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rivalを歌っていた君に

ハイ美の「少年たち」、ずっとずっと待ってました。美少年とHiHi Jetsは対として活動することが多かったので、この2グループでいつかは「少年たち」を公演してほしいとずっとずっと望んでいました。

時は2021年。人の集まる劇場へ足を運ぶ罪悪感。会場は、多く少年たちが公演されてきた日生劇場でなく新橋演舞場。かつて11人を愛してくれた彼は、現在Eternal producerとして名を連ねています。
ずっとずっと待ち望んでいたハイ美の「少年たち」は、そういう意味で想像し得なかったものでした。でも大好きな舞台に代わりはなく、私は今回の「少年たち」を愛しています。出演者、関係者の皆様の限りのない配慮のおかげで無事に上演され、9/27に千秋楽を迎え、幕がおりました。本当に本当にお疲れ様でした。

以前は関ジュ担だったこともあり、2015年〜2019年の「少年たち」公演は関西東京関わらずすべて観劇してきました。「少年たち」は公演によって内容が様々ですが、逆に絶対変わらないものや演出もあります。
今回の「少年たち」も例に漏れず今までと同じセリフは多くありますし、むしろあまり寄り道しないシンプルな「少年たち」だったと感じています。

でも、今年の「少年たち」ら、今までとはかなり異色なイメージがありました。今回のnoteでは、それはなぜなのかを書き留めます。

そもそも今までの「少年たち」のゴール(=結末)は、“未来に夢を見る”ことだと、私は思っています。
脱獄で仲間が死んでしまったことに対し切なさはあるのに、笑顔で歌い上げ圧倒的に明るいエンディング曲となる「君にこの歌を」。この歌は、脱獄に成功しようが失敗しようが、最終的に彼らの未来の夢を想像させて終わらせるような演出でした。それはなぜか?─脱獄のための死さえも、“死んでしまった少年の夢だったから”、です。

一方今年の「少年たち」は、“仲間の絆”に気づくことがテーマです。まずこれが絶対的な相違点であると考えます。
タイショウはなんでも1人で抱え込む質でしたが、仲間を信頼することを学び幕を閉じます。脱獄の犠牲になるカナサシの行動も、その学びのひとつです。「君にこの歌を」は、タイショウは泣き崩れる。(ここが今までと違いすぎて違和感だった。)未来を向いた歌でなく、すべてカナサシに向けられた歌でした。

以下は、タイショウの変化について。

①rival

タイショウは、元半グレのリーダー。相手からかけられたケンカ(?)に、1人で立ち向かおうとしていたところを、ユウトは止めます。結果ユウトも巻き込まれ、2人とも少年院に入ります。

タイショウはユウトに「捕まったのは俺のせいだって言えよ!」と言いながらも、「あの時お前(ユウト)の言うことを聞いていれば…」とも零し、ユウトは自分のせいで捕まったと苛まれています。(ここの大昇くんの演技がほんっっとに凄くて、天才だった。どうしようもない「怒」の感情を、怒鳴ったりあざ笑ったり、いろいろな表情で表現してて天才。)

逆にユウトは、タイショウのせいでなく自分の意思で行った行動なので「俺たちは同罪なんだよ」と最後に優しく言い残す。この優しい言い方がめちゃめちゃ印象的じゃない?きっとタイショウにこれ以上勝手に罪を背負って欲しくないんだろうな…っていうのが私の結論だけどみんなどう?

あと、「あんなの1人で解決できた!」と虚勢を張るをタイショウに、「俺たちを巻き込みたくなかったんだろ?」みたいなこと言ってくれるユウトは本当に優しい。

②闇を突きぬけて

ミズキが弟に会うことを許されなかったとき、タイショウはずっとみんなに背を向けたまま。でも彼はずっと、拳を握ってて悔しそうで見てるこっちが切なくなった…彼は仲間思いだけど、性格的にそれをあらわに出来なかったのかなあ…
と、このnoteを書いてるときに思ってたんですが、後半公演ではまあまあ怒りをあらわにしているタイショウいた(笑)ジュニアの舞台は、セリフは一緒なのに演じ方が前半後半で全然違う、それが面白いんだよ〜!
あとタイショウがなかなか服を着ないんですけどそれは何故ですか?肩にかけてるだけのときもあったよ好きだからいいけど

③脱獄

赤房青房関係なく、みんなで協力し合い看守たちを巻く場面。タイショウだけは、脱獄において協力する姿は見られませんでした。
ただ、最後看守と戦うシーン。ここでタイショウに変化がありました。仲間を先に行かせ、ユウトと一緒に戦います。ミズキのために脱獄をする仲間たちを見て、タイショウはかつて自分のために助けに来てくれたユウトのことを初めて少し理解したのかなあ…タイショウはユウトに謝り、ユウトは「これからもずっと一緒だ」とタイショウに告げます。ふたりの思いがやっと通じあう、よかった…!自暴自棄にもなっていたタイショウのことずっとず信じてくれてたユウトは本当に優しくて大好き。
(看守と戦うところで、ユウトがタイショウに「背中は任せたぞ」っていうのちょ〜かっこよくない???????????すっごい好き、ゆとたい大好き)

④カナサシ「走れ」

脱獄できようとする最後、カナサシはひとり塀に残り仲間に「走れ」と叫びます。仲間思いのタイショウは始め、カナサシを呼び戻そうとしますが、ふと黙り込みます。しばらく考えたのち、カナサシを呼び続けるユウトの腕を引っ張り走り出します。タイショウを振りほどこうとするユウトを、半ば無理やり走り出させます。

この場面は、かつてタイショウが捕まったときのリフレイン的状況。タイショウは、カナサシと同じことをしていた。仲間を巻き込みたくない、と1人で抱え込もうとした。そしてタイショウを助けに来たユウトは巻き添えに捕まってしまった後悔の過去。タイショウは、「走れ」というカナサシの気持ちも理解できるし、あの頃と同じようにカナサシを止めようとするユウトのことをリアルかつ客観的に知る。

ユウトの腕を掴み走り出す選択。一緒に捕まることとなったユウトにさせてしまった選択との決別こそ、この「少年たち」の中でタイショウの大きな変化をもたらす出来事、そしてゴールです。 

そして「君にこの歌を」の前、カナサシが死んでしまったことについて自分を責め続けるミズキに、「お前だけの責任じゃない、ここにいるみんなの責任だ」のタイショウ。
それユウトに再三言われてたヤツ!自分がひとりで抱え込んでた苦しみを知ってるからこそ、そこから助けて出してくれたユウトがいたからこそ、ミズキに掛けることのできた言葉!この、仲間がいることで導き出した答えこそ、この物語「少年たち」の意味です。

過去の「少年たち」の脱獄が、“身動きがとれない状況から脱し未来に向かう”というメタファーであったことに対し、今回の「少年たち」の脱獄は、“孤独的な考えから仲間を信じる気持ちを知る”という内的な殻を破るメタファーであったと思います。

以上、2021年「少年たち」の、大昇担の大昇担による大昇くんのための超大昇担主観解釈でした!!!!!!!!
例え主演じゃなくても、自担を主人公にして観劇することが特技なんですけど、今回ばかりは本当に自担が主演に近しい存在だったので役の過去のこととかもしっかり語られたりして楽しかった!!!!

(↑突然出演が決まった2018年「少年たち」、まるで大昇くんが主演のようなはてブを前編後編に渡って書いてて過去の私は本当に元気。)

改めて!Hi美の「少年たち」、楽しかったです!日を重ねるごとに舞台が成長していってる…!という実感、これこそ大好きなジュニアの舞台だ!って久しぶりにジュニアヲタクの醍醐味を味わえた!

rivalを歌う大昇くんを見ることは夢のひとつでした、叶えてくれた大昇くんありがとう!
ほとんど表情を変えない役なのに、細かな表現をできる大昇くんのこと本当に天才!演技も歌も、舞台全体を引っ張っててさすがとしか言えません。

大昇くんがステージで演技してるのもっと観たいな〜〜!
また絶対主演ミュージカル決まってほしいです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!言霊!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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