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『ありのまま』を大切にする子育ての落とし穴

「ありのままでいいよ」
この言葉に、かなり前から違和感を持っていたけれど、どんな違和感かを説明できなかった。

それが、昨日の「#8月31日が来るまえに」の放送を見て、あーー!ってなった。

この番組は、雰囲気も内容も心にしみた。尾崎世界観の進行もよかったけれど、ゲストの言葉も優しくて、何度もうるうるした。

ありのままってなんだろう?

「ありのままでいいよ」なのだけど、精神科医の松本先生が「ありのまま」を使っているのを聞いて、これが適切な使い方なんだなって思った。

そしたら、長年感じていた違和感が少し言語化できそうな気になった。
なので、ぼんやりと感じたことをアウトプットしてみる。

「ありのままでいいよ」
この言葉に対する違和感は、「ありのままでいいよ」=「好き勝手にやっていいよ」になっていることが多いと感じていたから。

本来、「ありのままでいいよ」は、その人のアイデンティティや人権が否定されてはいけないことに対して使われる言葉だと思う。

けれど最近は、「ありのままでいいのよ」という言葉がけをしている親御さんたちに、子どもの言いなりになってしまうケースが増えているように感じる。

「ありのまま」の本質というか本来の意味が理解されずに、「ありのまま=偽りのない本音=子どもの要望」になっているようにみえる。

「ありのままで」を大事にしている保護者さんたちは、みんな子どものために真剣に取り組んでいるのだから、子どもの育ちに良い影響があってほしい。

だけど、「ありのままを受け入れる」がどんなことなのかという本質の理解がないと、適切な対応がわからなくなってしまいそう。

とはいえ、「ありのまま」という言葉、辞書で調べても抽象的すぎて、受け手の解釈に委ねられているところが多すぎて意味不明。

だから、私なりに ありのままを定義 してみた。

ありのままの定義からわがままを考えみた

人に対して使われている「ありのまま」は、持って生まれた性質や性自認、障害、見た目(体型や色、毛量など)や信念、能力などに対し、その人の姿勢を尊重し、その人が本心から求めるありのままの姿が認められ、大事にされること。

私はこんな感じだと理解している。

だけど、「ありのまま」がよくわからないから、明らかなわがままに対して「ありのままを尊重します!」と見守り風に放置することが発生してしまうのかもしれない。

もちろん、子どもの意思を尊重することは重要。
子どもだって、自分がわがままを言っていることを理解していることが多いし、そのことで自分を深い部分で否定しているかもしれないしね。

真面目な子は「ありのまま」すら「わがまま」と誤解して、自分がわがままなダメな人だと感じていることもある。

だからこそ、子どもには、わがままを言う経験も、適切な自己主張をする経験も、それを認めてもらうことの経験も必要で、それらを通じて、自分の本音がどこにあったのかを理解したり、それを認めていく練習が必要。

こういう親子のやりとりを通じて、子どもは自分のアイデンティティや信念を形成していく のだろうね。

そうなると、
これを行うための大人の役割は非常に大きい。
大人は、それがわがままか、ありのままかを観察して、見守る役目を果たさなければならないから。

見守りって何したらいいかわかりづらい

見守りって、ただ見ていればいいわけじゃないけれど、これも何をすればいいのか曖昧すぎて理解されていないから、より混乱する。

お風呂を見ていて!とか、家事の例に例えるとわかりやすい。
昔の風呂は、水張りと沸かす作業があって、ただ見ているだけだと水は溢れて、沸かしすぎると熱くて入れないし、下手すれば火傷して死んでしまうことだってあった。

子育てとか人育ての見守りも同じで、子どものしたいことを、ただ見ているだけじゃない。適切なタイミングで介入が必要なんだよね。

手をかけすぎてもダメ、手を出さなすぎてもダメ。
こう書くとけっこう難しいように見える。
けれども、子どもをしっかり観察して、対話していけば、そんなに難しいことじゃない。
子どもが育ちたいように、伸びていける手伝いをするだけだから。

ただ、親のイメージした方向が子どもの生きたい方向と違ったり、過剰な親の期待が入るとややこしくなるけどね。

なのでね…
もし、お子さんのわがままが過ぎると思ったときには、話し合いしてみてほしい。
自己主張しすぎのわがまま三昧は子どもの成長の機会を損なうから。

「ありのままを大事にしています」を実践している人は、一度振り返ってみてほしいと切に願う。

そして、わがままを言わせないのではなく、自由に発言できる環境のなかで、その子自身が自己主張とわがままの違いを自覚できる体験を重ねるられたらいいのにね…と思うのよね。

老婆心と保身

「子どもありのまま」を大事にしすぎた結果、わがままを通しすぎた結果なんて、ちょっと考えたらわかるよね。
子どもは貴重な成長のチャンスを奪われているんだから。

親は、いい親をしているつもりだったのに、将来にとても大きな困難が利子付きで戻ってくるかもしれないよ。

怖くない?

こんなこと書いてしまったので、私がさぞお偉い人なんだろう…とか思ってしまわれるのが怖いナウ。

当たり前だけど、そんなことあるわけなくて、私は別のことができなくて子育てで困ってきてるから!
それにさ、子育てって親育ちでもあるので、どんな人にも学びのための課題はあるんだよ。
みんなにあるからね。

それにね、
この投稿、読む人によってはかなり辛口の内容だと感じる人がいると思う。

ムカつく💢ってもしなったとしたら、そんな気になった人こそ、どうか振り返りしてみてほしいと思う。

ま、あたしの私見なので、バーカバーカ!って思ってくれるのもそれもよき♡だしね。

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