私、テレビ関係の制作会社で働いてるんです。 これは数年前の話なんですけど、 担当してた番組で「夏の怪談特集」を やることになったんです。 元々、怪談は好きな方だったんですけど、 その時ゲストで来ることになっていた 怪談師の人は名前しか知らなくて、 これを機にその人の怪談を聞いてみようって 思ったんです。 通勤のときに聞くことにして、家を出る前に、 確か10分ちょっとくらいだったかな…。 そのくらいの長さの怪談をYoutubeで再生して、イヤホンして、スマホをポッケに突
これは、怖いっていうか…個人的にはちょっと 切ないなー、って思ったお話なんですけど…。 私の家から最寄り駅まで行く道の途中に、 個人経営の小さいホテルがあるんです。 っていってももう潰れちゃって廃墟になってるんですけど。 縦に長い4階建てで、各階に大きな窓があって、その窓から部屋の中が見えているって 状態でした。 部屋にはカーテンとかもかかってなくて、 中は片付けを途中で諦めたみたいな感じで 散らかってました。 ある日、なんとなくそのホテルの窓を 見上げたら、散ら
65歳で仕事を定年退職した私の唯一の 楽しみは、4歳の孫の面倒をみることです。 「じぃじ、じぃじ」と私を呼ぶ姿が可愛くて 仕方ないのです。 今まで仕事一筋だった私は、娘が小さかった頃のこともあまり覚えていません。 なので、意外にも孫煩悩になった私を娘は 呆れながらも嬉しく思っているようでした。 ある日、私は孫を近所の大型商業施設に連れて 行きました。 ひどく暑い日だったと記憶しています。 孫は、到着するや否や「じぃじ、アイス!」と 私にねだってきました。 もちろん
サザンカって冬に咲く花、分かりますか? ピンクとか、白とかの色が付く花。 あの花、うちのおばあちゃん家の庭にも咲いて いて、毎年冬になると 嬉しそうに「ほら、あの歌のお花やで。 サザンカ、サザンカ、咲いた道…」 と歌ってくれたのを覚えています。 おばあちゃん家は私の家から1駅程度しか 離れていません。 それに、おばあちゃんは犬を飼っていたので マンション暮らしでペットが飼えなかった 小学生の頃の私はよく自転車に乗って遊びに 行っていました。 私が幼稚園の頃におじい
私の友人が体験したお話です。 その子は数年前、大学進学と同時に田舎から大阪に出てきて、初めての一人暮らしを始めました。 女の一人暮らしで、最初はいろいろ不安もあったそうですが、半年もすると完全に慣れ切って 自由を謳歌していました。 ただ1つだけ、住んでいるマンションに 気になる点があったといいます。 それは、1つ隣の部屋、504号室の玄関扉がいつも10cmほど開いている、ということでした。 504号室はエレベーターのある方向と逆側にある 角部屋で、友人の部屋はその一つ