競技クイズ 正誤判定基準(土橋案)

これは、僕が競技クイズにおいて正誤判定基準として今のところこんなもんかなぁと思っているものです。微妙な正誤判定があった場合、ルールとして事前に提示しておくことで、解答者との認識の齟齬を少しでも無くすことを目的としています。

他の大会、例会での正誤判定より多めになっていると思いますが、正直まだまだ少ないなと思います。それだけ競技クイズに不文律が多いということがありますが、なんとかならないものかとも思っています。

1.全体ルール
(1)シンキングタイム
  ① 最初にボタンが押されてからのシンキングタイムは、司会者が解答者
   に呼び掛けてから5カウントとします。この間に解答を始めてくださ
   い。
  ② ボタンを押した人の誤答により解答権が回ってきた際のシンキング
   タイムは、司会者が対象者に呼びかけてから3カウントとします。
   この間に解答を始めてください。
  ③ 解答者が解答を言い切った場合は、その回答をしたものとして正誤
   を扱います。言い切った後の言い直しは認めません。
 
(2)ブザー
  ①解答を始めた後で、その解答がタイムアップのブザーと重なった場合
   は、時間切れの扱いとせず、有効解答とします。
  (ブザーを鳴らした後で解答を発した場合は時間切れの扱いです。)
  ② 解答を始めた後、解答の途中で発声がなくなったり、「あー」
   「うー」などのフィラーが聞えた時は、1カウント以内に新たな発声
   がなければ、その直前までの発声に基づいて正誤判定を行います。
   例1:
   「土橋史幸」という答えがある場合、「土橋」のあとで沈黙したり、
   「あー何だっけ」などのフィラーが聞こえたら、1カウント以内
   に「史幸」と解答を続けないかぎり「土橋」で正誤判定を行い、
   不正解とします。
(3)再解答
  以下のケースが発生した場合、正誤判定者は解答者に対して再解答を
  促します。
  ① 解答が聞こえなかった場合(解答がブザーと重なった場合も含め
   ます。)、正誤判定者は「聞こえませんでした」と言って回答者の
   再回答を求めます。この場合、解答者は最初に言った答えをそのまま
   答えてください。
  ② 解答が「正解に限りなく近いが、そのままでは正解にならない」と
   正誤判定者が判断した場合、「もう一度お願いします。」と言って、
   解答者の再解答を求めます。(この時、解答者は最初に言った答えを
   そのまま言わず、別の答えを解答ください。)
   この解答が用意している正解と異なる場合は不正解とします。
 
(4)問題不備・正誤判定の抗議
  問題不備や用意されていない別解の存在などにより正解とすべき判定
  が不正解となる場合、また、解答の聞き取り間違いなどにより不正解
  とすべき判定が正解となった場合、その問題終了後、次の問題に移る
  (問題読みが「問題」と発する瞬間)までに参加者より抗議があれば、
  それを受け付けます。

  その際試合進行を止めて調査を行い、改めて問題の有効性(ノーカウ
  ントとするかどうか)の判断をした上で正誤判定を下します。
 
2.固有名詞(人名、チーム名)について
  ① 人名に関しての敬称・肩書(「〇〇さん」「〇〇選手」など)の有無
   は、正誤判定には関係ありません。しかし、明らかに間違った敬称・
   肩書をつけた場合(「バイデン首相」など)は誤答扱いとします。
  ② 人名は原則として、芸名・ペンネーム・登録名など最も一般的に知ら
   れている名前、もしくはそれに準ずる知名度のもののみを正解としま
   す。本名や別号など「知名度が低い」と正誤判定者が判断した解答は
   「もう一度」の対象とします。
  ③ 東洋人名(日本・韓国・中国・台湾など、主に氏名表記に漢字が用い
   られる国)は、フルネームでの解答に限り 正解とします。
   例3:「現在の巨人の監督は誰でしょう?」
    →不正解「原」「原監督」「原辰徳コーチ」、
     正解「原辰徳」「原辰徳監督」
   例4:現在MLBシーズン最多安打262の記録を保持している、日本人選 
     手は誰でしょう。
    →「イチロー」「鈴木一朗」どちらも正解
     (イチローは登録名であるため正解。鈴木一朗も過去の登録名で
      あり、一般に準ずる知名度と判断。)
   例5:「大相撲通算最多勝利を記録している、モンゴル出身の横綱は誰
      でしょう。」
    →「白鵬」「白鵬翔」どちらも正解(しこ名は登録名の一種とみな
     し「白鵬」のみで正解。)モンゴル名の「ムンフバティーン・ダ
     ワージャルカル」は知名度が低いため「もう一度」の対象。
  ④ 西洋人名は原則ファミリーネームのみで正解とします。ただし、問題
   文中にファミリーネームが明記されているなど、明らかにフルネーム
   を要求される場合はその限りではありません。
   また、同一カテゴリに同一姓の人物が複数いる場合でも、ファミリー
   ネームのみで正解とします。
   例6:「デービット・ベッカムの奥さんは誰でしょう?」
    →「ベッカム」のみは不正解。「ヴィクトリア」「ヴィクトリア・ 
      ベッカム」などで正解とする。
   例7:「アメリカの第26代大統領は誰でしょう?」
    →「ルーズベルト」「セオドア・ルーズベルト」で正解。
     「フランクリン・ルーズベルト」は言い直しを認めず不正解。
  ⑤ 複合姓は、ファミリーネーム同様に区別の必要性がある場合のみ求
   め、原則一般的な呼称のみで正解とします。
  ⑥ 以上の人名に関するルールは、実在しないキャラクターなどにも適用
   します。
  ⑦ スポーツなどのチーム名については、原則「地名もしくは企業名」+
   「愛称」の両方解答して正解とします。
   また、過去のチーム名と重複する場合には、区別できるように解答を
   お願いします。
   例8:「現在三浦大輔が監督を務めるプロ野球セ・リーグのチームはど
      こでしょう?」
     →「横浜DeNAベイスターズ」「DeNAベイスターズ」で正解。   
      「横浜」「DeNA」「ベイスターズ」「横浜ベイスターズ」
       はもう一度の対象とする。
  ⑧ 都道府県名と都市名の両方を答えた場合、原則都市名の方を答えた
   ものとみなします。
   また、都道府県名と都市・政令指定都市の区の名が同じ場合で「県」
   「市」「区」を言わなかった場合は、もう一度の対象とします。
   例8:「夜景で有名な六甲山は、兵庫県の何市にあるでしょう。」
     →この問題の場合、「神戸」「神戸市」「兵庫県神戸市」は
      正解。「兵庫県」で言い切った場合は不正解。
   例9:「平清盛が一時都をおいた福原は、今の何県にあるでしょう。」
     →この問題の場合、「兵庫」「兵庫県」で正解。
     「神戸」「神戸市」「兵庫県神戸市」は不正解。
3.複数解答について
  ① 複数のものから一つだけを答える場合、主催者が用意した解答のみを
   正解とします。
   (事前に「「○○と○○で解答お願いします」とアナウンスしない限
    り、「○○と○○」という解答は言い直しを認めず誤答扱いです。)
4.文章での回答について
  ① 歌詞や文章の一部を問う問題で、主催者側で用意した解答以上のもの
   を解答した場合、たとえ歌詞・文章通りでも「もう一度」の対象とす
   ることがあります。その場合、解答者はより絞った解答をお願いしま
   す。
  ② ただし、ことわざ・慣用句・和歌や俳句など、全体で一つのイディオ
   ムとして認知されているものについては、その限りではありません。
   この場合、主催者側で用意した解答を答えているが、イディオムの一
   部が異なっていた場合は「もう一度」の対象とすることがあります。
   この場合、解答者は主催者側で用意した解答のみ答えるか、正しい
   イディオムで答え直してください。
5.後限定について
  ① 解答を限定するキーワードが読まれる前にボタンが押された場合、
    正解の単語は出ているが、解答方法がキーワードに則さないもの
    であった場合は、「もう一度」の対象とします。
   例10:「美容院や水商売において、担当してくれる人を指定する場合に
      /」でボタンが押されて、その続きが「に払うお金を何という
      でしょ う? 」(答え 指名料)
      となった場合、払う金額を聞いているので、「指名料」のみを
      正解とする。「指名」「ご指名」はもう一度。
  ② また、解答が主催者が用意した解答と同一の事象である場合(正式
    名称、別称など)についても、「もう一度」の対象とします。
   例11:「現在大腸がん予防の効果の検証がされている、/」でボタンが
      押されて、その続きが「別名をアセチルサリチル酸という、解
      熱や鎮静剤として使われる薬は何でしょう?」
     (答え アスピリン)
      となった場合、「アセチルサリチル酸」と「アスピリン」は同
      一の事象であるので、もう一度の対象とする。
  ③ 後限定が「英語で」などの回答指定がある問題で、そのキーワード
    の前でボタンが押された時、主催者が用意した解答と同一の事象で
    ある場合(別言語での解答や正式名称での解答)についても、「も
    う一度」の対象とします。
   例12:「飛行機のビジネスクラスの座席配置や毛織物の柄などに見られ
      る、/」でボタンが押されて、その続きが「ニシンの魚の骨を
      図案化した模様のことを英語で何というでしょう?」
     (答え ヘリンボーン)
      となった場合、後限定の制約により、「ヘリンボーン」のみを
      正解とする。「杉綾織」はもう一度の対象。
  ④ ⾧さ、重さ、容積、面積や時間など「数字+単位」が答えになる問
    題(但し、個・枚などの助数詞は除きます。)で、数字のみの解答
    は「もう一度」の対象とします。
    また、単位が違っていても同じ量を示した場合は正解とします。
    しかし、計算に時間がかかる答え方(10秒以内に正誤判定が検算で
    きない場合)は誤答とします。
   例13:「ひょうとあられの境目となる、/」でボタンが押されて、その
      続きが「大きさは直径何㎜でしょう?」
      (答え 5㎜)となった場合、「0.5㎝」「0.005m」は正解とす
      るが、「5」「0.5」など単位がない場合はもう一度の対象とす
      る。なお、3.34229355443167×10の-14乗天文単位も正解だ
      が、検算に非常に時間がかかるため、誤答。
6. その他
  ① クイズ中に正誤判定者がミスをした場合や、問読みが明らかに解答を
   ミスリードさせるような読み方を行った場合、抗議がない場合でも
   主催者判断により判定の無効や訂正を行う可能性があります。
 ② 判定が無効化となった問題については、新たに1問補充します。

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