AQLの今後についての僕の考察

 先日、質問箱に「AQLの今後についてどうお考えですか?」という質問が来ました。
 
 この質問ですが、本来、僕のような中枢に関わっていない人間が喋れることではないと思っています。

 そして、僕は「誤答するであろうと予測した問題を敢えて急所に配置」し、それがフェアプレイ上問題となったことについても「作問戦略として尊重されるもの」と主張しています。これはAQLの理念と相容れないものであります。さらに言えば、その相容れない「作問戦略」を通じ、大会システム自体に疑義を突きつけた人間です。

 こうした疑義を突きつけ、僕個人の信条とAQLの理念と相容れない人間が、AQLの今後について言及する資格もないと思います。

 ただ、それでは「大会システム自体に疑義を突きつけた」僕がもやもやするので、僕の勝手で書きます。ただ、特にAQLに何かして欲しいという要望ではなく、一つの所感として書きます。
 それに対する感想、批判については、僕個人のところにとどめていただければと思います。

 そして、AQLが裁定するものに関しては、こちらとしても従う所存です。
 (ただ、どのように従うかはまだ決めていません。)
 それを前提にこれから書くことを見ていただければと思います。

 ここではAQLの一般の部について話をします。
 ジュニアの部については、特に問題はないのではないかと思います。(理由は後述)

1.AQLと他の大会との違い

 AQLの一般の部は、他のクイズ大会の団体戦とは大きく違うことがあります。

 それは「参加サークルが当日持ち回りで出題・正誤判定という勝敗の肝になる部分を裁定すること。」、そして「出題サークルが参加サークルの立場を兼ねており、順位を争う当事者であること。」になります。

 他の大会では出題サークル=大会主催者であり、参加サークルではありません。出題サークルと参加サークルに明確な境界線が存在します。しかしながらAQLの一般の部ではその境界線があいまいになっているように思えます。

 そうなると、出題・正誤判定において、どうしてもグレーな部分が出てきます。僕は作為があったことを公表していますが、たとえ作為していなくても出題や正誤判定について、特定のサークルに対して有利不利は出てきます。

 特に複数のサークルに所属している人も多く、その人が出題や正誤判定をする際に、参加者という意識が出てきて、心情的な面でどうしても手心や迷いが出てくると思います。また、どんなに公平を期しても「手心加えた」という他者からの批判も予想されます。

 特に後者の場合、「手心加えた」という批判は出題サークルに標的が集中するでしょうし、そうなると、批判を受けた出題サークルは精神的苦痛を強いられると思います。それはしんどいです。

 話は最初に戻りますが、僕はジュニアの部で問題はないと思っている理由も、境界線が理由です。ジュニアの部の場合は、出題サークル≠参加サークルです。そうなると主催側で明確な境界線を引くことが出来るので、問題ない認識です。

2.境界線を引く対策

 その対策としては、僕が思いつく限り以下のとおりです。

・「問題の出題」については、正誤判定基準や悪意のある出題について、
 主催団体であるAQLがチェックし、出題サークルと協議の上、最終的
 な出題可否判断をAQLで行うこと。
・「正誤判定基準」や「進行を妨害する行為」など、は部屋別にジャッジ
 メント出来る専任スタッフを配置し、最終判断を行うこと。

 最終的な判断をAQLとし、AQLができるだけ明確に出題サークルと参加サークルの境界線を引くことが必要だと思います。そして、言うまでもなく、「出題サークル、参加サークルは主催団体であるAQLの裁定に従う」ということも必要です。

 今回、フェアプレイ規定などの制定でカバーしているようなのですが、「主催団体であるAQLが制定した規定が守れているかどうか、AQLがチェックする」という体制がないと、フェアプレイ規定の運用は難しいと思います。

 なぜなら、個々人でフェアプレイの解釈、定義が違うからです。
 違うものさしで議論しても話が噛み合わなくなります。
 だから、主催であるAQLが判断を下さざるを得ません。


 特に僕は一般に浸透しているフェアプレイの解釈ではなく、「ルールに反していなければお咎めなし」という信条があります。他者についても同様なので、見落としすることも多いです。 

 AQLが境界線を引くことなく、判断を下すことなく、出題サークル(=参加サークル)の裁量に委ねられるのは、やはり負担が重いと思っています。

3.境界線を引くことの限界


 ただ、AQLという大会が「(現状は)有志によるアマチュアクイズ大会である」こと、そして、「地域代表者・執行部」の方々が手弁当で運営している大会であることを踏まえると、これ以上負担を増やすことは難しいと思います。特に専任スタッフの確保は難しい課題と思っています。

 本来、これだけの規模の大会をするためには8桁レベルの予算と、「AQLの主催」を本業とするスタッフが数名必要になると思います。
 それを手弁当で運営しているのですから、上記のような負荷をAQLの執行部にかけることは難しいとも思っています。

 そうなると、出題サークルが善意を持って運営に協力していくということになると思いますが、個人的には大会のシステムに「当事者の善意に依存する」考え方は、上記に書いたことを根拠として脆弱だという意見です。

4.最後に


 僕は、みずから不備を突いたことを公表することで、大会システム自体に疑義を突きつけた人間であり、上記の理由により今もこのAQL一般の部の大会システム自体は成り立たないと思っています。

 だからといって、AQLという大会がクイズというものを広げるのに大きな役割を果たしていることも理解しています。こうした目標があることで、特に地方において、いろいろなクイズサークルが設立されている一つの原動力になっていると思います。

 そして当日の運営についても、いろいろな問題はありましたが、会場もすばらしく、スポンサーの獲得、配信など今までにないものを準備していただいたことは、参加者の一人として感謝いたします。

 それは自分では絶対できないことであり、執行部・地域代表の方の尽力はすごいことだと思います。

 AQLについては、特にジュニアの部においては、中高生が大きな大会でクイズをする貴重な機会だと思っているので、存続してほしいと思っています。

そして、一般の部においても、境界線の問題がクリアできれば、開催できないということにはならないのではないのでしょうか。

(僕は地域リーグのみの開催など、縮小均衡しか思いつかないのですが、他にアイディアが出てくるかも知れません。その可能性を否定するつもりもありません。)

僕も、個人としての信条を変えるつもりはありませんが、協力できることがもしあれば、協力させて頂きます。

 最後に、こうした問題を自分がぶち上げたことで、いろいろと勉強する契機になりました。自分が不勉強だったところも多くあり、そのことでご迷惑をかけたと思っています。

その点は申し訳ありません。この場でお詫びします。

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