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舞台「パンドラの鐘」を観てきたんだな。

舞台「パンドラの鐘」。実はわたしは初演を見ている。それも蜷川幸雄版と野田秀樹版の両方を。そうか、あれは1999年のことだったのか…もはや23年前。あの時は、正直言って天海祐希さんの神々しさに圧倒され、かつ大竹しのぶさんはやはり庶民派だなと思った。どうしても女王には見えなかったのだ。たとえ演技派女優と呼ばれても。なので、最近、自分が美人女優と呼ばれないことを彼女が怒っていたと元夫の明石家さんまさんが言っていたのを聞いて、何となく合点がいったのはわたしだけではないだろう…。また話がずれた。昔話はこの辺で。

その後、異なる演出家+俳優で上演されていたらしいが、見ていなかったので、わたしにとってはまさに23年ぶりだ。

オフィシャルサイトから

今回の主役は成田凌さんと葵わかなさんなのですが、他のメンバーを見ても、初回に比べると非常に若返った感じがする。どうだろうか?と思ったりもしたが、ストーリーを考えると、こちらの方が合っているのでは?とさえ思えるほどしっくりと来た。

この2人は良い意味で自分が自分が感が出ていない白石加代子様のようにもはや出てくるだけでこの方とわかりつつも、それがイヤミになっていない域まで達すれば良いけれど、中途半端だと痛く感じるのだ。いるんですよ。たまにね、どんどん役から本人が出まくる俳優さん。何をやっても誰誰みたいなね。男優でも女優でも。それがなかった。

今回、キャスティングとして大成功だと思ったのが、あっちゃんこと前田敦子さん。特にファンではないけれど、彼女はスターであるのに、二番手としても味を出せる役に出会った感があった。コロコロと上昇志向のままに男を裏切り、国をも捨てる。自分が一番可愛いお嬢様。そんな役を、大袈裟までのセリフ回しで熱演。それがイヤミになっていなかった。彼女は変に主演を張るのでなく、この路線で行ったら良い気がする。美味しい二番手

野田秀樹独特の言葉遊びによるセリフ回しの連発の脚本。舞台は第二次世界大戦前の長崎。野田秀樹の生まれた地である長崎を舞台に、彼の反戦メッセージ、反原爆メッセージが描かれている。23年前に見た時、野田秀樹自身が今回白石加代子様が演じたヒイバアを演じていた。それ故か、彼の反戦メッセージより強く感じたのを覚えている。それほど印象が強かった。

今回は、結末を知っているだけに、前回ほどの強さはない。しかし、ウクライナ侵攻が進む現在、この舞台を今伝える必要があるのだと改めて思った。今度、原爆が落とされたら世界は終わるのだ。自らの命を捨てても、原爆投下をやめさせられる王はいるのだろうか?日本には残念ながらいない。

#観劇感想文
#パンドラの鐘
#前田敦子

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