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タコスが食べたい
その日おれはなんだかタコスが食べたかった。
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ネットフリックスのこの番組のせいだ。ここで紹介されるアメリカ、そしてメキシコのタコスの動画とそれを作るオヤジの顔がなんつーかすげえ良くて、しばらくずっと憧れてた。
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おれもこうありたいものだ
いっぽうでキューバサンドも食べたかった。理由はもちろん映画『シェフ』だ。中々本物のクバーノを食べさせてくれるお店はない。モホローストポークをちゃんと作ってるお店もない。
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そうしてTwitterを眺めていると『フィリーチーズステーキ』なるサンドイッチがあるらしいということを知った。おれの第二の故郷、フィリピンとは何の関係もない。フィラデルフィアの名物料理らしい。
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そんなおり、夜に母親の友人がウチに飲みに来るという話が飛び込んできた。下記の友人だ。
童貞俺氏を弄んだ母親とその友人のもてなしのために料理を作らねばならないことになった。メニューはおれが自由に決めていいらしい。せっかくなので今考えていたサンドイッチの類。これらを全部悪魔合体させてしまう事にした。
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内容は簡単で、YouTubeで調べて作ったビリヤとカルニータスの悪魔合体みたいなのを、フランスパンに挟んでおもいっきりチーズとコリアンダーを入れてバターでほっとサンドにしてしまおうといった感じ。もう何が原型かわからんな……。
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結果的にこれが中々美味しくできた。ただ、いわゆるチーズ感は全然足りなかったので、次回やるとしたらおもいっきり黄色くてとろける、加水率がたかそうなやつを選べたらなと思う。サラダ用にもつかうようなシュレッドチーズじゃあちょっと無理があるというもの。
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翌日、ビリヤのあまりを使って今度はちゃんとしたタコスを作ってみた。ブレンダーでなんちゃってサルサも作って、かさ増しに肉も適当に焼いて。これがまた抜群に美味しい。タコベルのタコスより俺のやつのが美味いって!(自信過剰)
まあこれにはちゃんとタネがある。チェーン店はチェーンである以上ある程度カジュアルさを重視した結果、タコスミートというあんまり汁気のない中身を取らざる得ないんだけど、家でつくる分には油ギトギト汁気べたべたのタコスを作れるというのがだいぶデカいわけです。
要するに鍋弾の“イタリアンビーフ”回と同じです。真に美味しいサンドイッチの方程式はパンを“手づかみのための道具”として扱うことはない……というわけ。手の汚れ?あとで拭け。そういやタコスのドキュメンタリーもみんな汁だらだらこぼしながら首横にしてかぶりついてたよ。
せっかく買ってきたライムを絞り忘れても痺れるくらい美味しかったので、まだまだうまさを追求する余地がある。次回はもっとしっかり準備して作っていきたい。
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