomo STARTUPについて

「docomo STARTUP」は、ドコモグループ社員の皆様のアイデアを事業化するためのプログラムです。不確実性の高い領域に対し、スタートアップで用いられる「リーン・スタートアップ」の手法をベースに、アイデアの検証を行い、事業化を目指します。
新規事業の成功確率は1000分の3(センミツ)と言われており、検証を進める中で事業化を断念・撤退することの方が多いですが、同時にチャレンジしなければ成功もあり得ません。「docomo STARTUP」では、事業化にこだわりながら、チャレンジする人を最大限応援します。

3つのフェーズで構成される「docomo STARTUP」


「docomo STARTUP」は、新規事業のスキル・マインドを学ぶ「COLLEGE」、新規事業のアイデアを応募するコンテスト「CHALLENGE」、事業化の可能性が確認できた事業アイデアを育てていく「GROWTH」の3つで構成されます。
2024年度は「CHALLENGE」からプログラムを開始します。
現在の部署や業務に関係なく、0→1の新規事業創出に挑戦したい人、持っているアイデアで新規事業を創出したい人等、熱い想いをもった方々のご応募をお待ちしております。

【ドコモグループ社員のみなさまへ】

docomo STARTUP CHALLENGE(新規事業創出コンテスト)へ挑戦しませんか?

現在の部署や業務に関係なく、0→1の新規事業創出に挑戦したい人、持っているアイデアで新規事業を創出したい人等、熱い想いをもった方々のご応募をお待ちしております。

エントリーは2024年5月13日まで!
応募詳細など「docomo STARTUP」に関する情報は以下および社内報等にて発信しております。
ご質問などは、気軽にX(旧Twitter)等へコメントください!

docomo STARTUP公式HP
docomo STARTUP公式X(旧Twitter)


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