理由がかっこいいから。ただその一言が全て。

たしか西暦2000年ころの出来事だったと思う。

その当時、勤めていた企業にて主任と2人 チームを組み、某大手企業へ出向いた作業でのやりとり。

その日は某大手企業地方工場(北関東)に出張であった。

初日、2日目のスケジュールを順調にこなしていた時 そのセリフは突然 ぼくに向かって投げつけられた!

おい、ヘクスレンもってこい。

その一言に「?」と思いながらも、たまたま冴えていたわたしは はいはい。と指示に従った。

ヘクスレン(チ) →六角レンチを持っていった。
(チ)の部分は ンチて発音していた。

その日の作業を無事に終え 主任とぼくは、宿泊先で ビールを飲んでいた。俗にいうアフター5である。

その席で主任にたずねた。

普段は「六角レンチ!六角ー!」て言っているはずの六角主任に、なぜ今日に限って ヘクスレンチなのか?と。

横文字の方がかっこいいだろ?

ただそれだけだった。
でも確かにそうだ。かっこいい。

誰もが認知する某大手企業。
さらにそのプロジェクトを査察という名の見学に重役の方々がきていた。

※超高性能レンズを開発するための検査装置開発プロジェクト。真空状態でレーザーをあて屈折率などを図る装置。とのことだが、よくわからなかった。プロジェクト予算は数十億とのこと。よくわからんかった。

その偉い方々にも ガツンと魅せる仕事をしてたんですね。素晴らしい!


という話を別日の出張でさらにえらい統括に教えてあげた

統括は英語が弱い。なのでカッコつけないで聞いてくる。それもまたかっこいい。


ヘクスレンチのヘクスてなんだ?

ぼくはここぞとばかりに巷(当時)で意識高い系の方々が使用する夢にまでみたあのフレーズをつかった。

いい質問だ

ちょーわかりやすく説明した。六角形であると。ヘキサゴンてテレビ番組やってるじゃないですかー(当時)。と。だからヘクスレンチなんですよー。と。

なるほどそうかそうかと 統括は笑い その場にいない主任を誉めていた。

その日はいいお酒だったらしく大いに楽しんで、翌日に備えた。

そして翌朝。

各部署の担当者の面々、それにその日も重役様様、われわれが集い朝礼終了。

※またこちらのプロジェクトは、プラズマテレビの量産化に向けた開発装置に携わるプロジェクトであった。

そして統括は朝礼直後、開口一番ぼくに向かってこう言った。


ペンタゴンもってこい!!

重苦しい空気の中 全ての冷たい視線を 我々のボスに向いていかん!

どうにかしなきゃ!どうにかしなきゃ!どうにかしなきゃ!

碇シンジ並みの慌てっぷりのぼく。
その口から放たれた言葉。

どっひゃーーーー!!

チームの若造(ぼく)が失笑をかうことで、ペンタゴンをなかったことにできた。

最高にいい仕事をした。

今でもそう思っている。

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