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2歳児付き添い入院記

子どもが複数回入院するにあたり、参考になるような情報を探したもののあまり見つからなかったので、後々の人々のために我々の経験を書き記しておきます。
特に点滴について。自分が子の入院の説明を受けたとき、「一歳や二歳の子が点滴&入院ってどうやるんだ?引っこ抜くのでは?」と調べたけどあまり情報がなく不安だったことから、一例として我が子の点滴と入院の様子を書いておきます。
参考になれば幸い。


最初の説明だ!

・こどもはいま2歳!
・いままで複数回入院し、すべて私(母親)が付き添いをしたよ!いまは寛解し今後の入院予定はなし。
・小児科病棟に入院したよ!
・病状の説明などは書かないよ!


★入院までの流れ

・その1 女性しか付き添いできない病院もある
・その2 入院までの体調管理は親も子も万全に(日程変更は大変!特に夏!)
・その3 トイレトレーニングはこのさい諦めよう!

・その1 女性しか付き添いできない病院もある
入院の話が出たとき、最初は「まあ夫と分担して付き添いするか!」と思っていたがそんなことはできなかったのだった。
「小児科病棟には授乳する方もいることから、可能な限り付き添いは女性にしてほしい」とのこと(※今回我々が入院した病院ではこう言われた。他の病院ではわからん。かなり大きい病院だったので病院の規模にもよるのかもしれない)。
私としても、授乳があるような小さい子やその親御さんに無用なストレスはかけたくなかったので、この時点で私がすべて入院の付き添いをすることが確定。

・その2 入院までの体調管理は親も子も万全に(日程変更は大変!特に夏!)
そして仕事の段取りをつけてさあ入院だ!となるも、入院直前で子が体調を崩したこともあった・・・この入院の日程変更がとてもとても大変だった・・・
というのは、小児科で入院する子は小学生以上の年齢が多く、そうすると必然的に長期休暇に入院が集中する。つまり夏休みは小児科入院の需要が増える!サマーシーズン到来!(ジョジョ四部)
夏休み直前に入院日程を再調整しようとしてもベッドが空いておらず、結局半年延びたこともあった。
体調管理は親も子も万全に!とはいっても健康を望んでもかなわないからそもそも入院するようなことになるわけですが!体調を完全にコントロールできるものならしているよね!まぁできる範囲で気をつけよう。そして具合が悪くなってもやむなしと捉えよう。時の運である。

・その3 トイレトレーニングはこのさい諦めよう!
我が子の場合はトイレトレーニングを完全に諦めて「入院が終わったらやろ」と思っていたが、結論から言うとこれは正解だったなと思う。トイレトレーニングは失敗しつつ少しずつできるようになるものだけど、入院中はベッドの清掃も洗濯も十分にできない=失敗できない環境になる。だからもし何かあると親の方が動揺してしまうので、可能であればおむつのほうが断然ラク。(我々の入院した病棟は)小児科なのにトイレに補助便座等がなかったし。本人もいつもと違う状況で緊張するだろうし、できることならトイレトレーニングは入院後にした方がよいと思われます。


★入院受付から入院するまで

さて入院じゃ!という当日。最初に受付をしてまず小児科へ。大人と違ったところはココですね!いきなり病棟に入院ではなくまず小児科にかかって処置を受けるのだ(ちなみにこの小児科の待合でそこそこ待つこともあるので時間つぶし用の絵本とか持っていくとよい)。
さてなぜ小児科に来るのか?というと、採血と・・・点滴のためですね!!(ババーン)
名前を呼ばれて看護師さんが五人ほど控える場所に案内され、なぜかタブレットを見せられ「アンパンマン見られるよ」「パウパトロールがいいかな?」などと歓待される我が子。その間に子はサササとベッドに横たえられ、私はスッと部屋から出て待合で待っているように指示される。子どもが点滴されるときは親は出て行くことになっているらしい。これは、あとから知り合いの医療従事者に聞いたところによると、「子どもにとってものすごくつらい経験をしたとき、「親がいたのになにもしてくれなかった」という思いをさせないようにするため」らしい。そう・・・採血も点滴も子どもはとても頑張らなくてはいけないのだ・・・
待合室で待っているあいだ聞こえる我が子の絶叫。十分ほど経つと、看護師さんに抱っこされ暴れて泣きわめく我が子が現れます。看護師さんは汗だく。どうもありがとうございます。全力で暴れる子どもを取り押さえて採血と点滴って大変だろう・・・。
余談だが、私は処置を終えた子どもをすぐに迎えられるようにいつも待合室内の一番近くの席で待っていた。子どもが泣きわめきながら出てきても私をすぐに見つけられれば少しは気持ちが変わるかと思って。
さて実際に点滴ってどうやるの?というのは写真を見るとわかりやすいかと思う。


こんなかんじ。ギプスみたいにぐるぐるまきにして、必要なときはこれに管をつなぐ。
我々の場合はつないでいないときもあったため、そういうときは自由に歩き回れる。ただし片手は常に使えなくなるので、靴を脱いだりご飯を食べたり日常動作は介助が必要。いつもは「自分でやろうね」と言っていることも、入院中は一切言わず全部やってあげた。本人も手が不自由な状況でストレスがたまるだろうしな・・・と思って。
入院の回数を重ねると、このコマツの公式ライセンス商品のTシャツ


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を着たり、ショベルカーのおもちゃを持って行ったりして「おててショベルカーみたいだ−!!」とぐるぐるまきの手を褒めると本人も(にや・・・)と笑って「ざっくんち ざっくんち ざー」とショベルカーごっこをして遊んでいたので重機になぞらえて褒めたりすると子どもの気持ちも晴れるかもしれない。


★入院中のようす

最初に買って(持参して)よかったものを書いておく。
・乗れるキャリーケース
・大量の絵本
・満額までチャージした交通系IC(パスモとか)
・サンダル(大人用)
・ペットボトルにつけてつかうストロー
※入院中の過ごし方は病気や症状によってもいろいろと違う(たとえばおやつ持ち込みできる子もいるだろうし食事制限ある子もいるだろうし)だろうから、まあ普遍的だろうなという点を書く。

・乗れるキャリーケース


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こういうの。デザインや機能がいろいろあるので探して合うものを買うとよい。入院は荷物が増えるためキャリーケースだと便利だし、なによりこれは子どもが楽しんで乗ってくれる。入院の受付や小児科でも「いいものに乗ってるね」「これはすごい」「入院に最適」と他の患者さんやスタッフの方からも声をかけられ、本人も上機嫌だった。夜中に「おうちにかえりたい」とさめざめと泣いても「よし・・・(スッとキャリーケースを出す)夜のドライブとしゃれ込むかア!」とこれに乗せて静かに院内の廊下を歩くとニコニコ機嫌がよくなった。ありがとう本当にありがとう。私は感謝のあまりメーカーの人にもメールを送りました。
・大量の絵本
大量の絵本は、子がもともと本好きなのと、院内で過ごすときタブレットやスマホを見続けるのが嫌だったので持参したもの。(動画は病室で音出せないし2歳はイヤホンできないし聴力や寝付きに影響あるかなと思って・・・)入院中はほとんど絵本と紙芝居とキャリーケースに乗って散歩で過ごしていた。朝起きてデイルームに行って絵本を読んで、ごはん食べて散歩して、絵本読んで、ごはん食べて、昼寝して、起きたらおやつ食べて散歩して絵本読んで・・・という感じ。

・満額までチャージした交通系IC
売店や自販機で使った。これがあれば小銭はいらなくて便利だな〜と思いつつ利用。

・サンダル(大人用)
サンダルは絶対に持って行った方がよいアイテム。これは大人の入院でもそうだと思うけど一応書いておく・・・なぜなら私は初回の入院のとき子どものものにばかり気を取られて自分のサンダルを忘れてしまったので・・・

・ペットボトルにつけてつかうストロー


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こういうやつ。いろいろあるのでこれも調べて合うものを選ぶとよい。いわゆるマグマグは洗う場所や乾かす場所がないので、ペットボトルの水を買ってこれをつけて子どもに与えていた。ペットボトルの水は多めに買っておいて、このストローを付け替えて予備の水をすぐ与えられるようにしておくと便利だった。


★入院中おもしろかったこと

・自宅のごはんの時間よりも病院のごはんの時間が遅いので、おなかがすきがちだった。おなかがすくと、スタッフステーションをのぞいて「おーい ごはん おいでー」「ごはん〜ココで待ってるよ〜」というのがちょっとおもしろかった。
・子供用の狭いベッドで一緒に寝るため、必然的に体を折り曲げて眠ることになり、そのたび(屈葬・・・)と思っていた。屈葬は古代の墓に見られる、体を折りまげて埋葬する形式のことです。わたしはいま古墳の中!
・ベッドはすべての面に柵がついていて子どもが落ちないようになっているため、そこに毛布を掛けて「テントごっこだ〜」と遊ぶのが楽しかった。林明子さんの「はじめてのキャンプ」という絵本を読んでいたので、子どもはそれになぞらえて遊んでいた。


★きつかったこと

一応書いとこ!これから付き添いする人の心の準備のために!
我が子が苦しんだり「帰りたい」と泣いたりするのも当然つらいんだが、他の子の様子や他の親の様子を見ているのが私は一番つらかった。千羽鶴が飾られてる個室の子どもや、重度心身障害の子どもが叫んでいるのや、全身がかゆいと訴えて「気が狂っちゃうよーーー!!」と絶叫している子どもの声を聞きながらずっと過ごすのは、自分にできることがないだけにかなりつらい。付き添いがなく一人で入院している子どもも多く、時間制限で交代制のプレイルームに入ったとき、お絵かきボードに残されていた「ままだいすき」という文字を見たとき胸が締め付けられた。私たちの前にその部屋で遊んでいたのは一人で入院している低学年の子どもだったので。
同室の親御さんが子どもを怒鳴ったり叩いたりするタイプだったこともあった。ある一歳過ぎ位の子が夜になってもなかなか寝ないので「うるさいよ!静かにして!」と親に怒鳴られて叩かれていたんだが、その子は「いやだー!いやだー!」ってずっと言っていた。私は「イヤイヤ期」って言葉が非常に非常に大嫌いなんだが、それはこうやって一生懸命「やめて!」って伝えていることも「イヤイヤ期だから」って表現でまとめられてしまうからです。
子どもは幸せで健康であって欲しいよな・・・スタッフの方々は子どものために素晴らしい仕事をしてくださっていた。書き尽くせないほど感謝がある。いまなお進んでいる戦争の場でも苦しんでる子どもとか助けようとする人々がいるのだろうな、と思って私は退院後に「国境なき医師団」に追加で寄付をした。
病棟でいろいろ見聞きするのはかなりつらいと思うけど、実際にできることはないので、もし入院中のすごくつらい気持ちの昇華が必要であれば私は寄付をおすすめします。

最後に
我が子のケースはどんどん入院に慣れて、最終的には「準備ばんたん少年団!」と言いながら入院セットを持って家を出るくらいになった。子どもも子どもなりに適応する。人間がそんなに脆弱な生き物だったらこんなに地球の人口は増えていないはずなので、たぶんわりと強靱なはずだ!と信じて過ごしていた。
なかなか寝ない子どもに「うるさいよ!」っていってた人も、騒いでいて同室の人の迷惑になるからそういうことをしたのかなと思うけど、子どもの入院に関していえば「自分の子どもが迷惑をかけないこと」より「他の子どもに迷惑をかけられても気にしないこと」のほうが精神衛生上とてもよいのではないか。わりとてきとーでもなんとかなります。
最後に我が子の寛解祝いのケーキの写真を貼っときます。全部の子どもが健康で元気に生きられるといいね。